中華ゲー『王に俺はなる』に見る大清な世界観と程よい大雑把さ

もともとは『我が野望』というタイトルでリリースされていたのが、突然運営により「なんか違う気がするので『王に俺はなる』ってアプリ名にするわ」と変更された本作。あんまり期待せずにダウンロードしてプレイしてみると、歴史ゲームが好きな私も半笑いになるほど妙なハマり具合でありました。5,000円ぐらい課金しちゃったでしょうか。

まずね、何がいいって武将が全部おっさん。まぁ、大清帝国建国時代が時代背景なので当たり前なんですけどね。前髪だけ剃り上げた何とも言えない風貌のおっさんやじいさんがレベルアップされるのを待っておるのです。

特典で、なぜか文官扱いになってる宮本武蔵とか、やたらに強い徳川家康やら伊達政宗やら。いいね。いいですね、このおっさんだらけの水着大会。

何がいいって、雑魚武将やマルチレイド用のガルダン、モンゴルまで、どこぞのコーエーテクモで見た武将が面構えそのままに堂々とパクられておるわけであります。普通にヤバいんじゃね。まぁ、いちいち通報したりはしないけどさ。モンゴルで三國志13の軻比能が出てきたり、街中のごろつきが裴元紹だったり、そういうパラレルワールドもいいんじゃない?

ただ、数値系のパラメータは大雑把もいいところで、普通にやっていると街中を1億6,000万人引き連れたプレイヤーに、120万人の部下を従えた敵が喧嘩を売ってきて、数秒で全員皆殺しにする素敵なメインストーリーが展開されます。お前、それだけの軍隊抱えてたらそのまま大清帝国の首都・北京に進行できるだろぐらいの勢い。

アメリカンコーヒーよりも薄く引き伸ばされた数行のシナリオテキスト読むためだけに、毎回2,000万人ぐらいの敵を殺し、1,000万人ぐらいの味方が犠牲になるという進み方がナイスなわけです。

艶っぽいところでいえば、街中を探索すると美人と知り合い、勝手に結婚します。最初から許嫁の素敵な奥さんと結婚しておるわけですが、茶屋の娘から滅亡した明朝の隠れ姫までたくさんの美人が妾になるわけであります。

どの女性も美人なわけですが、どういうわけか夜の情事をして関係が深まって美人経験が増えると、その美人ごとに対応する武将の能力が強化されるという謎が謎を呼ぶ仕様になってます。さらに、「子供枠」が余っていると美人が子供を身ごもり、10人でも20人でも子供を産んで、他のプレイヤーの子供と縁組をすると自分の勢力にボーナスがつくわけであります。

さらには、シナリオが進むごとに敵将や政敵を捕らえて囚人にするわけなんですが、毎日この囚人を牢屋で殴ることができ、殴った回数だけ資源や兵隊、アイテムがもらえるという大清帝国ならではの仕様もあります。毎日ログインするたびにボコボコにされる可哀想な政敵の皆さん。

議論場では、プレイヤーのレベルに関わらず武将の能力に応じた論戦が繰り広げられるんですけど、強いプレイヤーを倒しても弱いプレイヤーでももらえる得点はいっしょなので、盛大な初心者狩りの阿鼻叫喚と化します。

学問という新フィーチャーでは強いプレイヤーは弱いプレイヤーを学問場から蹴り出すことができるというクソ仕様によって、強いプレイヤーはどんどん強く、弱いプレイヤーはただただ養分として暮らすという廃課金万歳状態となっているわけであります。

ゲームとしてつまらなくはないけど、仕組みがことごとく初心者には厳しいために、弱い連盟(ギルド)に入るとボーナスの得られるゾンビ退治はままならず、武将の強化も美人とのムフフも不可能という状況に陥るのはご愛敬なのでしょうか。当時の清朝の人口は3億4,000人余り、その3分の1を兵士として率いるプレイヤーのカタルシスがたまらないわけなんですけど、まぁ人を選ぶかなあと。

もしも、ギャル武将集めてイチャイチャしたいのであればまったくおすすめしませんし、派手なゲームというよりはトラビアン的資源ゲーな側面も強く、ほんとアクの強い内容に仕上がっている本作、この記事のスクショ見て「これはwww」と思える人だけダウンロードすると吉なんじゃないかと思います。はい。

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