性能、セキュリティ、生産性がテーマの7.0
およそ1年に1回のペースでメジャーアップデートが行われているAndroid。
今回のAndroid 7.0(コードネーム:Nougat)は、前回のAndroid 6.0リリースから11ヵ月ぶりのメジャーアップデートとなり、若干短いサイクルでのリリースとなった。
Nougatは、性能、セキュリティ、生産性をテーマに掲げ、改善された部分は250箇所にものぼる。
このうち、ユーザーが利用して目で見えるものはごく一部だが、大幅な機能刷新がなされている。
ユーザーのモバイルゲームシーンにどのような変化をもたらすのか紹介していこう。
モバイルVRプラットフォームのDaydream
Daydreamは、スマートフォン向けのVR体験に必要な、
- スマートフォン
- ヘッドセット・コントローラー等のVRデバイス
- アプリケーション
の3つの要素に取り組み、VR体験の質を向上させるとのこと。
Googleによる新たなモバイルVRプラットフォーム「Daydream」は、Nougatを搭載したスマートフォンが必要になるとされている。
高品質なVR体験をするためには、高解像度のディスプレイや高性能のSoCが要求されるが、Googleが定めた基準を満たした端末には「Daydream Ready」の認定が与えられる。
Daydream Readyの端末は、2016年秋ごろに登場する予定で、最初に市場に出回るのはLG製の「V20」となるようだ。
また、VR体験には欠かすことができないヘッドセットや、これまでメインストリームが定まってなかったコントローラーも開発中。
リファレンスデザインをメーカーへ供給するとし、一定の品質を保つ要因となりそうだ。
アプリケーションに関しては、VR専用のGoogle Playを開発しており、SumsungのGear VRにおけるOculus Homeのようなホーム画面も提供する。
Gear VRと同様に、ヘッドセットを装着したまま、VRコンテンツを起動したり、新たなアプリを検索・インストールできるとのこと。
ちなみに、Daydreamは、2016年9月中にもローンチされると噂されている。その際に、Nougat内で、VRモードが起動できるようになると予想される。
以下は、Daydreamが発表されたGoogle I/Oの動画だ。
マルチウィンドウ対応だが、ゲームでは使用不可
Nougatの新機能の目玉として、マルチウィンドウ機能が注目されている。
1つの画面に、2つのアプリを同時に表示して使える機能で、SumsungのGalaxyなどの一部端末では独自に対応していたもの。
今回、Androidの標準機能として搭載されることになった。
注意点としては、アプリ側で対応していないと、マルチウィンドウにすることができないこと。
ゲームを2つ同時にプレイしたり、攻略サイトとゲーム画面を1画面に表示することに期待したが、スマホゲームで対応しているものは皆無だった。
どうやら、画面表示が縦横両対応でないと、マルチウィンドウにも対応しないようだ。
当然ながら、1つのアプリを表示する大きさが、本来のディスプレイサイズよりも小さくなってしまう。スマホではなく、タブレット向けの機能といえるだろう。
Nougat vs Mashmallowベンチマーク比較
Nougatにアップデートすることで、端末のパフォーマンスに影響が出るの? ベンチマークアプリを使用して調査してみた。
使用したベンチマークアプリ
- Antutu Benchmark:CPU、RAM、ユーザーエクスペリエンスなど総合的なテスト
- 3DMark Sling Shot:3Dグラフィック性能のテスト
Antutu Benchmark
Nougat
Marshmallow
3DMark Sling Shot
Nougat
Marshmallow
Antutu Benchmarkの3Dおよび、3DMark Sling Shotのトータルスコアで、Nougatが下回る結果に。
とはいえ、実際に3Dゲームをプレイして気づくほどの差ではないだろう。
その他の部分もほとんど同等の数値を示しており、アップデートによって明らかな性能の変化を感じることはないと予想される。
イースターエッグは『ねこあつめ』?!
Androidの伝統として2.3(Gingerbread)以降のバージョンでは、イースターエッグが仕掛けられている。
最初はイラストが表示される程度のおまけ要素だったが、徐々に豪華になっていき、Android 5.0(Lollipop)ではFlappy Bird風のゲームが遊べるようになるという手の込んだものになってきている。
そして、今回のNougatのイースターエッグは、なんと『ねこあつめ』もどきのゲームとなっている。
ねこあつめをオンにすると、クイック設定パネルの機能一覧に、「Android Easter Egg」が出現。ドラッグしてパネルに追加しよう。
集まったネコは、クイック設定パネルのねこあつめアイコンを長押しすると確認できる。
また、集まったネコは、自動的に生成される「Cats」フォルダにpng形式で保存される。メッセージアプリで使用したり、SNSで共有することが可能だ。
その他の新機能
ゲームに関わるもの以外にも、さまざまな新機能が実装されている。目立つものを併せて紹介しておこう。
アプリ履歴キーの機能拡張
アプリ履歴キーは、長押しによりマルチウィンドウ化させるのみならず、履歴を表示した状態で再度タップすると、1つ前に開いていたアプリに切り替えることが可能になった。
また、アプリ履歴の一括消去ができるように。今までも、メーカーによっては搭載していたが、OS標準の機能となった。
通知領域の改善
通知領域にも下記の改善が施されている。
- ディスプレイの幅をフルに使って通知が表示される(スマホのみ)
- 複数の未読メールがあっても個別に内容を確認できる
- クイック設定パネルの編集にアクセスしやすくなった
- クイック設定パネルの一部が通知領域に表示される
設定画面のUI改善
システム設定画面においては、
- 設定ホームに、次にアクセスする項目の候補を表示
- 別項目へ直接移動できるメニュー
が追加された。
データ使用量を節約するデータセーバー
「データ使用量」内にある「データセーバー」は、ONにすると各アプリのバックグラウンド通信を停止し、データ使用量を抑制することができる機能だ。
Dozeモードの強化
Marshmallowより搭載された省電力化機能の「Dozeモード」。
スリープ状態で端末を放置しておくと、アプリの通信などを無効化しバッテリーを長持ちさせる機能だが、Nougatではさらに強化。
端末をポケットやカバンに入れて移動しているときも有効になり、よりバッテリー消費量を抑えることができるようになった。
ゲームアプリの動作検証
OSのアップデートの際、ゲーマーとして気になるのが、自分が遊んでいるタイトルがちゃんと動作するかどうか。
そこで、下記のタイトルで動作検証を行った。
- 12オーディンズ
- 逆転オセロニア
- キン肉マン マッスルショット
- クラッシュフィーバー
- クラッシュ・ロワイヤル
- シャドウバース
- 白猫プロジェクト
- セブンナイツ
- ディズニー ツムツム
- ドミネーションズ
- にゃんこ大戦争
- パズル&ドラゴンズ
- ポケモンGO
- モンスターストライク
検証ルール
- ゲームを起動し、チュートリアルを終えたのち、自由に操作できるようになった段階で、最初のステージをクリアするまで問題なく遊べるかを確認
- ステージ制でないタイトルは、チュートリアルを終了してから自由に操作できる状態になってからメインとなるモードがプレイできるか確認
- 不具合が発生した場合、繰り返しプレイし3回以上同様の現象が認められるか確認。同時に、Marshmallowの端末では動作するかを確認
検証結果
今回の検証ルールの範囲内では、いずれのタイトルも不具合は発生せずプレイすることができ、コンパチビリティーの高さがうかがえた。
ただし、進めていくうちに不具合に遭遇する可能性も捨てきれないため、気になる人はすぐにアップデートを行うのは控えた方がいいだろう。
また、データセーバーをONにしていると、ゲームの動作が鈍くなるとの情報がある。こちらも試した限りは確認できなかったが、タイトルによっては発生する可能性があるため、しばらくは様子を見ておくことをおすすめする。
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