2016年はスマホTCGが熱い!: 今すぐ始める入門編

トレーディングカードゲーム(以下、TCG)をごぞんじだろうか。ゲームによってルールは異なるが、ほとんどの場合はカードを特定の条件に従ってそろえ、「デッキ」と呼ばれるまとまりを作って、それを用いて他のプレイヤーと1対1の対戦を楽しむというタイプのものが多い。最近はスマホゲームでも、元祖TCG『マジック・ザ・ギャザリング』のiOS版である『マジック・デュエル』、人気オンラインRPG『マビノギ』の世界観を持つ『マビノギデュエル』、TCG国内大手であるブシロードが開発した『GeneX』など、多数のゲームが配信されている。そこで、TCGに興味のあるけどプレイしたことのない方やTCG初心者のために、TCGについて知っておきたい基礎知識やおすすめゲームについて、前編と後編の2回に分けて紹介。前編では、TCGとはなんぞや、という基本的なところから、その歴史、そして用語について解説する。

無数のカードからデッキを編集し、バラエティに富んだ戦いを楽しめるTCGの魅力

TCGという名前のとおり、ゲームはカードを用いて行う。これらのカードは、攻撃や防御、補助などのさまざまな役割を持っており、それらを制限された枚数以内でデッキ(複数枚から成るカードのまとまり)に組み入れ、自分好みのデッキを作成していく。所持しているカードの種類や自身の戦略によってデッキ内容は変化するため、プレイヤーの数が多いほど、バラエティに富んだゲーム展開が味わえるのが、このTCGの面白いところといえるだろう。

TCGが持つ、独特のダークな雰囲気に魅かれるプレイヤーも多い(画像は『マジック・デュエルズ』と『ハースストーン』)

ゲームのプレイスタイルは、自分と相手が交互にカードを出していき、その効果に沿って相手のカードや相手のライフポイント(またはそれに準ずるもの)を削っていくタイプが多い。その場合、最終的にライフポイントがゼロになると負けとなるため、なによりも早く相手のライフポイントをゼロにするのがゲームの目的となる。

TCGでは、対戦相手と対面する形でデュエルを行う。TCGのスマホゲームでも、その臨場感を味わえるように工夫されている(画像はハースストーン)

ほとんどのTCGにおいては、カードショップなどからカードを購入する必要がある。プレイヤーは数枚のカードが入ったパックを入手し、必要なカードをそろえていくわけだが、パックの中身は基本的にはランダム。まれに非常に強力な効果を持つレアカードなどが入手できたりすることもあって、パック開封の際には、特別なワクワク感がともなう。これも、TCGの楽しみの1つといえるだろう。

スマホゲームのTCGでは、ストーリークリアやイベント、対戦の報酬などでカードを入手できる。こちらもレア度が高いカードは入手しづらいのだが、それがコレクション好きのプレイヤーの心をくすぐるのだとか

トレーディングカードゲームの歴史

そもそもこのTCGとは、1993年にアメリカで発売された『マジック・ザ・ギャザリング』に端を発し、そのルールをベースとして多様なタイプのゲームへと派生し、現在へと至っている。

中でも、始祖的存在である『マジック・ザ・ギャザリング』については、当時は英語版しかなかったにもかかわらず日本においても大変な人気を博しており、のちに日本語版も登場しているほどだ。

『マジック・ザ・ギャザリング』は、『マジックデュエルズ』の名称で、PC版、Xbox版、iOS版でも販売・配信されている

その『マジック・ザ・ギャザリング』の人気を受け、日本国内でも1996年にRPG『ポケットモンスター』を題材とした『ポケモンカードゲーム』が、1997年には『遊戯王オフィシャルカードゲーム』が発売。こちらも多くのファンを獲得し、幅広い年齢層へTCGの楽しさを知らしめるのに一役買った。

ほかにも日本では『モンスターコレクションTCG』や『ガンダムウォー』など、さまざまな世界観を持ったゲームが生まれており、今でも人気がある作品が多い。

当初、TCGといえばほとんどが紙ベースのカードで遊ぶものだったが、ジャンルとしての人気が安定してくると、携帯ゲーム機を使ったTCGも数多く登場することとなった。これらはコンピューターを相手に1人でも遊べるほか、紙のカードを扱うわずらわしさもなく、さらにはダメージ計算などの面倒な部分をゲーム側で吸収してくれるために手軽さがあり、多くのファンに楽しまれた。

しかし、そのほとんどは、紙ベースのTCGにあるような追加カード、追加ルールといった部分での拡張性がなかったため、飽きられやすく、対戦人口の減少が早いという欠点は拭えなかった。

そして近年では、PCやスマートフォンをプラットフォームとしたTCGが登場。こちらはアップデートという手法によって前述の拡張性のなさを払拭し、手軽かつ長期間にわたって遊べる対戦ツールとして、紙媒体のTCGと遜色ないほどまでに進化している。これからのTCGの普及に、スマートフォンは欠かせない存在となるだろう。

スマホでカードゲームは星の数ほど登場したが、『マビノギデュエル』や『マジック・デュエルズ』などのように、TCGとしての世界観を持ちつつ、UIやシステム面をしっかりと構築しているのはそれほど多くない(画像は『マジック・デュエルズ』と『マビノギデュエル』)

トレーディングカードゲーム用語集

最後に、一般的に使われるTCGの用語を解説していこう。ここで紹介している用語は、さまざまなTCGで共通して使われている。TCGをプレイする際に役に立つので、ぜひとも覚えておこう。

アクション

カードを場に出す、コストを獲得する、パスをする、といった行動の総称。1ターンで複数回行動できるゲームもあれば、1ターンで1回しか行動できないゲームもあるなどさまざま。

カード

手札のこと。これを規定枚数以上持っていないとゲームにならない。そのため、ゲームによっては最初から規定の枚数を満たした「基本パック」的なカードの詰め合わせを販売あるいは配布していることが多い。

コスト

手札にあるカードを使用する際に消費するもの。コストの呼称はゲームによって「コイン」だったり「マナ」だったり「エネルギー」だったりとさまざま。

コンボ

同一ターン内で、カードを連続して使い攻撃を行なうこと。コンボとしてカードを使うことで、単独で使用するよりも大きな効果を得られるゲームも存在する。

ターン

手番のこと。自分の手番のときは「自分のターン」となる。

デッキ

大抵のゲームでは、複数枚から成るカードのまとまりを指す。ほとんどのゲームでは、デッキを山札として扱い、そこからカードを引いて手札として扱う、といった流れになることが多い。

デュエル

対戦相手と戦うこと。

手札

自身が手に持っているカードのこと。

トレード

自身のカードと相手のカードを交換すること。

ドロー

デッキからカードを引いてくること。

今回の記事では、TCGの概要や歴史など、基本的な知識を解説した。それらがTCGをプレイする上で重要かどうかはともかく、TCGが生まれてから20年以上経過した今でも、世界中の人々を魅了する理由について知っておくことはムダではないだろう。後編では、編集部おすすめのスマホで遊べるTCGを紹介する。今回TCGに興味を持った人は、後編も合わせてご覧いただき、自分に合ったTCGを見つけてほしい。

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