ドコモの2画面スマホ「M」はゲーマー向け?活用方法を探ってみる

2月9日、ドコモより2画面を搭載したスマートフォン「M(Z-01K)」が発売された。2つのディスプレイで4つのモードを実現した本機の使い勝手は実のところはどうなのか。ゲームプレイへのメリットとともに検証していく。

久しぶりの変態スマホ「M」で快適ゲームライフを実現!?

2月9日にドコモより発売された「M(Z-01K)」。

2つのディスプレイを搭載することで、4種類の使い方を実現したいわゆる変態端末と称される部類のスマートフォンだ。

開発はドコモとZTEが共同で行っており、国内ではドコモでのみ購入が可能。

中国やアメリカなど、海外ではZTEのスマートフォンブランド名を冠した「AXON M」という製品名で販売されている。

2画面スマホ「M」。こちらは2つの画面に同じ内容を表示するミラーモード

製品名M(Z-01K)
サイズ(高さ×幅×厚さ)
※折り畳み時
約151×72×12.1mm
重量(実測値)231g
OSAndroid 7.1
SoCSnapdragon 821 (2.2GHz×4+1.6GHz×4)
RAM4GB
内蔵ストレージ64GB
外部ストレージmicroSDXC(最大256GB)
ディスプレイ約5.2インチ(TFT)×2
ディスプレイ解像度フルHD(1,920×1,080)
メインカメラ2,030万画素
バッテリー2,930mAh
SIMスロット数1(Nanoサイズ)
Wi-Fi802.11 a/b/g/n/ac
Bluetooth4.2
防水・防塵なし

この手の特殊な端末は、基本スペックが心もとないこともあるが、本機は Snapdragon 821 (2.2GHz×4+1.6GHz×4)を採用し、RAMは4GBを搭載。

少し前のフラッグシップモデルくらいのマシンスペックとなっており、実用的なレベルだ。

AnTuTu benchmarkでは、スコア152,223を記録。端末の特性上、2つのアプリを同時に使用するシーンが多いが、動作面でストレスを感じることはなかった

本体左側面はSIMカードスロット、音量ボタン、電源ボタン(指紋認証センサー兼用)、カメラ起動ボタンを配置

右側面は、折り畳みのヒンジとなっている

2画面を広げた際の裏面。「M」のマークがさりげないアクセント

利用シーンに合わせた4モード

本機には、2つのディスプレイを活用した下記の4つのモードが搭載されている。

  • 大画面モード
  • 2画面モード
  • ミラーモード
  • 通常モード

これらのモードは、いつでも任意に切り替えることができる。

大画面モード

2つのディスプレイを1つの大きな画面として使う大画面モード。

ディスプレイサイズは、6.8インチに相当する。

大画面モード時のホーム画面。大きなサイズのウィジェットを置いても、それだけで画面が埋まることがない。感覚としては、ひと昔前のファブレット端末を使っているような感じ

大画面を広々と使えるので、電子書籍を読む際はぜひこちらのモードを使うといいだろう。

ただし、漫画の見開きページなど、両画面にわたって表示されるコンテンツは、画面間のベゼルが気になって仕方がない。

雑誌や小説、実用書など活字メインの書籍に向いている。

Webサイトを表示した場合もベゼルが気になる

ベゼルが横ラインになるように縦横を入れ替えると、少し見やすい。

YouTubeなどの動画コンテンツでは、その大画面をフルに活用できない。片方に動画、もう一方に動画概要を表示する使い方がベスト

こちらは大画面モードでゲームを起動してスクリーンショットを撮影したもの。正方形に近いディスプレイに合わせた表示がされるので、ほとんどのゲームは存分に楽しむことはできなさそう

『キャンディークラッシュ』など、Kingの各タイトルは画面の縦横比に合わせた形で表示されるので快適にプレイ可能。ただし、2画面にわたってスワイプする場面では、入力が途切れてしまうことも

2画面モード

2画面モードは、2つのディスプレイそれぞれで、別のアプリを利用できるモードで、2画面という特性をもっとも活用できる使い方。

Android 7.0(Nougat)で追加された「マルチウィンドウ」機能を応用して、2画面に別アプリを割り当てている。

そのため、1つの画面に2つのアプリを表示させることはできないようだ。

ネットサーフィンで気になるアプリを見つけたら、片方の画面でPlay Storeを起動してインストールする、なんてこともできる

アプリの組み合わせ次第で、さまざまな活用法、楽しみ方が実現できそうだ。

例えば、AbemaTVを見ながらTwitterで実況、攻略サイトを見ながらゲームプレイ、資料を確認しつつメール作成、といった使い方がこれ1台で完結する。

メールの文章作成中、何かしら確認したいことが出てくるのはよくある。Gmailアプリを閉じることなく、別のアプリで情報を確認することができてかなり便利。PCを使えない状況で活躍しそうだ

また、2画面両方で別のゲームアプリを起動することも可能だ。

片方を操作すると、もう一方のゲームは動作がいったん停止してしまうので、リアルタイムに操作しなければならないゲームは満足にプレイできない。

街づくり系ゲームの施設建設時間を他のゲームを遊びながら待つ、などの使い方が便利だ。

ただし、『Ingress』と『ポケモンGO』を同時にプレイできるという情報もあるので、2タイトル同時プレイについては検証を重ねたいところだ。

ミラーモード

こちらは、2つの画面に同じものを表示するモード。

タブレットとPCを兼ねる2in1PCによくある、対面の人と同じ画面を同時に見ることができるモードだ。

本体をテント状に立て掛け、向かい合った人と同じ画面を見ることができる

動画コンテンツをこれ1台で複数人で楽しむなどの使い方が考えられるが、隣り合った状態で普通のスマートフォンで一緒に楽しむのに比べて明確にメリットがあるようには感じなかった。

ドコモの製品ページでは、資料を表示させてプレゼンにも使えることもアピールされているが、5.2インチの画面では複数人を相手にするには心もとない大きさ。

1対1のミーティングなど、限られた場面にしか適さないだろう。また、その際も他に適した方法があるはずだ。

通常モード

最後の通常モードは、文字通り普通のスマートフォンのように1画面を使うモード。

本体を折り曲げる形で利用するのだが、1画面のスマートフォンとしては、分厚くて重いデザインとなっているが、2画面という他にはない特徴とのトレードオフだろう。

時刻や通知の確認などは、このモードで事足りる。

物足りないところがありつつ予想以上の実用性

数日の間、Mを使ってみたところ、2つの画面が役立つ場面にはたびたび遭遇。

特に、2画面モードで2つのアプリを同時に使えるのは、他の端末では体験できない便利さをもたらしてくれる。

片手で持つとサブディスプレイ(右側の画面)の存在感がより増してくる。屋外で強い風が吹くと、かなりの抵抗を感じるので、落とさないよう注意が必要

4種のモードは、それぞれ異なるシーンでその特徴を発揮してくれるが、ミラーモードについては取ってつけたような印象が拭えない。

本機のミラーモードならではの活用方法を探っていく必要がありそうだ。

また、もし今後、後継機が作られるとしたら、Galaxy NoteシリーズのSペンのような専用ペンを搭載してほしいところ。

利き腕側の画面に手書きメモアプリを起動してメモを取るもよし、大画面モードで大きな画面いっぱいにメモを取るもよし、手帳的な役割のガジェットとして大活躍するに違いない。

筆者が普段使っているSペンを使って、それっぽくしてみた。後継機では、ミラーモードも含めて、さらなるブラッシュアップに期待!

ゲーマー的視点で見ると、ゲームを遊びつつ、他のアプリを使用できるのは、役立つことが多い。

攻略サイトの閲覧やLINEなどのメッセージアプリで連絡を取りながら一緒に遊ぶなど、ゲーム外のコンテンツ、コミュニティにアクセスしながらプレイできる。

常に最新のSoCを搭載したスマホに買い替えるという一部のマニアなゲーマーでなければ、買い替え検討の余地はじゅうぶんある。

ちょっと分厚いというだけで、普通のスマホと同じ使い方もできるので、この機会に思い切って2画面スマホにチャレンジするのはいかがだろうか。

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