日本とGoogleの温度差が埋まらないPixelブランド
Googleは昨年、独自のスマートフォンブランドNexusを「Pixel」へと変更。
Google Assistantの搭載やVRプラットフォーム「Daydream」への対応などが話題を呼んだが、日本国内では発売がされないまま、新機種の発表へと至った。
今回発表されたPixel 2およびPixel 2 XLは、Pixelに引き続きHTCが担当するものと思われたが、FCC(連邦通信委員会)への登録情報では、Pixel 2 XLは韓国のLG電子が製造しているとのこと。
両端末の主なスペックは以下のとおり。
おおむね共通しているが、Pixel 2 XLはディスプレイの縦横比がGalaxy S8のように従来のものと比較して縦長仕様となっている。
Pixel 2 主なスペック
製品名 | Pixel 2 |
---|---|
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 約145.7×69.7×7.8mm |
重量 | 約143g |
OS | Android 8.0 |
SoC | Snapdragon 835(2.35GHz×4、1.9GHz×4) |
RAM | 4GB |
ROM | 64GB or 128GB |
外部ストレージ | 非対応 |
ディスプレイ | 約5.0インチ FHD (1,920×1,080) AMOLED |
リアカメラ | 1,220万画素 |
フロントカメラ | 800万画素 |
バッテリー | 2,700mAh(15分の充電で7時間利用可能) |
Pixel 2 XL 主なスペック
製品名 | Pixel 2 XL |
---|---|
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 約157.9×76.7×7.9mm |
重量 | 約175g |
OS | Android 8.0 |
SoC | Snapdragon 835(2.35GHz×4、1.9GHz×4) |
RAM | 4GB |
ROM | 64GB or 128GB |
外部ストレージ | 非対応 |
ディスプレイ | 約6.0インチ QHD+ (2,880×1,440) pOLED |
リアカメラ | 1,220万画素 |
フロントカメラ | 800万画素 |
バッテリー | 3,520mAh(15分の充電で7時間利用可能) |
両モデルとも、SoCにはSnapdragon 835を採用し、RAMは4GB、ストレージ容量はそれぞれ64GBモデルと128GBモデルが用意される。
2017年に各社から発売されているフラッグシップモデルと同等のマシンスペックを有しており、3Dゲームも快適に動作すると思われる。
また、Pixelではじゅうぶんとは言えなかった防水・防塵に関しては、IP53からIP67へ強化されている。
- Pixel/Pixel XL
防水:鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない
防塵:有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない - Pixel 2/Pixel 2 XL
防水:一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない
防塵:粉塵が中に入らない
なお、iPhone 7/7 PlusやHTC U11と同様に、3.5mmイヤホンジャックは廃止される(USB Type-C – 3.5mmプラグ変換アダプタが同梱)。
特筆すべきは、本体を握って特定のアクションを動作させる機能「Active Edge」。
これは、HTC U11に搭載されている「エッジ・センス」と同等の機能で、側面を握ることで動作する。
エッジ・センスとまったく同じ機能を搭載しているのであれば、動作させるアクションを任意に選択したり、長・短の握りの違いで2つのアクションを割り当てることができる。
カメラは、流行りのデュアルレンズではなくシングルレンズを採用しており、メイン(背面)が1,220万画素、インカメラが800万画素。
カメラ性能の評価機関「DxOMark」のモバイル部門で過去最高の98点を記録している。
カラーバリエーションは、Pixel 2がJust Black、Clearly White、Kinda Blueの3パターン、Pixel 2 XLはJust Black、Black & Whiteの2パターンがラインアップされている。
価格はPixel 2の64GBモデルが649ドル、128GBモデルが749ドル、Pixel 2 XLの64GBモデルが849ドル、128GBモデルが949ドルとなっている。
残念ながら今回も販売国に日本が含まれておらず、今後の販売の見込みも不明。
技適マークの有無はさておき、日本で購入するには、海外スマホを取り扱うショップで購入するか、個人で輸入をするしかない。
なお、Made by GoogleのYouTubeチャンネルでは、発表会の映像や各製品に関する動画が公開されている。
https://www.youtube.com/watch?v=zpLVsR8cSFo
対応バンドをチェック
LTEの対応バンドは下記のとおり。
Band 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/20/25/26/28/29/30/32/66。
国内での利用を想定すると、ドコモのプラチナバンド(Band 19)に対応していないのが気がかりだ。
Pixelに引き続き、販売国に日本が含まれていないこともあり、日本をターゲットとしていないという見方もできる。
多くのAndroidユーザーが望んでいるだけに、正規ルートでの販売に期待したいところだが、発売の可能性は低いのが筆者の見立てだ。
縦横比はトレンドの縦長スタイル
前述したとおり、Pixel 2 XLは、ディスプレイの縦横比が従来のスマートフォンより縦に長い18:9へと変更されている。
LG V30と同じ縦横比で、Galaxy S8/S8+より少し横長な設計だ。(Galaxy S8/S8+はディスプレイの左右の縁が湾曲しているため、数値以上に縦長に感じられる)
最近トレンドとなっている縦横比と言えるわけだが、多くのスマホコンテンツは従来の16:9向けに作られており、その特徴を生かし切れていないものが多い。
対応できていないコンテンツでは、上下に黒帯が出てしまうことがあり、Galaxy S8/S8+では、むりやり全画面に表示させることもできるが、横方向にコンテンツが見切れてしまった。
ただし、11月に発売予定のiPhone Xも縦横比が縦長の約19.5:9へと刷新。
徐々にメインストリームとなりつつある縦横比なので、コンテンツ側が追従していくことが予想される。
Android 8.0 Oreoを搭載
Pixel 2/Pixel 2 XLは、Android 8.0をプリインストールする。
お菓子のから拝借するコードネームは、大方の予想どおりOreo(オレオ)が採用された。
ダブルタップによる住所や電話番号などのテキストが選択できる「Smart Text Selection」や、アプリアイコン長押しで通知内容を確認できる「通知ドット」といった新機能やUIの変更などが行われている。
また、Wi-Fi機器同士で、デバイスの検出やデータ送受信ができる「Wi-Fi Aware」に対応。
平たく言うと、ニンテンドー3DSのすれちがい通信のような機能をサポートしたというわけだ。
これにより、『ポケモンGO』などの位置情報を使ったスマホゲームに、新たなゲーム性が生まれるかもしれない……?
Androidアプリ対応Chromebookなども発表
今回のMade by Googleでは、Pixel 2の他にも多彩な製品が発表された。
Chrome OSを搭載した2in1ノートPC「Pixelbook」は、999ドルとChromebookとしては高価だが、12.3インチQHDディスプレイ、Core i5/i7、RAM 16GBを搭載するハイスペックモデルだ。
ディスプレイはタッチパネルを搭載し、ワコムと共同開発したデジタルペンによる入力もサポートする。
Pixelbookは、Androidアプリもサポートしており、12.3インチの大画面でスマホ向けゲームをプレイすることができる。
しかし、ChromebookでAndroidアプリを実行しても、正常に動作しないことが多いため、ゲーム目的での購入はおすすめできない。
※こちらも日本での発売はアナウンスされていない
また、昨年発売されたDaydream Viewの新モデルが発売決定。
旧型と比較して、視野角が10度ほど拡大されたほか、クッション部の形状を見直すなどの改良が施されている。
https://www.youtube.com/watch?v=PNBL2DpB1YE
この新型は日本でも発売されることが発表されており、ついに日本でもDaydreamが正式に展開されることになる。
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