サッカーファンが本気で楽しめるスマホゲーム3選: 第1回はこちら
名将も登場するサッカーシミュレーション
本作は基本プレイ無料で、選手補強や各種コマンドが完了するまでの時間短縮に必要なトークン(仮想コイン)や各種資金・アイテムを購入する際には課金が必要となる。海外製だが日本語にも対応しているので、英語がわからなくてもまったく問題はない。
ポイント1:ナビゲーター役として登場するのは、あの世界の名将!
本作は、所属選手のスタメンやフォーメーションなどの役割を入力しておけば、あとは決まった時間に沿ってリーグおよびカップ戦の試合が行われるサッカーシミュレーションである。試合中にも戦術や選手交代の指示ができるのに加え、スタジアムや施設を建設して収入を上げるなどクラブ経営の要素も盛り込まれている。
ゲームを始めた直後は、しばらくの間チュートリアルが続く。ここでナビゲーター役として登場するのが、サッカーファンなら誰もがご存知であろう、現チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督だ。たとえチェルシーファンでなくとも、サッカーファンなら彼が出てくるだけで思わずうれしくなることだろう。サッカーファンとしては、今どきのソーシャルゲームにありがちな萌えキャラの女の子が秘書やナビゲーター役で出てくるよりも、やはり「本物」に出会える演出のほうがずっと好感が持てるのではないか。
チュートリアル終了後も、モウリーニョはプレイヤーのフレンドリストに登録され、同監督が率いるモウリーニョFCと親善試合をいつでも組むことが可能になる。ただし、世界の名将が指揮することもあって、モウリーニョFCはハンパなく強く、自分のチームをよほど強化しない限り勝つことはまず不可能だ。筆者も何度となく挑戦したが、酷いときには0-8で敗れてしまうほどに手も足も出なかった。
しかし、たとえ試合後に負けても成果に応じた選手の能力をアップしたり、各種報酬がもらえるメリットがあるので費やした時間や労力は無駄にはならない。そして何よりも、あのモウリーニョに胸を貸してもらいつつ、チームを鍛えるというシチュエーションでゲームが楽しめるのがうれしい。
ポイント2:日々の選手補強とコンディション管理の重要さを実感できる
試合は決まった時間になると自動で行われ、ログイン中であれば観戦画面に切り替えることで、プレイヤーが監督となって直接指揮をとることもできる。
リーグ戦は14チームによる2回戦総当たりで、ホームアンドアウェー方式による勝ち点の数によって順位を競い、カップ戦も同じくホームアンドアウェー方式で勝敗を決める。リーグ戦で上位7位以内に入ると上のレベルに昇格し、さらに4位以内に入ると次回からはより高レベルなチャンピオンズリーグへの参加権も得られる。
筆者がプレイした限りでは、プレイヤーが最初に所属するリーグレベル1(最も下位のランク)では、最初に与えられた資金で賄える範囲でトレーニングや練習試合、選手補強をこまめに実施していればそこそこの結果はついてくる印象。試合中の指揮よりも、選手を適性ポジションに配置したりコンディションを整えるなど、むしろ事前の準備のほうが勝敗を分ける重要なポイントとなるようだ。
実際、筆者は初回のリーグ戦は14チーム中10位だったのに対し、初期メンバーから補強で半分ほど入れ替えながら臨んだ2回目のリーグ戦では、途中から首位を独走することができた。特に、ゴールキーパーの選手をトレーニングで重点的に強化し、さらにランク(能力)の高いセンターバックを補強した結果、失点が劇的に少なくなったのが大きかったようだ。
選手のトレーニングは、タッチ操作で各種コマンドを実行するだけなので操作自体はいたって簡単だ。しかし、いざ遊んでみると選手たちの強化、あるいはコンディションを調整するのがなかなかどうして難しい。
その最大の理由は、選手がケガをする確率が他のサッカーゲームと比べてもかなり高いから。コンディションを示すゲージがたとえ良好な状態を示していても、早く能力を上げたいからとトレーニングを繰り返すとすぐケガ人が発生してしまう。また、試合中に選手がケガをする場合もあり、数日間プレイ不可能になるアクシデントがひんぱんに起きる。
また、コンディションとは別にテンションというパラメータも存在する。テンションは矢印で表示され、上向きになるほど試合で活躍しやすくなるようだ。テンションは選手ごとに毎回バラバラで、配置したポジションを変えるだけでも日々変化する。
コンディションもテンションも、常にベストの状態を維持するには課金によりヘルスパックなどの回復を早めるアイテムを補充しなければまず不可能だろう。またレギュラーメンバーはなるべく固定したい人にとっては、ケガ人が出るたびにメンバーを入れ替えるのが面倒に思えるかもしれない。「こういうものだ」と割り切って遊べるかどうかが、プレイヤーから見れば本作の評価を決める最も大きなポイントになるだろう。
ポイント3:意外な面白さを秘めた選手の「オークション」
新たな選手を獲得する際は、「移籍」メニューから「オークション」「スカウトリスト」「交渉」のいずれかを利用して行う。ただし、「スカウトリスト」にリストアップされた選手は総じて高額で、また「交渉」は監督レベルが4以上になるまでロックされているため、実質的に初めのうちは「オークション」だけしか使えない。だが、この「オークション」がなかなかどうして面白い。
「オークション」でほしい選手を見つけたら、まずトークンを1枚払って入札に参加する。締め切り時間までに他のプレイヤーが誰も入札しなければ落札となり、さらに契約料を所持している資金(※トークンとは別扱い)から支払えば晴れて契約が成立するという仕組みだ。また、「オークション」は全世界でリアルタイムに進行していることもあり、世界各国のプレイヤーがひっきりなしにやってくる。特にランク(能力)が高かったり、フリーキックのスペシャリストなどといった「特技」を持つ選手は、総じて人気銘柄となりやすいようだ。
入札が競合した場合は、締め切り時間の直後に初回の入札者だけが参加できるノックアウトラウンドへと移行する。ノックアウトラウンドに移行したら、1分以内に再度入札しなければその場で脱落となるため、再度トークンを支払って入札に参加する必要が生じる。ここでも他のプレイヤーが入札に参加した場合は第2ラウンドへと移行し、再び1分以内に入札に参加することが必要となる。以後、競合相手がいる間は同様に1分単位での入札を繰り返し、最終的に残った1人が落札者となる。
トークンはゲーム開始時に30枚支給され、「資金管理」メニューで契約したスポンサーとの条件(ログイン日数など)を満たしたり、試合で勝った際の報酬として増えることもあるが、無料でもらえる機会はかなり少ない。よって、意中の選手ほしさについついトークンを浪費してしまうとすぐに底をついてしまう。
よって、ノックアウトラウンドでは落とせるまで根気よく頑張るか、あるいは潔く降りて競合がいない他の選手を探すか、素早い決断が迫られることになる。少しでも安くて能力の高い選手を釣り上げようと、国籍や言語の枠を越えてスリリングな争奪戦が楽しめるのも本作ならではの大きな魅力である。
なお、契約に必要な資金は課金アイテムとして購入するか、試合の成果やスタジアムでの入場料収入という形でも増やすことができる。また、資金はスタジアム関連施設を建設したり、選手のテンションを高めるための勝利ボーナスとしても使えるので、トークンと同様に過度な使い込みは禁物だ。
試合の観戦画面では選手の顔やアニメーションなどがいっさい表示されないなど、演出面では全体的にパワー不足な感はいなめない。実況のボイスがないのも少々寂しいが、状況に応じてサポーターのチャントがいろいろ流れるので、海外のサッカー中継を(実況なしで)見ているような気分になれるのは好印象だ。
無課金で遊ぶ場合は、トークンや資金、各種アイテムが枯渇しやすい印象はいなめない。しかし、「オークション」による選手補強やトレーニングによる能力強化に成功すれば、きちんと成績に反映される点はじゅうぶんに納得ができる。また経営の要素についても、選手強化とは違って毎日メニューをいじる必要がなく、新たなスポンサーとの契約や施設の建設を指示する程度で済むのでかなり簡単だ。家庭用ゲームの定番、「サカつく」シリーズの経験者であれば問題なくすぐに遊べるだろう。
ヘルプ画面の日本語の記述がやや読みにくく、Youtubeにアップされているチュートリアル動画が日本語には対応していないのが残念だが、ちょっとした空き時間を利用して遊ぶにはちょうどよく、普段忙しくてなかなかゲームに時間が割けない人には特にオススメ。本作を通じて、世界中のプレイヤーと「オークション」による選手の争奪戦を交えつつ、モウリーニョの手ほどきを受けてサッカーシミュレーションに興じてみてはいかがだろうか。
- 使用した端末機種:iPod touch
- OSのバージョン:iOS 9.1
- プレイ時間:約15時間
- 記事作成時のゲームのバージョン:3.2
- 課金総額:0円
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