【ゲームニュースそこが知りたい】: 『パズドラ』北米展開から見るライバルと勝算

ガンホーの森下一喜社長は、7月29日の第2四半期決算説明会で、秋から北米版『パズドラ』のプロモーション展開を強化していくと発表した。国内では3,700万DLを突破し、もはや国民的なスマホゲームとなりつつある本作。果たして北米でもヒットすることができるのか、非常に興味深い。

世界各国のスマホゲーム市場について

日本国内では、ゲームに触っている人なら誰もが知っているであろう『パズドラ』であるが、世界ではどうだろうか。それぞれの国のストアランキングから、どういったタイトルが人気なのか、それぞれの国で好まれているゲーム性を見ていこう。

※2015年7月のApp Store、Google Playストアランキングから計測。中国はGoogle Playストアがないため、App Storeのみの計測結果となっている。

日本

1位:モンスターストライク

2位:パズル&ドラゴンズ

3位:LINE:ディズニー ツムツム

日本国内では、このような結果に。モンストとパズドラは国内で3,000万以上、ツムツムは世界で4,500万DL突破ということで、スマホを持っている人はこれら3タイトルのうち、いずれか1つはプレイしているのではないだろうか。

傾向としては、シンプルでわかりやすいシステムと、かわいいキャラクターが多いというのは共通しているように思える。

TVCMが盛んに流され、スマホを持っていない人にも認知されているであろうモンスト。パズドラより後発ではあるものの、ついにストアランキングでも首位を奪い取った形だ

パズドラはシーズンに合わせて「夏休みイベント」を開催。水着キャラのガチャやスペシャルダンジョンも登場し、集客率をアップする戦略のようだ

ツムツムは「海のたからものを集めよう」イベントを開催中。ゲームバランスが変わるような大規模アップデートはないものの、シンプルなゲーム性と遊びやすさから、根強い人気を保っている

世界で人気の『にゃんこ大戦争』

意外(?)な奮闘を見せているのが、ポノスの『にゃんこ大戦争』。外国でも好調なセールスを記録しており、世界で累計2,000万DLを突破した。英語版、韓国語版がリリースされ、どちらも順調に売上を伸ばしている模様である。独特の「ユルさ」は世界共通だった!?

アメリカ

1位:クラッシュ・オブ・クラン

2位:ゲーム・オブ・ウォー

3位:キャンディークラッシュ

アメリカ市場では、この3タイトルが人気。これにBoom Beach、キャンディークラッシュソーダが続くことになる。全体的には、いかついキャラと派手な演出が好まれているという印象だ。

ベスト10圏内で見てみると、SupercellとKing.comのタイトルが3本ずつ入っており、メーカーとしてはこの2つが非常に強いように思える。日本でいうと、ガンホーとミクシィのような感じだろうか。

日夜、さまざまなクランが戦いを繰り広げている『クラッシュ・オブ・クラン』。いつ敵プレイヤーの襲撃を受けるかわからないため、警戒のために仲間との協力は必須だ。こういったゲームデザインが人気の秘訣か

中国

1位:Fantasy Westward Journey (梦幻西游)
2位:We Fire (全民突击)
3位:MU Miracle (全民奇迹)

ジャンルとしては、RPG、アクションRPGが主流のようだ。

中国では課金の累計額によってゲーム内での階級が上がっていく「VIPシステム」が基本スタイルで、ガチャごとに課金するのではなく、月額の定額課金形式が多い。上の階級だとキャラやアイテムなどでさまざまな支給があり、かなり有利になる模様。このシステムの恩恵を受けられる、キャラの育成要素が強いゲームが好まれているようである。

また、累計数百万の課金により、ゲーム内で「神」として君臨しているユーザーもいるらしい……。

こちらは『Fantasy Westward Journey (梦幻西游)』。かわいらしいキャラが登場し、多数対多数の戦いが展開されるRPGだ。階級の高いプレイヤーは、高レア度のキャラと武器で戦力を固めていることだろう

韓国

1位:Raven

2位:Seven Knights

3位:クラッシュ・オブ・クラン

アメリカ、中国のトレンドが入り混じったような感じである。韓国はゲーム性が高いタイトルを好むようで、
ジャンルはバラけつつも、やりこみ要素が高いゲームがランクインしている印象だ。

1位の『Raven』はかなりアクション性が高いタイトル。8月7日(金)~8月13日(木)の間、日本語版のクローズドβテストを開催中ということで、サービスは間近。日本でもかなり人気が出そうな注目作だ

台湾

1位:MU Miracle

2位:Clash of Kings

3位:Tower of Saviors

国民の2人に1人は、ゲームで遊んでいるほどのゲーム大好き国家である台湾。Androidのシェア率が高くなっているようだ。パズルとアクションが人気らしく、アクション要素の強い『MU Miracle』、パズドラのような『Tower of Saviors』がランクインしている。

『MU Miracle』はMMORPGのような感じである。PCブラウザゲームのようなスタイルのゲームが台湾では人気のようで、こちらもかなりゲーム性は高そうな印象だ

イスラエル

1位:クラッシュ・オブ・クラン

2位:Zynga Poker

3位:キャンディークラッシュ

イスラエルの傾向としては、アメリカと似たような感じに。暑すぎてサッカーができない、宗教の関係で酒も飲めない……などの理由でみんなスマホゲームをやっているらしく、プレイヤーは多い模様である。また、石油王がすさまじい課金をすることもあるそうで、クラッシュ・オブ・クランのランキングでもアラブ系のクランが上位にランクインしている。

イギリス

1位:クラッシュ・オブ・クラン

2位:キャンディークラッシュ

3位:ゲームオブウォー

イギリスも、人気の傾向はアメリカとよく似ている。英語圏ということで、ローカライズの理もあるだろうが、
やはり世界ではいかついキャラ&派手な演出が好まれるようだ。

強敵! クラッシュ・オブ・クラン

こうして世界のトレンドを見ていくと、たいていクラッシュ・オブ・クランの名を見かける。世界的にメジャーなタイトルということで、パズドラが北米で戦っていく上でかならず立ちふさがる壁になるだろう。

ガンホーがアメリカでどういったプロモーションをしていくのか、また、Supercellに勝つことができるのか、秋以降の市場の展開は見ものである。

先日、3周年を迎えたクラクラ。これからも続々と新要素が追加予定ということで、その勢いは止まりそうにない。この怪物タイトルにパズドラがどう立ち向かっていくのか、注目しよう
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