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【Ingressアハ体験】第42回: 飛べよ!飛ぶよ!Ingressのために自ら海外に飛んでしまう広域部隊のメンバーに聞く

今回は「飛べよ! 飛ぶよ!」を合い言葉にするEnlightened広域部隊の登場です。あの作戦の張本人が、まさかの降臨。この人たちに話を聞けるなんて~!! というメンツになりました。

大地を覆ったBAFに涙したことがあって

Ingressをプレイしていて、感動のあまり初めて本気で泣きそうになった瞬間がありました。

仙台で行われたアノマリー「ペルセポリス」のクラスター戦(指定されたポータルを取り合う戦い)でのことです。

はじめてのアノマリー参加で、はじめてのチーム。しかも2週間くらい前に参加を決めたので、あらゆることが初めてで理解が追いつかず、当日になっても緊張が解けずにいました。

いち火力に過ぎないのですが、ちゃんと貢献できるかどうか心配だったのです。

不安で押しつぶされそうになっていたときです。いよいよ始まる!という瞬間、スキャナで見る大地が辺り一面緑に染まったのです。

仙台でBAFを経験して、テンションが上がりました!

ぶわ~と広がり、どこまでもどこまでも緑。それは栗駒山(北端)、不忘山(西端)、金華山(東端)を結んだ巨大なCF(コントロールフィールド)でした。

「きた! これがうわさのBAF(※)というやつか!」

※Big Augmented Fieldの略。もしくはBad(Big) Ass Fieldとも。超巨大なCFのこと

自分がIngressを始める直前のアノマリーで、伝説的なBAFがあったことは聞いていましたが、自分が参加しているアノマリーで体験できるとは思っていませんでした。

ペルセポリスのBAF。提供:Jさん

信じられないようなロングリンクを結んで作られる、BAF。そのためのオペレーションは相当なものだと思います。地域連携、国際的な連携など、おそらく準備も相当大変でしょう。

そして当日、全体を見て指示する人、起点のポータルに飛ぶ人、3辺のリンクカットをがんばる人など、多くのAGの活躍が1つになったとき、超巨大なCFができあがります。

「今、勝利のためにそれをやり遂げた人たちがいる!」と妄想したら感動のあまり視界がぼやけたのでした。

あの瞬間のことを思い出すと、いまだにジーンとするほどインパクトのある経験だったのですが、後に「広域」と呼ばれる、エリアを越えた活動をなかば専門的にやっている(プレイしている)人たちがいることを知りました。

彼らには自分とはまったく違うIngressが見えているのではないかと思い、いつかお話しをうかがってみたいと思っていたのです。前置きが長くなりました(笑)。

すごいメンツが集まった!

今回集まっていただいたのは、飛ぶのが大好きな5名のみなさんと、飛んでる方を常にサポートしてきた1名の合計6名。

公開できる範囲で過去の活動を教えていただきましたが、ホントにすごい。

恒例のIngressに乾杯!

Jさん(東京都)

  • 仙台「Persepolis」アノマリーで仙台△作るお手伝い
  • 福島-長野-小笠原で東京を囲んだオペレーション「サマートライアングル」で福島担当。
  • 沖縄「Abaddon」で久米島
  • 台湾-ミクロネシア-ロシアを結んで日本を囲んだオペレーション「ミッドガルド」でサイパン担当
  • ウラナスカ-中国-サイパンで日本を囲んだオペレーション「第二次ネオグンマー抗争」でサイパン担当
  • 先々週「Fateof13」シャード戦関連で、リンク切りにサイパンへ

Fさん(群馬県)

  • 香港アノマリー参戦
  • シンガポールアノマリー参戦
  • ソウルアノマリー参戦
  • 福島-長野-小笠原で東京を囲んだオペレーション「サマートライアングル」で赤城山山頂担当
  • ウラナスカ-中国-サイパンで日本を囲んだ
  • オペレーション「第二次ネオグンマー抗争」でウナラスカ担当
  • 先々週「Fateof13」シャード戦関連で、シャードを奪いにパラオへ

Eさん(東京都)

  • 京都「Shonin」アノマリーで国内△作る
  • 仙台「Persepolis」アノマリーで仙台△のカッター
  • 福島-長野-小笠原で東京を囲んだオペレーション「サマートライアングル」で福島担当
  • 沖縄「Abaddon」で久高島
  • ウラナスカ-中国-サイパンで日本を囲んだオペレーション「第二次ネオグンマー抗争」で調整担当
  • 「Fateof13」シャード戦関連で佐渡島、翌週神津島に

KBさん(神奈川県)

  • 「DarsanaGlobal」各地セル戦オペ&サポート
  • 「Jarvis Shards」「Helios Shards」オペ、一部プランナー
  • 「Darsana」都内陸上CFリベンジオペ
  • 「Shonin」小CFのリンクカットで京都で登山
  • XPCF煽り役&オペ統括
  • 「Obsidian」香港現地参加&日本窓口

Mさん(東京都)

  • アノマリーでは石巻からアバドン沖縄まで△チームに参加
  • 「DarsanaGlobal」では長野で現地応援
  • 2013年の「#13magnus」イベントの「Jarvis shards」から、2015年「Persepolis」の光男玉まで参加
  • 2016年からは主にアノマリーの当日参加のみ。去年は香港→マカオ→ソウルに

Hさん(東京都)

  • アノマリーは石巻「Interitus」からずっと参加
  • 福島-長野-小笠原で東京を囲んだオペレーション「サマートライアングル」でオペレーター担当
  • 沖縄「Abaddon」でオペレーター担当
  • 「Helios Shards」で、日本のゴール防衛戦に参加
  • 「Devra Shards」(いわゆる「唐揚げ玉」)ではオペレーター担当

あくまでも表に出せるもの、という条件でこれだけあるからすごいです。

なお、今回本稿でいう広域とは、海外だけでなく国内での複数の地域をまたがった活動も含んでいます。

1発2,000km!ロシアのシャードをダイレクトに佐渡島へ。の裏話

すずまり:今日はお集まりいただきありがとうございます!

まずいきなりですが、今行われてるシャード戦について、ロシアにあったシャードを新潟のターゲットにゴールしたエピソードなどあったら、可能な範囲で教えていただけませんか。絶対関わってますよね!

ロシアのゼーヤと日本の佐渡島の2,000kmをつないで、シャードを運んだ! 提供:Mさん

Fさん:あれはね、ロシアのシャードがあった「ゼーヤ」って場所のキーを持ってるAGが東京にいることがわかってね。その人を新潟に拉致したんだよね(笑)。

Sさんなんだけど、そこからだね。

すずまり:あのSさんか!(※) 絶対進んで拉致されるタイプですね、間違いない。

Mさん:1回ロシアから佐渡にリンクを引こうとして、失敗したんだよね。「ロシアンルーレット事件」っていわれてます。

すずまり:どういうことですか?

Mさん:1,000kmのリンクは見てたけど、50mのリンクは見逃してたという。

50mくらいのリンクだと、かなり拡大しないと見えないんだけど、みんな広域で見てたから、その1本に気づけなかった(苦笑)。

Fさん:諦めかけてたんだけど、KBさんが「それでも居続けろ!諦めちゃいけないんだ」って。

もう1回ロシアと話してチャレンジしなおそうぜ!って話になって。そこから、ロシアのAGたちが車10時間走らせて、ガードリンクバリバリ貼ってくれたりしたんだよ。

ロシアの逸話を話すFさん

すずまり:ひえー! 10時間!! ていうか、リンク1本の長さがそもそも1,000kmとかありえないんですけど。でもすごい熱いです。ロマン感じます。

Fさん:しかもツンドラとか凍った道をジープで、みたいな世界よ。どれくらいかかりますかねっていうと「うーん車で10数時間くらいかな~」とか、そういうところだからね。

ロシア人はほんとはすごいですよ。彼らのモチベーションはすごい。だから、彼らが断るときはそれ以上お願いしないほうがいいの。死ぬかもしれないレベルだから(苦笑)。

すずまり:それ、広域豆知識ですね……。

Fさん:ロシアには裏の大僧正みたいなリーダーがいてね(笑)。

アノマリーのときいっしょになったことがあるんだけど、「もう弾がないよ!」っていったら「その辺の石拾って投げろ!」って(笑)。それくらい彼は熱いね。

シャードを、モスクワ→カムチャッカ→シアトルと、2回のジャンプで10,000km飛ばすようなヤツだからね。

KBさん:で、ロシアンルーレット事件の末に、ゼーヤと佐渡島の2,000kmを結ぶことに成功しました。

Eさん:はい。佐渡島からリンク引いたのは私です。

すずまり:に……2,000kmを!! そうやって苦労の末に佐渡島に着弾したシャードを、新潟にゴールしたわけですね。

Youのそのお金、どこから?

すずまり:あの、昔からの素朴な疑問です。Ingressは「ゲーム」です。仕事ではありません。当然会社から旅費が出るわけではないですよね。

旅費はどこから出てるんですか? しかも急に行ったりしますよね? みなさん仕事してますよね? 時間どうしてるんですか?

Jさん:私はこう見えてとても真面目な会社員です。旅費は毎回がんばって捻出しています。

小遣いを貯めたときもあるし、貯金を切り崩したときもあるし。たくさん飛ぶとマイレージがたまるという悪循環もあるし。

有休休暇はたくさんあるので、よく使いますね。仕事場の人は自分がエージェントである事は分かっているので、多くは聞かれません。

先日もシャードの用事でサイパンに行ったんですが、状況見て「行ったほうがいい?」ってみんなに聞いたら「うん!」ていうから「わかった」って決断したのが夕方で。

会社の人に「金曜日休みます」っていったら「国内? 海外?」って聞かれました。「行く場所はいえません」といいましたけど(笑)。

会社員AGのJさん(右)

すずまり:シャードの用事って(笑)。

Fさん:自分はもともとメーカーに務めてましたが、今は自営業です。渡航費用は自分も自腹ですが、大量にマイレージを使ってなんとかしています。

あとは、渡航先のカジノで一部回収したりしてます。

シンガポールにいったときは、手元に100ドルだけシンガポールドルが残ってたので、全部ルーレットに賭けたら300ドルになったんです。

もう1回賭けたら、3倍の900ドルになった。どうせあぶく銭だしってさらに全額賭けたらそれも当たって2700ドルに。

これ以上やったら飛行機落ちるかもって思ったからそこで止めて勝ち逃げしました。おかげでアラスカとシンガポールの旅費を回収できました(笑)。

Fさんのパスポート

すずまり:えー!すごい。運まかせだから必ず回収できるとは限らないと思うんですけど(笑)。

Eさん:自分も真面目な会社員です。休暇はけっこう自由に取れるほうです。旅費はがんばって捻出してます。

同行者がいるときはちゃんとしたところに泊まるけど、ひとりでいくときはできるだけお金かけないようにしてますね。

Eさん(右)。こちらも会社員AG

一度、敵ばっかりのホテルに泊まったことがあります。ホテルのフロントで「Ingressで来た」っていったら、「おまえ色はどっち」って聞かれたんで答えたら「OMG。ここは全部敵だよ」って(笑)。

いっしょにご飯食べたりして、楽しかったですけどね!

KBさん:私は社畜です! 今回の国際シャードは仕事で直接はまともに貢献できていませんが……。旅費は航空券はマイルを使ったり、LCCを使ったりしてます。

Mさん:私も社畜ですー。職場の人は私がAGだということは知ってますが、活動内容を具体的に話したことはないです。

渡航費用は日々のお仕事で捻出します(涙)。マカオではカジノで一部回収できましたっ!!

Hさん:いわゆる普通の会社員です。他のみんなと違って自由なタイミングで渡航や移動ができないため、超広域においては飛び交う情報を整理したり、資料に落とし込んだりとバックアップ側に回ることが多いです。

お金よりも、自由になる時間がほしいです!

すずまり:えー! みなさん全員自腹なんですか! 陣営で旅費を負担するとかしませんよね。会費あるわけじゃないですもんね。

Fさん:時間はあるけどお金はないって人がいて、どうしても飛んでほしいときは、スポンサーになってそういう人を飛ばしてる広域AGもいますよ。昔はカンパが集まったこともあったね。

Jさん:BAFのポイントはカジノがセットであることが大事よね(笑)。

男は誰でもみんな隠し財産を持ってると思うんだけど、奥さんにばれるより広域にばれるほうがヤバい。仕事が!お金がない! っていい続けないと。あるとは絶対いっちゃだめ!

すずまり:いろいろツッコミたい! いわなくてもすぐ飛んじゃうじゃないですか(笑)。

なぜ飛ぶの? みんなあのCFにガツンとやられてた!

すずまり:なぜ、広域に手を染めるようになったのですか。そのモチベーションはどこから沸いてるんでしょう?

Fさん:最初の1回目は、Ingressを始めた理由でもあるMさんの「Darsana Tokyo」(以下、ダルサナ。2014年12月13日に東京で行われたアノマリーの名称)のBAFをFacebookで見たためですね。

それを再現しようと試みました。それ以降は、完全に強制労働です。Enlightenedはブラック企業です。

モチベーションはエンタメ精神かな。パラオに飛んだのも、これやったらみんな沸くんじゃない? って思ったから。喜んでくれるのを見たいからやっちゃう。

Jさん:自分もダルサナの時の、グアム-北海道-中国で本州を囲った大きな緑のフィールド!

あれでガツンと頭をやられました。当時は、たかがゲームのためにグアムに飛んだのか、面白すぎると思ってたんですけどね(笑)。

でもね、戦力差を戦術でカバーしようとしてたんだよね。ダルサナのオープニングパーティーに行ったら、集まったAGの数が7対3くらいで明らかに差があって。

詰めてくださーいってどんどん端に追いやられて「これ負けるんだ……」って思ってたときのBAF。あれはホントたまんなかったですよ。

伝説となったダルサナのBAF。提供:Mさん

Eさん:自分も同じ。ダルサナのCFでやられました。当時は、たかがゲームと思っていましたが、発想を超越するという体感をしたのはアレのせいです。

あのときオープニングセレモニーで受付してたんだけど、自分も人数的に負けるだろなと思ってた。

KBさん:ダルサナのときのBAFは、点数で計れないよさがあったよね。

私は広域の楽しさは、なかなか会えないけど会いたいに行きたい、そういう戦友が世界中にできること、その人たちに会いにいける勇気とコミュニケーション力が身につくことだと思ってます。

自分もふとしたきっかけで関わることになりましたが、英語力は上がり、知り合いも増え、地理にも妙にくわしくなりました。

Hさん:どこかに動けば、誰かに会えるというのが一番大きいです。

もちろんそれは、地元を動きまわっていても誰かに出会うことはありますが、遠出した先での出会いもまた印象深く格別ですね。

すずまり:みなさんダルサナのBAFにやられたっておっしゃってますが、その張本人が、ここにいるMさんなんですね。広域の母!

Enlightened広域の母といわれるMさん

Fさん:そう。みんなMチルドレンなの(笑)。

Mさん:「ダルサナCFを見て覚醒しました!」といわれることがよくあって、自分が影響できることがあるというのはとてもうれしいし、やる気になります。

ダルサナのときは、自分もすごい緊張しました。今みたいに赤いカプセルもないし、ベリーレアリンクアンプ使うのにどきどき!

できたときは「マジ成功した!マジ成功した! やべやべ成功した!」ってものすごく興奮しました。

すずまり:Mさんご自身にも、広域に関わるきっかけになった体験はありますか?

Mさん:私自身も同じ体験があって。A8修行中のころに、埼玉-千葉-神奈川のポータルを使って東京が緑に囲まれたことがありました。

先輩AGさんたちが実行されたということを聞いて、協力するとこんなでっかいことができるんだ、とそこで初めて気付いて、自分もやりたいと思うようになりました。

すずまり:ということは、かなり古参ってことですか?

Mさん:そうですね(笑)。Ingressの最初のリリースのクローズドβの初回からかな。

2012年にネットの記事で見て、リアルワールドで陣取りゲームって聞いて、ずきゅーん!ときました。

すぐ申し込んだけど、招待状くるまでに2週間かかって。その間に夫にも熱く語っていっしょに始めたんです。

初めて3~4ヶ月くらいで、埼玉-千葉-神奈川のCFを見て感銘を受け、今に至ります。

広域に染まるまでの過程とは

すずまり:憧れが生まれても、いきなり広域へ!っていうわけにはいきませんよね。染まっていく過程も気になります。

ガンガン語っていただきましょう!

Fさん:国内から始まってますね。で、少しずつ遠くなっていって、自分のエリア以外の人と組み始める。

自分の場合だと、群馬から新潟、長野そして関東、みたいに。小さいところから少しずつはじめていく。

で、ある瞬間から足を踏み外して、マップを見るサイズが変わってくるんですよ。

普通は自分のいる場所を拡大してるけど、一番遠くから見て、エリアを狭めていくようになるの(笑)。

で、そのうち、世界レベルでリンクを見てると何が行われようとしてるのか、予測できるようになってくる。

すずまり:足を踏み外して(笑)。それで広域の感覚が養われていくんですね。

でも、Ingressは組織のようでいて、活動は任意だし、会社みたいに働く義務があるわけじゃないし、どういう経緯で飛ぶことになったりするんでしょうか。

Fさん:あることについてHO(ハングアウト。Googleが提供しているチャットツール)でみんなであれこれいったとしますよね。

そこで「つまりそれってこういうことですよね」なんてスプレッドシートにまとめだした人がリーダーになっちゃうんだよね。

一斉にみんなが「すごいアイデアだね!」とか褒めだしたときが一番あぶない。「いい出しっぺがやるよね?」って空気になるから。

ここだと、たぶんHさんやJさんあたりが一番の被害者かも(笑)。

すずまり:担がれてしまうんだ(笑)。それでやれちゃうところもすごいと思いますけど。

Fさん:でも、自分が一番大変なところに行くというのが一番大事で。そうすると無茶がいいやすくなるから、みんなに無言のプレッシャーを与えられる(笑)。

中には、喜んで飛んでいってしまう人もいるけど。

Jさん:チケット持って空港に行けばいいんです。1回飛ぶと、「こんなもんなんだ」と思えますよ。

すずまり:ちょ(笑)。がんばってるところを見せられたら、自分もがんばらざるをえないですね。そうやってみんなを引っぱってるんですね。

現地での面白い体験があったら教えてください

すずまり:そんなに飛んでると、思い出深い経験もあると思います。いくつか教えていただけませんか。

Fさん:自分はウナラスカ、サイパン、中国、パラオなど太平洋戦争に深く関わる地域へ行くため、wikiをよく読むようになりました。

また、ウナラスカでは霧がひどく帰れない日が3日間ありましたが、あの地域では大戦中に霧のおかげで日本軍が撤退に成功した数少ない地域だということを学びました。

都心から400km離れた孤島・青ヶ島。提供:Mさん

Jさん:「Abaddon沖縄」(アバドン沖縄。2015年12月12日に沖縄で開催されたアノマリーの名称)で久米島に行ったら、なぜか同じ杉並の敵方も久米島にいて、見慣れたメンツで追いかけっこになったことがありました。

サイパンに急遽行ったら台風の後で全島ほぼ停電して、クーラーと明かりのない南国のホテルで、ロウソクの下で状況を見てたなんてこともありました。

あとは、GORUCK用に作った重りをサイパンに持っていこうとして、チェックインカウンターの係員の女の子に大爆笑されましたね。

Eさん:せっかく海外に行くんだし、海外のIngressのコミュってどうなってんのかな?と思って、入れてくださいといったら入れてもらえました。

海外行くんだーわーいって喜んでたら、こわい人にHOに入れられて、そのまま現地でドナドナされました。びっくりしました。

すずまり:広域では拉致や誘拐が多そうですね(笑)。

KBさん:東南アジア全域を緑に染めた作戦「Matahari」のコアメンバーと「Obsidian香港」(オブシディアン香港。2016年4月2日に香港で開催されたアノマリーの名称)で集結できたのはうれしかったです。

私はMatahariには直接関われなかったけど、それでも一員として迎えてくれました。英語と特殊な地理にくわしくなったりしますね。

Mさん:ダルサナのCFを作る時、グアムでホテルから起点へ車を走らせてたところ、間違って海軍基地の入り口にインしてしまいました。

ゲートで「ごめんね」したら、門番さんに「パスポートを出してねマダム」といわれ回収され、一回基地の内部に入ってUターンして出口へ、そしてパスポートを返却してもらいひと安心……なんてことがありました。

私は現地の空気を肌で感じるのが好きです。4月の香港はぬるっとしてて、沖縄やマカオはふわっとしてて、韓国はシャキーンとしてる。

もちろん、現地のごはんも重要。あとは現地の人からそこのIngressの話を聞いたりとコミュニケーションが好きです。

いろんな想い出が、全部ポータルの写真でよみがえる! 乗り物にもくわしくなりますね。

Hさん:自分はものすごい昔に「直接出会わずにアイテム交換」をしたことがあります。

もう待ち合わせの時間がギリギリで電車が出発してしまうので、レンジだけを頼りにアイテム交換しました。ちょっとスパイっぽい、とドキドキしてしまいました。

作戦のサポートをすることが多いというHさん

苦労することは?失敗談は?

すずまり:自腹切って飛んでも、時に失敗することもありますよね。

Fさん:ウナラスカは霧がひどく、3日間島に足止めされました。海外アノマリーでの参戦は負けが多いですね。

Jさん:日本を全部覆ったオペレーション「ミッドガルド」の時は、当日朝にサイパンへ行くことが決定したんです。

なので、カミさんにいうとあまりの衝撃で作戦がバレたり、止められそうだったので黙って飛びました。

そしたら、帰ってから軽く怒られました(苦笑)。今はどこへ行くにも、当たり前ですがキチンと事前にいうようにしています。

オペレーション「ミッドガルド」。日本が見えません。でも、ロシアも負けてなかった(笑)

先日、サイパンを使った日本を囲む大きなフィールドが作られていて、それを見て自宅であたふたしていたら、カミさんが「行かないのか。お前の情熱はその程度なのか」と。

こんな調子で、今ではたまに激励をいただけています(笑)。あのときはすぐ解除されたので、自分は行かなくて済みましたけどね。

すずまり:広域の妻達、大変そう(汗)。取材していいですか?

Jさん:それはやめて?

Eさん:失敗は多いです。が、死んだりしないので、できるだけ考えて失敗するようにしています。信頼をなくさない程度にね。

KBさん:イチローも打率は10割ないので、打席一回一回は振り返るけど、くよくよしません。

前向きなKBさん

Mさん:失敗はたくさんあるし、叱られる事もたくさんありました。シャードは持久戦だし消耗戦です。

疲れによるオペレーションミスで、みんなが去ったあとの無人の離島にシャードを運んでしまい、それを奪われてゴールされてしまったことがありました。

失敗メソッドを積み上げたぶん、振り返って悪かったことを整理して、次につながるように心がけています。

Hさん:自分で動くというより、お願いして動いていただくケースのほうが多いため、お願いのしかたに気を使います。

多くの方が絡んでいるため、絶対に成功させたい。けれど、無謀な依頼はできないですからね。

海外連携に関するエピソードは?

すずまり:広域においては海外チームとの連携も欠かせないと思いますが、いかがでしょうか。

唐揚げを食べながら、海外チームとの連携についても聞いてみます

Fさん:さっきのロシアもそうですけど、海外ががんばりすぎるので、それについて行くのが大変です(苦笑)。海外から日本に来る外国人は、みんなガチなんですよね。

でも、そこで海外の大御所と会って、そこから人脈が広がります。

こちらからお願いするだけでなく、あちらからのお願いもあるので、災難も降ってきますけど(笑)。CFは友だちの輪でできるんで、まさにギブ&テイクですね。

すずまり: 「CFは友だちの輪でできる」っていい言葉ですね。

Jさん:海外の方々はとても優しく、しっかりしてるので自分は苦労することはありません。とても勉強させてもらっています。

まさか、こんなに海外の友達ができるとは思ってもみませんでした。

Eさん:会話がいちばん困ります。勢いだけで生きているので(笑)。でも、友人がたくさんできてうれしいです。

Eさんを歓迎してくれたというマレーシアのAGのみなさん。提供:Eさん

KBさん:大変なのは時差ですね。言語はなんとかなります。実は仕事より、Ingressで英語使ってます。おかげで仕事で英語が話せるようになりました。

普通の会話のほうが難しいから、度胸がついたんでしょうね。海外連携は英語の度胸がつきますよ!

Mさん:時差は大変ですね。こちらの時間帯に合わせてむこうで深夜活動になる時もあり、無理いってごめんなさいと、ありがとうをしています。

私は語学に堪能じゃないので、自分がちゃんと相手の意図を理解しているかいつも心配です。即レスが必須でないときは、テキストベースの会話を何度も確認してます。

Hさん:海外の方々はとてもはっきり意見を伝えてくれるので、自分の方でも確固とした意見を持っておかないと、どんどん受身になってしまうところは気をつけたいですね。

建設的な意見交換をするためには、自分のやりたいことを明確にしておくといい、といった具合です。

あと、やっぱり時差! オンラインでの議論はリアルタイムなので、向こうが元気なときはこっちは明け方、みたいなことが多いです。家から一歩も出てないのに体力が要求されます(苦笑)。

すずまり:英語が話せるようになるってすごい! Fさんは海外育ちで、英語はネイティブなんですよね。

Fさん:でも、しばらく隠してたんですよ。あくまでも群馬からきた地味なAGであると。

それが、あるアノマリーのとき、免疫管理してるポータルを、そうとは知らない自陣の外国人が攻撃しはじめちゃって。

見かねて注意したら、そこでバレちゃった。こいつなんで英語しゃべってんの!? みたいに。その後はもう強制労働の世界。

すずまり:しかもやたら滑らか(笑)。

Jさん:Fさんの場合、英語は得意だけど、逆に日本語での意思疎通に問題がありますね。いきなり要点だけいい出すから、みんな「?」って(笑)。

Fさん:(笑)。そういえば、自分の知り合いで、広域活動がきっかけで外国人と結婚した人がいますよ。

1回Ingressで海外に行ったら、そこからどんどんIngressの用事で海外に行くようになって。Ingressで人生観が変わってしまったみたい。体験が強烈なんだよね。

すずまり:それはいつかフォーカスしたいテーマです!

Ingressの魅力とは?

すずまり:愚問かもしれませんが、みなさんにとってIngressの魅力とはなんでしょうか。

そろそろ恒例の質問をしてみます

Fさん:ゲームのプラットフォームというところかな。コアな部分しかなくて、そこから単純な移動からリーダーシップ論まで話が広がる。組織の話にもなるし、広がりが面白い。

元になるネタだけ提供して、あとは自分でやれよっていうところがすごい。陣営というフレームワークを提供してもらった感じがする。

入るまでは大変だけど、入ってしまったあとの分かる感がすごい。そこがいちばんの魅力だよね。

ただ、やればやるほど恩義がわいて、恩義のループから抜けられなくなる。それがね~困るよね~(笑)。

恩義のために飛んでしまう。楽しませるために、なんでもやりたくなってしまうんだよね。

Eさん:ここの会話も、Ingressやってなければ存在しない。ぶっちゃけゲームだから死なないしね!というのはある。

何度も心が折れそうになるけど、みんな助けてくれて。トライ&エラーしても許容してくれるところが好き。

このゲームで気づいたのは、世界が近いってこと。尺度として考えが変わりました。しかも、海外に行って初めて会うのに、同じ陣営っていうだけですごくよくしてくれる。すごいことだと思います。

KBさん:ゲームだけど、ゲームやってる感じじゃないよね。自分だからできることをやってるし、やりたいことができる。

全員島にいったら成り立たないし、いろんな人がいるからできてる。4年やってるけど、まだ飽きてないですね。

中には辞めてしまう人もいるけど、ホントは辞めてほしくないかな。無理がないようには続けてほしくて、いつか戻ってきてほしいとは思いますね。

Mさん:Ingressは自分と向き合うためのツールみたいに思ってます。楽しいことばかりではないので、ちょっと距離を置きたくなったりと感情の起伏はありましたが、時間を経てまた新たな境地に至ります。

そうやって、自分と経験を共有してくれてる人たちとともに、ずっと成長を続けている感じですね。

Jさん:Ingressはアドレナリンが出る! ハンケさんのゲームの設計として「人が幸せになるには?」という命題に答えてるんですよ。

新しい人に会うこと、新しい場所に行くこと、カラダを動かすこと、この3つをIngressは全部満たしてる。すごいと思います。

実は、Ingressの活動を通じていろんな手応えを感じて、自分で事業を始めました。Ingressやってなかったら、そこまで思い切れなかったと思います。

Hさん:自分は島に飛んだりしてないけど、広域のサポート的な活動や地元での活動で、 犬も歩けば棒に当たる+わらしべ長者みたいな形でどんどんつながりが広がってるところが魅力だと思ってます。

以前は自分が預けたキーをきっかけに、あるAGたちが結婚したりもしました。そんな出会いのきっかけになってるところもいいんじゃないでしょうか。

すずまり:そこ! もっとくわしく!!(笑)。

これから広域で活動したいと思っているAGにアドバイスを

すずまり:今回のみなさんのお話を読んで、広域活動に興味を持ったAGさんたちもいると思います。そんな方にひとことお願いします。

ありがたいお言葉をいただきます

Fさん:オレのようにはなるな!

Jさん:とりあえず飛んでみようか。

すずまり:え(笑)。

Eさん:Ingressにえらいとかえらくないとかはないと思います(一部そう考えてるエージェントは居るようですが)。

やりたい事をやりたいようにやる。ただし、なんにでも先輩がいるので、話を聞いてできること、できないことを見極めて、精一杯頑張ることが大事だと思います。

自分の環境や価値観がすべてではないですからね。ときに国境も越える広域で大事なのは、相手の話をよく聞くことですね。

KBさん:自分の動ける地域を少し広く見ると、いろいろな世界が広がります。隣の地域に話しかけ、手をつなぐ、それからはじめてみませんか。

Mさん:ひとりひとりがちょっとずつ無理して、大きな計画を達成するところはとてもドラマティックです。

いろんな地域に住んでいる、文化やバックグラウンドが違う人たちといっしょに遊んで、広い視野やそれぞれの想いにハッとしたりと、今までの環境では得られなかった気付きや感動がありますよ!

Hさん:日ごろから興味を持って、いろんなところに顔を出すのがいいと思います。好奇心だいじ!

すずまり:ところでみなさん。これまで私財をいくらつぎ込んだのか、参考までに合計金額教えていただくことはできますか。

一同:それは勘弁してよ(笑)。

Fさん:最後にひとこといわせてください。広域って沿岸に住んでいる人たちからの協力なくてはできないのです。

私たちは、その人たちの協力にいつも感謝してます。みなさん本当にありがとうございます!

さあ、あなたも飛んでみますか?

今回も制御不能なくらい、いろんな話が飛び出したひとときでした。

毎回、参加してくださった方の飲食代の一部を謝礼として負担させていただいてるのですが、今回は珍しく精算のときに先に現金でお渡ししました。

そのときの反応が、とても面白かったのです。

みなさん一斉にお札を掲げて

  • 「はーーーーー初めてIngressの活動でギャラが出たぁぁぁぁ!」
  • 「うれしいぃぃぃ!」
  • 「これは使えない~~~!」

と叫んだのです。

大喜びする広域のみなさん

日ごろ、自腹で飛んでいる人たちならではの反応かもしれません(笑)。

ふと「そういえば今日のメンバーは誰もスキャナ開いてないな」と思ってみたところ、レンジに入るポータルが3つもあって、しかも2つは白ポなのに、誰も触っていないのです。

広域のプロ意識を垣間見た瞬間でした。

いつもなら補給仕様になっていてもおかしくないのですが、誰も手をつけていませんでした

さらにみなさん、解散時には

「じゃ、これから行ってきます(笑)。」

と。時計を見ると、23:00を回っていました。

えっ? これから? 今夜はどこまで飛ぶつもりなんでしょう!?

「いえないけどね♪」

ヤバい広域△! Fly High!

飛べよ~! 飛ぶよ~!

(C) Niantic, Inc.