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『エグリア』を生み出した亀岡氏と岡宮氏ってどんな人? かつての思い出話も

4月13日(木)の正式リリースが間近に迫る『エグリア ~赤いぼうしの伝説~』(以下、エグリア)。本作を生み出した株式会社ブラウニーズの亀岡慎一氏と、DMM.comの岡宮道生氏。かつて同じゲームメーカーで同僚だったおふたりに、過去の思い出から『エグリア』の未来まで、お話をうかがってきた。

旧知の2人が『エグリア』の生まれた経緯を語る

今回お話しをうかがったのは、『エグリア』の総監督・キャラクターデザインを手掛ける株式会社ブラウニーズの亀岡慎一氏と、本作のプロデュースを手掛けるDMM.com POWERCHODE STUDIOの岡宮道生氏。

株式会社スクウェア(現スクウェア・エニックス)に同時期に所属していたおふたりが、どのようなきっかけで『エグリア』を世に生み出したのか?

過去のエピソードも交えた、興味深いインタビュー内容をお届けしよう。

株式会社ブラウニーズ代表取締役社長を務める亀岡慎一氏(左)と、DMM.com POWERCHODE STUDIOを率いる岡宮道生氏(右)

亀岡氏は、『聖剣伝説』シリーズを筆頭に、グラフィックデザイナーやプロデューサーとして数々の名作を手掛けてきたゲームクリエイター。

一方の岡宮氏は、『艦隊これくしょん-艦これ-』のエグゼクティブプロデューサーとして知られている。また、ゲーム音楽で名高い植松伸夫氏がリーダーを務めるロックバンド「EARTHBOUND PAPAS」(旧THE BLACK MAGES)のメンバーという一面も。

植松伸夫氏が率いるバンド「EARTHBOUND PAPAS」では、岡宮氏がギターを担当!

同僚時代の交流はゼロ!? 2人をつないだのは植松伸夫氏

――岡宮さんと亀岡さんは、かつて同じゲーム会社の同僚だったとお聞きしています。そこで、何か当時のエピソードがございましたら、教えていただけないでしょうか。

岡宮道生氏(以下、岡宮):何かありましたっけ?

亀岡慎一氏(以下、亀岡):何もないよね?

――在籍されていたのは同じ時期でしたか?

岡宮:被ってました。私は1990年の最後に入って、16年ぐらいいましたね。

亀岡:自分は1991年ぐらいに入りました。

――完全に同じ時期に入社されたのですね。

亀岡:当時はチームが異なっていると、ほとんど交流がなかったんですよ。特に、最初は宣伝部(岡宮氏)と開発部(亀岡氏)なので、まったくかかわりがなかったですね。

岡宮:最初、亀岡さんはどこのチームでしたっけ?

亀岡:自分はずっと田中さん(現ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社執行役員の田中弘道氏)の聖剣チームでした。

岡宮:私はそこではなく、ロマサガかFFのチームなんですよ。だから、ほとんど仕事上では交流がありませんでした。

亀岡:当時は会社の引っ越しも多かったですし、ビルも違ったりしてましたね。夜にお酒を飲むときも、いたりいなかったりでした。ただ、忘年会では、全社員が顔をそろえるという感じでした。

岡宮:亀岡さんは当時から兄貴キャラなので、若い衆とかをまとめて「亀岡組」みたいな感じで(笑)。

亀岡:当時、会社の平均年齢が若すぎたんですよ(笑)。自分は28歳で入社したのですが、坂口さん(現ミストウォーカーCEOの坂口博信氏)と同じ年齢なので、もう年齢的には部長クラスなんです。

先輩たちはみんな年下だし、なかなか入り込めなくて(笑)。そうなると、若いのを引き連れるしかないですよね(笑)。

――亀岡さんは当時から開発のほうにいらっしゃったのですか?

亀岡:開発でしたけど、あの頃はゲームを一生やる気はなかったので、超チャラチャラしてましたね(笑)。「もう、いつ辞めてもいいや!」って感じでした。

――そこから『聖剣伝説』の自由な発想が生まれたのでしょうか。

亀岡:あの頃、いきなり『聖剣伝説』のキャラクターを任されたのですが、結構キャラクターをアニメーションさせないといけないんですよ。

自分はアニメーションが得意だったので、そこである程度の評価をされていたみたいです。

当時からアニメーションが得意だった亀岡氏は、アクションRPGの『聖剣伝説』と相性がよかったそうだ

――当時は2Dのドットグラフィックが隆盛期でした。

亀岡:「スーパーファミコン」が登場したばかりだったので、社内で仕事についてアドバイスとかを聞ける人もいなかったんです。

当時、『FF IV』が社内でマスターアップされていましたがアクションは少なく、アクションRPGの『聖剣伝説』とは異なるものだったので。

――『聖剣伝説』は、ほかのタイトルとはグラフィックから違いを出そうとしているように思えました。

亀岡:自分の上にいた田中さんとか石井浩一さん(現株式会社グレッゾ代表)は、「FFとは違う方向に行こうぜ!」という野心はすごくありましたね。

――岡宮さんは当時、何をされていたのですか?

岡宮:私は『FF IV』が出る直前あたりに入社したので、その宣伝を行ってました。ただ、当時は宣伝部ってなかったんですよ。名刺をもらったら、肩書に営業って書かれていて(笑)。

募集広告ではコンセプトランナー募集って書かれてて、カッコいいなと思って入ったのですが、後で「そんなのない」って言われました(笑)。

主にメディアの皆さんにタイトルをご紹介したり広告や販促物を発注したりするお仕事でした。当時はゲームの写真を撮ったり、タイトルのプレスリリースを書いたりしていました。

――あの時代は、まだデータの受け渡しができなくて、ポジ(写真のポジフィルム)などで渡していましたね。

岡宮:懐かしいですね。その後に、プリントアウトする感光紙のようなものを導入したのですが、枚数分を自分で撮らないといけないので結構大変でした。

入りたての頃ですが、『FF』の魔法でメテオってあるじゃないですか、そのシーンを撮っていたのですが、どうしてもいい位置に隕石のエフェクトが表示されるタイミングの写真が撮れないんですよ。

それで朝の4時ぐらいになってしまって……よくよく見てみたら、3パターンぐらいしか隕石落下のアニメパターンがなかったんですね。実際には、撮りたいコマそのものがなかったんですよ。

少ないパターンでアニメーションさせるとか、そういうことも最初は知らなくて。あのときはかなりきつかったです(笑)。

亀岡:宣伝部はゲームのROMも運んでいたんじゃないですか? 新幹線で。

岡宮:ROMは開発チームのお手伝いって感じでしたが、取扱説明書はこちらの仕事だったんで一緒に(笑)。

取扱説明書はいつもギリギリの校了なので、現場で直せるように新幹線で制作会社のデザイナーさんと一緒に納品に行くんです。

でもあるとき、帰りの新幹線で校了のテキストの紙が腕に貼り付いていることに気づいて、「どこか抜けができてる。ヤバい!」と(笑)。

東京駅に着いてから電話で確認したら、それはボツの紙だったので、なんとか大丈夫だったということもありました。

※当時はテキストを校了紙に貼り、それを印刷会社に渡すことで修正を行っていた。

亀岡:よく仕事になってましたよね。

岡宮:ROM自体も、第一次、第二次と、時間差で運んでましたいたときがありましたよね。「できました!」といって持っていっている間に、「修正入りました!」ってなるとか。そういう時代でしたね。

――おふたりは当時、あまり交流されていなかったとのことですが、『エグリア』は一緒にお酒を飲んだときのお話がきっかけとうかがってます。

亀岡:会社を辞めてからですね、いろいろな人と交流ができたのは。植松さんとか坂口さんとか。FFチームにいた人とは、会社にいたときはまったく交流なかったんですよ。

外に出てから連絡を取り出して、そこから交流が生まれた感じです。ずっと会社にいたら、逆に交流しなかったかもしれませんね。

岡宮:きっかけは植松さん主催の忘年会か何かだったと思います。

亀岡:そこには元FFチームの人が結構来ていて、そこであいさつをしたのが最初でした。

植松氏のバンド「EARTHBOUND PAPAS」のメンバーでもある岡宮氏は、年に4~5回ほど海外公演も行うそうだ

――岡宮さんから見て、亀岡さんはどういう人物でしょうか。

岡宮:兄貴ですね、兄貴。兄貴&Tシャツ社長です。

亀岡:冬でもTシャツですからね。

――逆に亀岡さんから見て、岡宮さんはどのような人物ですか?

亀岡:意外にちゃんと仕事をする人なんだなと(笑)。

岡宮:ヒドイな(笑)。

亀岡:以前の会社の『FF』チームの人って、ちょっとこうお高いイメージがあったんですよ(笑)。なので、今回一緒に仕事してみて「しっかり仕事している!」と(笑)。

岡宮氏の希望にピタリと一致した『エグリア』のコンセプト

――岡宮さんが『エグリア』のコンセプトをうかがった際、最初にどのように感じましたか?

岡宮:最初に私が『エグリア』のことをうかがったのは、『艦これ』が出てそんなに経っていない頃だったと思います。

その時、コンシューマーっぽいスマホのゲームを作りたいと考えていたんですけど、そのイメージに『エグリア』がピッタリだったんですよ。

――最初に『エグリア』を見たのは、企画書の段階だったのですか?

亀岡:すでにパイロット版がある程度はできてましたね。自社持ち出しで作っていましたので。

岡宮:亀岡さんの描くキャラクターも好きですし、津田さんもいらっしゃるし、あの絵の雰囲気を生かした世界観がとてもよかったので、もうこれは口を出しちゃいけないなと。

それと、最初に「好きなようにやらせてくれ」っていう条件があったんですよ(笑)。

亀岡:もう本当に好きに作りたかったんです(笑)。以前からなかなか好き勝手に自由な作品を作れないというストレスがあったので。

好きなものを作りたいということでブラウニーズを立ち上げて、そろそろ好き勝手に創りたいものを作ろうかと社内に声を掛けて作ったのが『エグリア』です。

やわらかく淡いタッチで描かれた『エグリア』のグラフィック。世界もキャラクターも、やさしい印象を受ける

――岡宮さんは、自分が口出しをせずに、すべてをお任せするのは怖くありませんでしたか?

岡宮:コンセプトがしっかりしていて信頼感もありますし、亀岡さんだから大丈夫だろうと思いました。

ただ、課金回りやリリース後の運営を見据えた仕様などは亀岡さんご自身も不安とおっしゃってましたので、そこは2人で話して決めていきました。

――岡宮さんから見て、『エグリア』の最大の魅力は何でしょうか。

岡宮:全体的にずっとやり込めるところがいいんですが、どこか1つと言われると、精霊も含めてキャラクターの魅力に尽きますね。セリフを聞くと「よくできているなー」とニヤニヤしてしまいます。

精霊は、見た目や性格、セリフなどが、1人ひとり細かく設定されている

『エグリア』が買い切りタイトルになった理由とは

――F2Pではなく、買い切り形式にしたのは、かなり勇気のいるご決断だと思います。

岡宮:勇気がいりましたね(笑)。ずっと悩んでましたから。最初は基本無料のつもりだったので、システム的にはそれを組み込んで作っていました。

しかし、ユーザーの方から買い切りを希望する声が聞こえてきたり……。自分自身でも、基本無料にして要所要所で課金するパターンだと、このゲームの場合はちょっとまとまりづらいと思っていたんですよ。

もともと基本無料が難しかったら買い切りでいこうと思ったので、昨年の東京ゲームショウあたりから真剣に考え始めた形です。

亀岡:自分はあまりF2Pの経験がないので、「ガチャを入れろっていうなら入れるよ」とはいってたんですよ。

岡宮:でも、最初はガチャはやりたくないって言ってたじゃない(笑)。私もこのゲームはガチャ入れないほうがいいかなと思ってましたけど。

最初は、時短アイテムとかだったら課金でもいけるかな、と思って調整したんですけど、やってる私自身がいらないなと思い始めて(笑)。

ゲーム中に、そういう課金のことを考えずにプレイしてほしいというのもありましたね。

岡宮氏は、昨年リリースされた任天堂の『スーパーマリオ ラン』が、『エグリア』を買い切りタイトルにする決断を後押ししたと語る

――昨今はほとんどのスマホゲームが基本無料のアイテム課金制を採用しており、ある意味、買い切りは時代に逆行しているようにも感じます。

岡宮:『スーパーマリオ ラン』は、最初に無料で遊べて、その後で買い切りだったので厳密に言えば基本無料ですけど、買い切り型と同じ考え方ですよね。

これは昔のスタイルといえばそうですが、基本無料も最近ではいき詰まり感がありますし、目指すゲームの方向性によってはそろそろ導入してみてもいいんじゃないかとは思いまして。

――時短アイテムなどの課金はないとのことですが、もしユーザーの方から要望があったら、課金アイテムを実装することはありますか?

岡宮:課金アイテムは出さないつもりです。ただ、まずはゲームを全部遊んでいただいて、そのうえで皆さんからご要望が出るようであれば考えたいかな、と。

時短アイテム自体は、家の建築や作物の収穫などが行えるものが存在する。それらは課金ではなく、フィールドクリア時の報酬などで入手できる

――『グランブルーファンタジー』のように、DMM.comさんで『エグリア』のPCブラウザ版を出す可能性はあるのでしょうか?

岡宮:特に問題はないので、スマホで人気になったらブラウザ版が出ることもあると思います。でも今のところはスマホだけですね。

――ほかのゲームタイトルや映画などとのコラボはいかがでしょうか?

岡宮:『エグリア』は世界観やグラフィックのテイストが独特でしっかりしていますので、ほかとのコラボは難しいかなとも思うんですよね。

ゲームや世界観のしっかりしたコンテンツでなくて、もしかすると異業種とのコラボはハマりそうですけど。

――『エグリア』の楽曲は下村陽子さんがご担当されてますが、お2人が特にお気に入りの曲を教えていただけますか。

岡宮:私はやはりメインの曲が好きですね。ちなみに曲数は最初は少なめだったのですが、作っている最中に増えていきました。

亀岡:下村さんだけでは手が回らなくなったので、岡宮さんが一緒にバンドをやっている、弘田さんにも手伝ってもらいました。

――スマホゲームにしてはかなり多いと思うのですが……。

亀岡:コンシューマーの感覚だったので(笑)。最初は使い回すつもりだったのですが、現場から違う曲が欲しいという声があがったので、増えてしまいました。

岡宮:予算がなかなか厳しかったですが(笑)。結果的には良かったと思います。

スマホゲームでは曲を聴かないでプレイする方が多いですが、『エグリア』はぜひ聴いてほしいですね。特に本作は、曲を聴きながらプレイすると、グッときます。

――完成するまでに苦労した曲はありましたか?

亀岡:キャラクター設定と曲が合ってなくて、リテイクを出したことはありますね。こんな明るいキャラじゃないと(笑)。

――亀岡さんのお気に入りの曲はどれですか?

亀岡:自分は切ないような曲が好きなので、メインテーマと自宅の曲ですね。部屋に入ると、ちょっと曲のトーンが下がるんですよ。

最初は「何でかな?」と思っていたのですが、フィールドで楽しい曲を聴いた後に部屋に戻って落ち着いた曲を聴くと、妙にそれがしっくりとくるんですよね。

今ではその曲を聴くためだけに、自宅に戻ったりします。ぜひ、ユーザーの方にも聴いてもらいたいですね。

騒がしい街から静かな自宅に戻ると、友人と遊んで別れた後のような、少しセンチメンタルな気持ちに……

大きな反響を呼んだ『エグリア』のユーザー体験会

――リリース前に『エグリア』の体験会が日本各地が行われましたが、参加者からの反響はいかがだったでしょうか?

亀岡:個人的には、すごくやってよかったです! 体験会に来てくださった方々は自分たちのコアなファンが多くて、楽しくやらせていただきました。

岡宮:急きょ、東北での開催を決めたこともありましたね。あんまり楽しすぎて、もっとやろうといい始めて大変でした(笑)。

――開発チームの方たちが、ユーザーの皆さんと直接触れ合う機会は貴重だと思います。

亀岡:そうですね。実際に自分たちが作ったものを、目の前でユーザーが遊ぶという機会はなかなかないので。特に、うちの新人にはいい経験になったと思います。

自身がかつて体験会でモチベーションが上がった経験を持つ亀岡氏。そのため、今回は若手スタッフを体験会に連れていき、同じような体験をさせたいという気持ちもあったという

――体験会でのユーザーからの感想で、多かったものを教えてください。

亀岡:課金内容が決まってない頃は、課金についての質問が多かったんです。でも体験会では「早くリリースしてください」というのが多かったですね。

――体験会でのプレイは限られた時間でしたが、ユーザーからこうしてほしいという要望はありましたか?

亀岡:次に進むフラグがちょっとわかりづらいというのがあったので、初見の方にプレイしてもらって、導線については調整しています。

スケジュールが延びてしまったのは、その調整が主な原因ですね。

――ほかにスケジュールが延びてしまった原因はありますか?

亀岡:あとは全体的な調整ですね。次のイベントが起こるのが難しかったのを、もっと簡単にしています。

例えば、特定の家具を作るのがイベントのキーになる場合、その家具を素材が集めやすい、もっと作りやすいものに変更したりしています。

1回いじると、通しで全体を見ないといけないので、調整には時間が掛かりますね。

家具の素材は、フィールドで木を切ったり、敵を倒したりすることで手に入る

岡宮:細かいものに関しては、リリース後に追加更新を行うことも考えています。

『エグリア』リリース後に追加されるコンテンツ

――リリース後に追加される、新たな要素について教えていただけますか?

岡宮:色を変えられるペンキ屋さんですね。家具のカスタマイズの幅が広がります。

ほかにもいくつかありますけど、これは後々発表しますので、楽しみにしていただければと。

――キャラクターの追加などはお考えですか?

岡宮:今の段階で主人公2人の物語も完結しますし、なかなか登場しないキャラクターもいますので、とりあえずはリリースのままで遊んでいただければと。

ただ、ご要望があれば、続編みたいな形でダウンロードコンテンツによる新しいストーリーやキャラクターの追加はあると思います。

キャラクターの数は、今のところ64人。なかなか登場しないレアなキャラクターもいるそうだ

――『エグリア』でのアップデートは、月にどれぐらいの頻度になるのでしょうか?

岡宮:月に1~2回という感じでしょうか。

亀岡:そうですね。工数の関係で、そんなに頻繁にはできないかなと。

――季節のイベント的なものはお考えですか?

亀岡:そうですね、週間の曜日ダンジョンなどもありますので、同じような形でご提供できるかと思います。

――体験会では、自宅をカスタマイズできることに大きな反響があったようですが、自宅にフレンドを招待するなどの機能はありますか?

亀岡:リリース時は入ってないですが、リリース後に追加したいと思っています。

――自宅のカスタマイズコンテストなどはどうでしょうか?

岡宮:それはいいアイデアですね。ランキングなどの機能が入ると、このゲームの世界観的に合わないので、殺伐としない程度に楽しめる範囲であれば行ってもいいかもしれません。

家具の種類を競うような、ほかのプレイヤーとの競争意識を高めるものは実装しないそうだ

――ライトユーザー向けの特別な仕組みなどは?

岡宮:もともとゲームは小学生でもプレイするものでしたし、ライトユーザーを特別に意識して何かをするというのはないですね。

ただ、ちょっとでもプレイしたいと思った人がすぐにゲームの世界になじめるような間口の広さや敷居の低さは、全体として意識はしています。

亀岡:『エグリア』自体、毎日ガッツリとプレイしないといけないわけでもなく、手軽にできてライトな方にも向いているとは思います。

これでゲームをやるのが大変だと言われてしまうと、もうスマホのゲームで何をすればいいのか、ちょっとわからなくなっちゃう(笑)。

――体験会のユーザーからの感想で、『エグリア』はゆったりとしているという内容が多くみられました。ほかのスマホゲームは限定イベントなどで常に追い立てられているので、本作はそれらとはまったく異なるアプローチをしていると思います。

亀岡:そうですね。自分のプレイスタイルに合わせた時間の流れで、遊べるようにできています。

岡宮:基本無料ゲームですと、イベントを次々に行うのが通常なんですが、『エグリア』がF2Pにそぐわないのは、その忙しさが合わないからだとも思います。

亀岡:『エグリア』のプレイも急かしてしまうと作業のようになってしまいそうです。昔のコンシューマーのように、もっと遊びたいけどもう寝ないと……、というようになるとうれしいですね。

特定のエリアを隣接させると、隠されたフィールドが出現するといった隠し要素も。ほかにも、特定の家具をそろえるといったやり込み要素も楽しめる

――時代を動かすゲームにしたい、というお考えはありますか?

岡宮:いや~、そんな大きいことは考えてないです(笑)。いろんな意味で新しいスタイルのスマホのゲームとして遊んでいただければ。

亀岡:F2Pもいいですけど、『エグリア』のようにガッツリと遊ぶタイプのゲームがスマホアプリでも増えてくれるといいですね。

――『エグリア』の話題からは逸れてしまいますが、亀岡さんは『エグリア』以外のタイトルの企画などはお持ちですか?

亀岡:企画はあるんですけど、なかなか面白さが伝わらなくて(笑)。

頭の中では、すごく面白くできているのですが、今は利益のことまで考えないといけないので難しいですね。

自分は面白いゲームを開発することはできますが、売るのはまた別なので。

――『エグリア』の海外展開はお考えですか?

亀岡:海外展開は考えています。ユーザーの母数を増やしたいので。

岡宮:まだ内緒にしているのですが、公式サイトに英文が入っているのでバレバレだという(笑)。

ブラウニーズさんの作るゲームは向こうでも受けると思うんですよね。最初からグローバルな展開は念頭に置いていました。

――ローカライズはすでに進めているのですか?

岡宮:RPGタイプのゲームのローカライズに定評のある会社さんにお願いしています。日本人以外のスタッフが多い会社さんですが、皆さん日本のゲームがすごく好きなようで、とても心強いです。

亀岡:結構こだわりが強い会社で、「こうしたほうがいいんじゃないですか」といろいろ言ってくれますので、自分も海外版がどのような内容になるのか楽しみです。

――それでは、『エグリア』を楽しみにしているユーザーの方にメッセージをお願いします。

岡宮:私のおすすめは、プレイヤーをサポートする精霊です。数も多いですし、セリフやグラフィックも楽しいので、ぜひ実際にプレイして精霊をご覧いただきながら楽しんでいただければと思います。

亀岡:今、とてもせちがらい世の中なので、誰にも気を抜ける場所、空間が必要だと思うんです。そんな場所が、ゲームの中に、この『エグリア』がそのような場所になってもらえれば、創った甲斐があります

毎日の日常に疲れたとき、その疲れた心を癒やしてくれるような作品を目指して『エグリア』を創りました。ダマされたと思って一度手に取って、プレイしてもらえたらうれしいです。

――本日はありがとうございました。リリースを楽しみにしています!

(C)DMM.com POWERCHORD STUDIO/BROWNIES