すまほしじょう もっとも せつない ほうち のべるげーむ
ゲームは、「人がいなくなった家を機械がいつまでも守り続ける」という表示から唐突に始まる。
これが本作の内容であり、すべてであるといえる。
ゲームジャンルを分類するのが難しい作品なのだが、強いていうなら放置ノベルゲーム。
家に近づく敵をミサイルで倒しながら、物語を徐々にひも解いていく。
効率は悪いが、一定時間だけ無操作状態になると、ミサイルを自動で発射するようになる。さらに、アプリ自体を起動しなくても時間経過で撃破数は増えていく。
「放置ゲーム」と記したのはこのためである。
補助OSが人間との思い出の日々を語る
敵を規定数まで倒すと、本作のメインとなるストーリー部分が開放される。主人公は、家庭用汎用性ロボット「RJ6388265」とその「補助OS」だ。
人間の感情を理解する補助OSの目線から、彼らと人間が過ごした日々が少しずつ明らかになっていく。
ロボットの中の補助OSという、独特の視点で語られるストーリーは、ときに切なく、ときに温かいもの。「ところにょりワールド」は本作でも全開だ。
アップデートの代償は「思い出」の消去
ストーリーを読み終えると、次のような選択肢が表示される。
そう、今読んだばかりの「思い出」を消去しなければならないのだ。
データを消去しなければゲームは次に進まない。消去するほかないのだが、感情移入すればするほどこの選択肢がつらくなってくる。
本作は、ミサイルによる敵の撃破とこの悲しいアップデートを繰り返していく。「もう次に進めてしまう」という逆転した感覚は、ほかのゲームでは味わえないものだ。
なぜそうまでして家を守り続けるのか
スマホ史上、もっとも切ない選択肢が登場する本作。
物語をメインにしたという印象で、やることはミサイルを撃つ以外ないといっていい。
しかし、それでも面白いと思えてしまうほど、その世界観は圧倒的だ。
選択肢が哀しい一方で、そうまでしてもロボットが、主のいなくなった家を守り続ける理由を知りたくなる。
進みたくはないが、続きが気になる……。そんな魅力的なストーリーと世界観を味わいたい方はぜひプレイしてみてほしい。
- 使用した端末機種:Galaxy S7 edge
- OSのバージョン:Android 6.0.2
- プレイ時間:約2時間
- 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.0
- 課金総額:0円
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