ヒーローズ&アーミーズ【ゲームレビュー】

リッチ・ロードに狙われた王国を救うため、騎士や魔法使い、ジャイアントの部隊を率いて戦うリアルタイムストラテジー『ヒーローズ&アーミーズ』。ストーリーモードに加え、マルチプレイでは王座を狙うライバルたちとの戦いも待ち受けている。

ストラテジーなのにカジュアル。手軽さで新風を巻き起こせるか?

以前、とあるストラテジーゲームをやっていて、ちょっとコストのかさむオブジェクトを作ろうと資源をためていた。いざ作ろうと思った瞬間……ほかのプレイヤーに襲撃されて、ため込んだ資源をごっそり持っていかれてしまった。かなりの量になっていたので怒り心頭。かつ、世紀末に種もみを奪われたような絶望感を覚えた。復讐を誓ったものの相手はかなり強いので、いまだに雪辱を果たせていないのだが。

さて、スマホゲームのストラテジーゲームは、対人要素が協力と収奪の2つというのが一般的になっている。この収奪システムは競争の要素にはなるが、いらぬ軋轢を生んでしまうのもまた事実。そこら辺の1つの回答が、本作『ヒーローズ&アーミーズ』だ。ストラテジーゲームの基本として対人戦はあるものの、資源の収奪がないというフレンドリーな仕様だ。

ゲーム開始時には、自分の部隊にヒーローユニットを加えることができる。炎の魔導師カリスタ、またはバーサーカーのラグナーのどちらかを選択しよう。選ばなかったもう1人も、課金によって入手することが可能だ

戦闘に勝利して得られるものはお金と経験値のみと、かなりシンプルになっている

ヒーローを操作して勝利を目指せ

本作は、街の拡張と戦闘という2つのパートから成っており、これはほかのストラテジーゲームと変わらない。部隊の編成も任意で行えるのだが、戦闘で操作できるのはヒーローのみというのが、ほかのゲームとちょっと違うところだ。必殺技も使えるヒーローをうまく戦線に投入できるかが勝敗を分けることになる。

また、戦闘に勝てばゴールドとグローリーという勝利ポイントと経験値を得られるが、対人戦で奪われる可能性があるのはゴールドとグローリーで、資源は奪われない。ためるのが大変な資源が手つかずのままになるので恨みを買うことも少なく、むだに不愉快な思いをしなくていい。個人的には心穏やかにプレイできて大変結構である。

ヒーローは強力であるものの無敵ではなく、HPが0になると戦闘不能になる

ヒーローが必殺技を使うためにはアビリティクリスタルが必要。課金通貨であるジェムで購入できるほか、バトルの勝利やクエストで入手可能となっている

ヒーローは課金通貨などで召喚すれば追加可能。近距離型、遠距離型など特性が異なるので、部隊の編制を考慮しつつ選択するといい

資源は小麦、木材、ゴールドの3種類のみ

街の拡張には3つの資源が必要となる。小麦と木材とゴールドだ。それぞれ製材所、小麦生産場、小作人から得ることができる。木材は建設、小麦は兵士の雇用や育成などの人材関係、ゴールドはあらゆる行動に必要となると考えればいいだろう。

また、ゴールドを含めた各資源は、タウンセンターにて設定された上限の量までしか保有できないという点にも注意。当たり前だが、均等にレベルを上げていかないと早晩手詰まりになってしまう。建築や育成の促進にはジェムが必要になるが、これはほかのゲームでも同じなので、特に難しく考えることでもない。

街の拡張に悩むようなら、クエストのガイドどおりに進めてみるのも1つの手だ。アイテムもボーナスとして獲得できるので、効率的に建設できる。初心者にはありがたい

雇える兵種は徐々に増える

最初はスクワイアという歩兵しか雇えないが、各ユニットに対応する施設を建設することで、徐々に兵種を増やしていくことができる。各兵種ともレベルアップさせることが可能なので、追加される兵種が上位というわけではない。もちろん、兵種が増えれば戦略の幅が広がっていく。

最初は近接攻撃しかできないが、アーチャーを編成できるようになると遠距離攻撃という選択肢が増え、ウィザードを雇えば範囲攻撃ができるようになる

システムはかなり簡略化されてわかりやすい

ゲームの基本は建設と戦闘の二本柱だと書いたが、それ自体もほかの作品に対してかなり簡略されているのに加え、展開もかなりスローな印象である。建設に関しては課金することで展開を加速することが可能なのだが、無課金で遊ぶ場合は生産資源が少なく、必要資源が多いため、資源がたまるまで時間がかかってしまう。結果、そう頻繁にゲームに触る必要がない。

気が向いたときに適当に進めればいいという気軽さが楽な反面、がっつりといじりたいプレイヤーは物足りなさを感じるかもしれない。戦闘に関してはさして収奪できるわけではないので、経験値以外にはあまりメリットがない。プレイヤーのレベルが上がっても、資源がないことには建設も育成もままならず、結果的に資源がたまるのを待たねばならないという部分もスローな印象を強めている。

一般的なストラテジーゲームでは、建設を進めるほど加速度的に時間が掛かるようになるが、本作はその頭打ちがかなり早い段階で来る印象だ。また一部の施設は建設にジェムを必要とするので、無課金で進めるのは難しくなってくる。

インターフェイスは日本語化されているが、ヘルプなどの階層が深いコンテンツは英語のままとなっており、少々不親切なところもある。ストラテジーゲームとしてはカジュアルだが、それゆえにほかのタイトルといっしょに遊ぶくらいの方がいいかもしれない。

タウンセンターをレベル4にするために木材が900必要だが、現在の木材の生産量は1時間で100。つまり、資源がたまるまで9時間もかかる

  • 使用した端末機種:iPhone 6 Plus
  • OSのバージョン:iOS 9.0.1
  • プレイ時間:約5時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.2.0-25
  • 課金総額:0円

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