それは、とある発表会で見た端末でした。ぱっと見は普通のスマートフォンなんですが、よく見ると裏も表もディスプレイ! しかもパカっと開けられて2画面を同時に見ることができる。
この端末は、国内ではNTTドコモから「M Z-01K」(以下、M)という型番で、グローバルでは、ZTEとNTTドコモが共同で「AXON M」という名前で、2月9日から販売しているAndroid 7.1を搭載した2画面スマートフォンでした。
当然、思うわけです。あれでIngressプレイしたらどうなるんだろうって。左右それぞれにIngressとポケモンGOを起動できたら、1台なのに2台持ちしてるみたいな感覚で使えるのかしら!?
そこでお借りして、試してみました!
ZTEの通称「M」とは
「M」のディスプレイは約5.2インチ(1,080×1,920ドット)のTFT液晶が2つ。 開くと、左右合わせて約6.8インチ相当に拡張するというのが大きな特徴です。
マルチタスクが可能で、画面下の「M」と書かれたアイコンをタップすると、「1画面」「2画面」「大画面」「ミラー(2画面とも同じ画面)」の4つの表示モードが選べるようになっています。好きなアプリを単体で大きく、または2つ組み合わせるなどして利用できます。
アプリによっては対応しないものもあるようですが、電子書籍アプリなら「大画面」を選ぶと見開き状態に。端末の見え方もまるで本のよう。やはり2ページ分見えると気持ちよく読めます。横書きの資料は端末を90°倒せば、かなり見やすくなるでしょう。
「2画面」にすると、左右それぞれ違うアプリを起動できます。左画面でYouTubeを見ながら、右画面でチャットするなんてことも。YouTubeで音楽を聞きながらウェブブラウジングもできます。
CPUは2.2GHz×2コア+1.6GHz×2コアで、プロセッサはSnapdragon 821。同じプロセッサを搭載したスマートフォンには「Google Pixel」やASUSの「ZenFone 3 Deluxe (ZS570KL)」などがあります。
RAMは4GB、内蔵ストレージは64GBで、外部メモリとして最大256GB(microSDXカード)が利用できます。
バッテリーは2,930mAhで、急速充電の「Qualcomm Quick Charge 3.0」に対応。電源ボタンが指紋センサーも兼ねていで、電源オンと同時にロック解除できます。
カメラは2,030万画素。たった1つで、アウトカメラとインカメラを兼ねています。セルフィー用に5段階の美肌モードがあり、笑顔検出による自動シャッターも使えます。二つ折りできる機能を使って、スタンドにしたりと、カメラもなかなか遊べそうな端末です。
Ingressはどうなんですかね?
そんな端末を知ると、沸き起こるのが「だったらIngressとポケモンGOを同時に起動したらいいじゃん! 2つのゲームがはかどって仕方ないに違いない!ということ。
もちろんやってみました。
結論、確かにそれぞれの画面で起動できました。しかし、残念なお知らせです。2つ動いているように見えて、実は両方同時には動きませんでした。
動作は、片方ずつ選択した画面でのみ。たとえば、ほぼ同時に起動させても、一方の画面をタップして有効にすると動作しますが、反対の画面をタップするとその時点で動きが止まってしまうのです。
たとえば、Ingressを有効にして歩いているとき、ポケモンGOの現在地は移動しません。アニメーションも止まったままです。逆もしかり。ポケモンGOが動いているときは、Ingressの画面はフリーズ。ハック中だったら、何かがポーンと飛び出したままの画面で止まってしまいます。
起動時に「2画面モードではアプリが正常動作しない恐れがあります」と表示されましたが、どうもこの2つのアプリは他のアプリと同時に使えないようです。
絶対ダメ……でもなかったが
Instagramも起動時に「2画面モードではアプリが正常動作しない恐れがあります」と表示が出ます。しかし、制限付きですがIngressと同時に利用できました。ただ、両方同時に動かせるというわけではありません。
Instagamを表示している画面をタップするとIngressは止まります。しかし、Instagramで動画を再生してからIngressに戻れば、プレイを続行しながら動画が見られました(実際にそういう使い方をするかどうかは別として)。
YouTubeも同じで、先に動画を再生しておけば、Ingressの画面に戻っても音楽や映像を楽しみながらIngressをプレイできました。
同じやり方で、Ingressしながらメッセージングアプリが使えたら便利ですよね。しかし、ハングアウトやメッセンジャーでリアルタイムにメッセージが更新されることはないようでした。
たとえば、IngressとTelegramに関しては、下向きの矢印は表示されて更新されたことはわかりましたが、メッセージがすぐ反映されるわけではありませんでした。
うーん、残念!
なお、メッセンジャーとGoogleマップの場合、メッセンジャーが有効な状態でもGoogleマップの現在地は更新されました。移動しながら状況の報告などはできそうです(歩きスマホにならない程度に)。
単体ではまったく問題なし!
残念ながら2つ同時にプレイできませんでしたが、画面を選択したときは問題なく動作しました。また、2画面モードではなく、折りたたんだ状態で動かしているときはよりサクサク動きます(体感として)。画面のタッチ反応も良好で、指もスムーズでした。
晴れた日の夕暮れどきの直射日光でも見えにくくなることはなく、真夏でも使えそうな予感がしています。
2画面モードでも、画面全体を切り替えずに1タップで最新の状態がみられると思えば便利とも考えられますよね。チェックを忘れないですし。
バッテリー持ちですが、試用時はさほどメッセージングアプリやSNSを入れていなかったこともあり、急激に減る感じはありませんでした。
しかし、容量が2,930mAhであることや、どうしてもいろいろと2画面で使いたくなることを考えると、ポータブルバッテリーは欠かせないでしょう。なんて、Ingress民の読者のみなさまにとってはもはや釈迦に説法状態ですが(苦笑)。
注意したいのは、とにかく画面がツルツルしているので、よく滑るということ。テーブルの上に置いていても、ちょっとした傾きでバタン! と床に落ちてしまうからかなり注意が必要です。
その形状から、現段階ではジャケットもなさそう。本体にはストラップホールもないので、扱いには気をつけてください。入手したら何はさておき画面を保護するフィルムは貼っておきましょう!
最後に写真の写り具合も少し入れておきましょう。
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