Horizon Chase - World Tour【ゲームレビュー】

CGアート風のグラフィックが特徴のレースゲームの本作。『アスファルト』シリーズのようにツーリングカーが題材になっており、架空のサーキットでレースを繰り返してスコアを獲得し、世界を転戦する。画面の色づかいはポップで、世界の景勝地を巡る雰囲気は往年の『Out Run』を彷彿とさせる。

圧倒的な疾走感を味わえるアーケード感覚のレースゲーム

ポップな色使いで車もデフォルメ気味のデザインと、全体的にかわいげな印象であるが、本作の疾走感はかなりのもの。シンプルな操作で、レースゲームの爽快感を存分に味わうことができる。操作性もよく、レースゲーム好きな方には非常におすすめできる作品だ。

左右のステアリングボタン押しっぱなしで、軽快にコーナリング可能。UIはとてもシンプル

20台で順位を競うサーキットレース

最初のマップはカリフォルニア。地名を選んでコースと搭乗車を決めるとレースがスタートする。レースはサーキットを決められた周回走ってゴールした順位を競うというもの。周回数はサーキットによって変わるが、出場者数はいつも20台で、プレイヤーは必ず最後方のスタートになる。

19台抜かないと1位になれない状況からスタート。レース序盤はライバル車に接触しないように走るのが重要になる

レースの戦略性としては、一時的にスピードが上がるニトロの使いどころと、燃料の管理がある。ライバル車や障害物にぶつかった際のリカバリーには、急加速ができるニトロが最適。サーキット上にはニトロ使用回数が増えるニトロパネルや給油パネルのほか、TRACK TOKENという水色のパネルが配置されており、拾った数がドライバーのスコアに加算される。レース終了時に順位、TRACK TOKEN数、燃料残量がスコアとして集計され、累計のスコアによって、チリ、ブラジル、南アフリカなど、新たなマップがアンロックされていく。

レース中は、アクセル、ニトロと左右のステアリングを操作する。スマホゲームの常として、バーチャルパッドでの操作になってしまうので、左手親指で3つのボタンを押し分けさせるデフォルト操作は酷だ。おすすめはアクセル踏みっぱなしになるAUTO ACCELERATE1~3の操作。いずれにしても両手操作が必須なので、満員電車でのプレイは諦めよう。

ステアリングの操作が両手に分かれるAUTO ACCELERATE3がプレイしやすかった。アクセルボタンはなくなるが、ブレーキでスピード調節も可能だ

チュートリアルは選択式。ただし、日本語化はされておらず

初期マップのカリフォルニアには、SAN FRANCISCOやLOS ANGELSに混じってTUTORIALという地名があり、これを選べばチュートリアルを遊べる。不要なら選ばなければいいのだが、チュートリアルでもスコアが加算されるので、一度は見ておきたいところだ。

チュートリアルの様子。説明の内容はチュートリアル時点で設定されている操作のものになる

OUT OF FUEL時にもニトロが有効

車の燃料が切れると画面に「OUT OF FUEL」の表示が出て、加速ができなくなり、徐々に減速していく。完全に停止する前に給油パネルを拾えればレースを続行できるが、給油パネルまで遠い場合にはニトロで減速を一時的に食い止めることもできる。最後の半周ぐらいならニトロだけでゴールすることも不可能ではない。

画面右上のスピード表示が0になるとレース終了。その前に給油パネルを拾えばOKだ

ボーナスレースで強化パーツと新車種をアンロック

各マップには、一定のスコア獲得で挑戦できるようになるボーナスレースが設けられている。ボーナスレースにはTRACK TOKENやスコアの集計がない代わりに、順位によって車の性能をアップグレードできる強化パーツと新しい車がもらえる。レース自体はいつもの20台レースなので、何度か走ればいい順位がとれるようになるだろう。新車種の前に強化パーツがもらえるので、まずは強化パーツを目指し、アップグレードされた状態で新車種を目指すのがスムーズだ。

カリフォルニアのボーナスレースの地はデスバレー。最高速が高い車種で挑戦したい

景色を楽しみながら手軽にレースを楽しめる

本作はグラフィックだけでなく、ドライブ感も『Out Run』に近く、いかにカーブを曲がるかに気をつけていれば周回は難しくない。近年のリアルドライブシミュレーターの系統とは一線を画す、往年のアーケードゲーム感覚でレースを楽しめる。ただ、ライバル車が多く、プレイヤーは必ず最後方スタートになるので、車同士の衝突が多いのがストレスになりやすい。衝突してもクラッシュしてリタイヤなどの要素はなく、単に減速するだけなので、ここらへんもお手軽な仕様にはなっているが、予選でスターティンググリッドを決めるなど、広々と走れるモードも用意してほしかった。

現時点でマップは8つ、コースはマップ毎に10個ずつ、車種は18種類が用意されていて、プレイのボリュームは十分。ゲームパッドを接続したり、スマホ本体を傾けてステアリングを操作するなどの設定も可能なので、自分好みのセッティングを見つけられれば、末永く遊べるレースゲームといえそうだ。

  • 使用した端末機種: iPhone 6 Plus
  • OSのバージョン: iOS 8.4.1
  • プレイ時間:約10時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.10

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