異世界の恐怖にあおられる!臨場感たっぷりのホラーADV
呪われた廃校「天神小学校」を舞台に、さまざまな恐怖と謎を描く『コープスパーティー』シリーズ。本作は『コープスパーティー Book of Shadows』のラストから続く、物語の最終章として位置づけられている。
スマートフォン版では、PS Vita版と比べてローディング時間の大幅な改善が図られており、より本作の世界に没入できるようになっている。
また、セーブデータはiCloudおよびGoogle Playゲームサービスに対応し、オンライン上に保存しておくことが可能だ。
本作をプレイする際には、イヤホンまたはヘッドフォンは必須といえるだろう。PS Vita版と同様に、「ダミーヘッドマイク」によって収録された3D音響で、耳元でささやかれるようなサウンドを体験できる。
実際、さまざまな方向から人の声や正体不明の物音が聞こえてくるというのは、その場面に自分も居合わせているかのような臨場感を醸し出す。ホラーというジャンルでもあり、できれば薄暗くした自分の部屋で、深夜にじっくりとプレイしたいタイトルだ。
プロローグ
「Book of Shadows」の惨劇から2ヵ月後。
黒魔術を使用した障害反動で重症を負ったあゆみは、直美の助けでなんとか一命を取り留めていた。
そして入院中のあゆみに届けられた、姉・ひのえのメッセージ。
「――黒の本「Bool of Shadows」を取り戻しなさい」
篠崎家が代々守り続けてきた門外不出の禁忌の書。それを取り戻すために、あゆみは再び天神小へと赴くことになる――。
過去と未来がザッピング!過去作を遊んでいない人も問題なし
本作のストーリーは、主人公の篠崎あゆみを中心に展開していく。またチャプターによっては、別のキャラクターの視点から並行する物語を追っていくことになる。
その時、違う場所ではどのような事件が起こっているのか、非常に興味をかき立てられる。
ちなみに、シリーズものということで「これまでのタイトルを遊んでいないとわからないのでは?」という方もいるだろう。その点については物語の随所で自然と知ることができる作りになっている。
筆者の場合も本作で初めて『コープスパーティー』シリーズに触れたのだが、ストーリーの随所で過去と現在がザッピングし、どのような惨劇が起こったのか、過去作のキャラクターたちが本作のメインキャラクターとどのような関係にあったかが、それとなく理解できた。
2つのモードを行き来しながらストーリーが展開
本作のゲームプレイは会話モードと探索モードの2つに大きく分かれており、各チャプターの前半はさまざまなキャラクターとの会話を通してストーリーが進む。
そして探索パートでは、いくつもの手掛かりを頼りに、見えないゴールを目指していくことになる。
探索パートでは、キャラクターが3Dモデルで画面に登場し、周囲を自由に動き回ることが可能だ。移動は、画面右下のバーチャルパッドで行う。
画面右側の「走る」ボタンに触れている間はダッシュすることもできる。ただし、一定の時間以上走り続けていると、息が切れてわずかな間だけ身動きできなくなる。
敵に追われているときなどは、あわてず急いで逃げる必要があるだろう。
また、特に念入りに調べたい場所では、そこに近づいた後に画面をタップ。役に立つアイテムや、ストーリーの進行に必要な情報などが手に入ることがある。
なお、探索する場所は、ほとんどが暗闇の中だ。画面左上の「懐中電灯」ボタンをタップすれば、周囲を照らし出すことができる。
このとき、画面右下のバーチャルパッドを操作すれば、照らす場所を上下左右に移動できる。電池切れというアクシデントもあるので、使いすぎには注意が必要だ。
体力をじわじわと奪っていくトラップの数々
悪意に満ちたさまざまなトラップが仕掛けられている天神小の内部。先へ進むにつれて、その種類がどんどん増えていくので、より注意を払って探索を続けていく必要がある。
また通常の体力を削られる数々のトラップに加え、精神をむしばむ「黒化」という要素も。手助けになるアイテムやオブジェクトを利用して、探索を進めていこう。
廃校ならではの「恐怖」がたっぷり!
チャプター0から2までをプレイしてみたが、それぞれの所要時間は各2時間ほど。キャラクター同士の会話の中からは、表からは見えないさまざまな事情が浮かび上がってくる。
ネタバレを避けるという意味で、すべてを細かに紹介することはできないが、この先にどのような展開が待ち受けているのかが個人的にも非常に気になる。
本作には若干グロテスクな表現もあり、すべての人におすすめするというわけにはいかないと感じる。ただ、デフォルメされた3Dキャラのかわいさによって、きつい表現もどことなくマイルドなものとなっている。
突然の理不尽な死、というものには出会わなかったので、そういう意味では非常にプレイしやすい出来栄えとなっている。じっくりと時間をかければ必ず先へ進めるシステムとなっているので、ホラーゲームをカジュアルに遊びたいという人はぜひ!
ちなみに本作は、2017年2月2日から2月28日までは「5pb.ウィンターセール」としてディスカウントプライスで販売されている。通常の半額以下で購入できるので、興味がある人は早めにダウンロードしておこう。
ただし、本作は日本語版と英語版で別販売となっているので、購入の際には注意してもらいたい。
※以下のストアへのリンクは日本語版です。
- 使用した端末機種:iPhone 6s Plus
- OSのバージョン:iOS 9.3.2
- プレイ時間:約6時間
- 記事作成時のゲームのバージョン:1.0
(C) Team Gris Gris /MAGES. /5pb.