大画面でスマホゲーム! Apple TVとNexus Player徹底検証(ハード編)

2015年は日本国内でも大手各社から続々と新型のSTB(セットトップボックス)が発売され、その認知度が拡大した年になったといえる。ここでは、その中でも特に注目度が高いと思われる『Apple TV』と『Nexus Player』の2機種を検証してみる。1回めの今回は、ハードウェア編として、外観やリモコンからセットアップまでを比較検証する。

ハードウェアとしてのApple TVとNexus Player

ひと口にSTBといってもその種類はさまざまで、機能が大きく異る場合もある。『Apple TV』と『Nexus Player』は、プラットフォームこそ違えど「映画を見る」「ゲームで遊ぶ」など、できることは似通っている。今回はそんな2機種の外観から初期設定のしやすさまでを比較していく。

Apple TVの外観と付属品

外観と付属品から比較してみる。Apple TVの同梱品は、以下のとおり。

  • 本体
  • リモコン(Siri Remote2)
  • 電源コード
  • Lightning – USBケーブル
  • マニュアル

Apple TVの利用にはHDMIケーブルが必須となるが付属品ではないので、持っていない場合は別途購入の必要がある。


マニュアルは何ページもある分厚いものではなく、簡易的なものになっている。より詳しい説明は、Appleのサポートページにユーザーガイドが公開されている

本体上面はサラサラとしたマットな質感の中央に、鏡面加工が施されたリンゴマークと「tv」の文字が輝く。側面も同じく鏡面加工で、ツルツルとした質感だ。本体サイズは35 mm × 98 mm × 98 mm(高さ×幅×奥行き)で、角が丸い正方形を描いており、重量は425gと程よい重みがある。


ロゴと側面の鏡面加工とズッシリとした重みに高級感がある

背面には電源端子、HDMI出力端子、Lightningコネクタ、Ethernet ポートが配置されている。


『Apple TV』はもちろん無線LAN(Wi-Fi)対応だが、LANケーブルを使用して有線接続も可能

Nexus Playerの外観と付属品

Nexus Playerの付属品は、以下のとおり。

  • 本体
  • 音声検索対応リモコン
  • 電源アダプター
  • クイックスタート ガイド
  • 単4形電池 2本

Apple TV同様、HDMIケーブルが必須だが同梱はされておらず、別途購入が必要。


クイックスタート ガイドは紛失してしまったが、こちらも非常に簡易的なものだった。Android TVのヘルプ内にNexus Player のスタートガイドがあるので、詳細はここを参考にする

本体は円形で中央に「nexus」の文字が刻印されている。『Apple TV』同様に上面がマットで側面は鏡面加工が施されているが、マット部分のキメがわずかに粗く、質感は異なる。サイズは20 mm x 120 mm x 120 mm(高さ×幅×奥行き)で重量235g、『Apple TV』より薄くて軽い。


ロゴが控えめだからか、『Apple TV』よりもシンプルに見える

各コネクタは背面から中央あたりまで下がったところに配置されており、ケーブルの端子類が見えないようになっている。Nexus PlayerにはEthernet ポートはなく、無線LAN(Wi-Fi)必須となる。


ゴチャゴチャして見えるケーブル端子が隠れるのはうれしい配慮

Apple TVのリモコン

Apple TVのリモコン(Siri Remote2)は、スタイリッシュなデザインと本体の薄さが特徴だ。


リモコン下部は本体同様の鏡面加工が施されている

主な操作は上部の「Touch サーフェス」と呼ばれる部分をスワイプ、またはクリックして行う。手元を見ずに感覚的に操作ができる。しかし、Apple TVを初めて使用した筆者は、「決定」のしかたがわからず戸惑った。結果的にはTouch サーフェス部分を押し込めばいいのだが、初めはタップするものだと思い込み、これに気づくまでしばらく時間がかかった。

同様にMENUボタンが「戻る」だということにも、しばらく気がつかなかった。これらは全て同梱のマニュアルに記載されているので、読んでいなかった筆者が悪いのだが、若干わかりづらいとも思う。


適度なクリック感があり、慣れれば使いやすいSiri Remote2。サイズは124 mm × 38 mm × 6.3 mm高さ×幅×厚さ)で47g


手に持ってみると、そのコンパクトさと薄さがよく分かる。

Nexus Playerのリモコン

対する『Nexus Player』のリモコンは、スタイリッシュさこそないものの、操作系が初見でもわかりやすいのは利点といえる。しかし、プラスチックの質感とデザイン、そして押すたびにカチカチと音が鳴るボタンは、若干チープな印象だ。


Apple TVのリモコンと比べると、デザインはいまひとつといわざるをえない

上下左右へのカーソル移動も、カチカチとボタンを押して操作する。パッと見は「◯」ボタンが何か分からないかもしれないが、Android 5.0 Lollipop以降のアイコンデザインを考えれば、「ホーム」ボタンであることが想像できるのではないだろうか。


Nexus Playerのリモコンは、単4形電池2本を使用する。充電式のSiri Remote2とどちらがいいか、好みが分かれそうだ


Siri Remote2に比べかなり分厚いが、ホールド感があり持ちやすい

テレビとの接続接続性とセットアップのしやすさ

テレビやディスプレイとの接続はどちらも簡単。両機とも電源ボタンは存在せず、電源コードと本体を接続し、プラグをコンセントに差し込めば自動的に起動する。あとはHDMIケーブルで本体とテレビをつなぎ、入力切り替えを行うだけだ。


ケーブル類を接続するだけでOK

初期設定も基本的には同様の流れで、まずはリモコンのペアリングを行い、Wi-Fiと接続。その後Apple IDやGoogle アカウントの設定を行う。どちらもすでにアカウントを持っていれば、スマホを通して簡単に行える。


画面の指示に従って操作を行えば、2~3分ほどで初期設定は完了する

しかし、Nexus Playerはスマホを使って初期設定を行う場合、Google アプリで特定のページにアクセスする必要があるなど、いくつか手順が多い。また、筆者の場合だとスマホ(Nexus 5)との接続が上手くいかず、結局手動で設定することになった。理由が特定できないので何ともいえないが、iPhoneからさっと設定できたApple TVと比較すると、ずいぶん手こずった印象だ。


Nexus Playerも途中まではうまくいっていたが、あるセクションから先に進めなくなってしまった。これに失敗すると、スマホのブラウザに特定のURLを入力してGoogleアカウントにログインする必要があるなど、手順が増える

付属品から本体やリモコン、初期設定までを比較してみたが、両機にさほど大きな差はないように思う。しいていえば初期設定のしやすさは、Apple TVに軍配が上がるだろうか。次回は両プラットフォームで配信されているゲームの違いやリモコンの操作性、さらにゲーム用コントローラーについて検証していく予定だ。