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ちょっと今回は話をMMOからRPGに。
MMORPGを語る前に、RPGというものがどこから生まれてきてどういう経緯でMMOへと進化していったのかを語る。
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■RPGの歴史
昨今では当たり前に使われているRPG、すなわちロールプレイングゲームというものがどういう経緯で誕生したか知っているだろうか。
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RPGというのは、元々はミニチュアゲームから派生した。
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※画像参考:ウォーハンマーとは▼ – ホビースタジオ愛新堂店/ウォーハンマー正規販売店&ネットショップ
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皆でテーブルを囲い、個性的なキャラクターたちを率いて戦い、ミッションをクリアしていくというものだ。
信じられないかもしれないが、いわゆるボードゲームのような升目を移動するのではなく、1キャラずつ移動できる距離が決まっており、定規を使って距離を測って移動するのが基本であった。
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※参考画像:戦術 : 戦史の探求
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過去に一度、ボードゲームで第二次世界大戦をモチーフにした戦略ゲームに参加させてもらったことがある。
何というゲームだったのかも覚えていないが、大きなポスター4枚分くらいの白黒のフィールドに、100個はあるだろう戦闘機や戦艦(全て白黒の紙でできたもの)ひとつひとつに定規を当て、移動距離を測りながら戦ったのを覚えている。
ちなみに、その戦いは当然1日などでは終わらず、合計3日くらいかけて決着するという、今思えば相当カオスなものであった。
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■TRPGへの派生
ミニチュアゲームから派生したのはTRPG。
これは1974年に初のロールプレイングゲームである「ダンジョンズ&ドラゴンズ」から始まった。
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ちなみにTRPGとは「テーブルトークロールプレイングゲーム」の略称であり、自身のキャラクターを会話形式で進めていくもので、その自由度は非常に高い。
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さらにいうと、TRPGというのは和製英語であり、正式名称は「Tabeletop roleーplaying game」ないし「Penーandーpaper roleーplaying game」ともいう。
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※画像参考:ダンジョンズ&ドラゴンズ – Wikipedia
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日本でもその人気というのはニッチながらも熱量は相当なものだ。
ソード・ワールド、クトゥルフ神話TRPGなどが代表的なところだろうか。
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今でもゲーム実況動画などがあるが、TRPGもリプレイと呼ばれるプレイの流れなどを説明したり物語を動画にしたものが沢山生まれている。
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■コンピューターRPGの誕生
皆が知っているコンピューターRPGというのは1981年に作られた。
世界初のコンピューターRPGはApple Ⅱで発売されたウィザードリィである。
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ちなみに日本ではTRPGが流行るよりも先にファミコンのRPGが流行した。
ハイドライド、ザ・ブラックオニキス、夢幻の心臓、ドラゴンスレイヤーなどの国産RPG。
その中でもウィザードリィの影響を大きく受けた「ドラゴンクエストシリーズ」が大ヒットしたことで、RPGという言葉自体が日本ではコンピューターRPGを示すようになった。
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ちなみに我はウィザードリィはどっぷりハマった世代であり、ウィザードリィシリーズの初代である「狂王の試練場」に至ってはマップを見なくても最下層のボスまで辿り着けるくらいだ。
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TRPGを遊びたくても人が集まらなければ遊ぶことができず、ならば一人で遊べるものをということで作られたものだ。
ついでに言うとウィザードリィの戦闘バランスなどは無茶苦茶なものがあり、「クリアできるものならしてみろ」的なところがあったという逸話もある。
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■MMORPGの誕生
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MMORPGは遡れば1970年代後半なのだが、いわゆる「元祖」と呼ばれているものはリチャード・ギャリオットが作った「ウルティマオンライン」だ。
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ウルティマオンラインはMMOの元祖ではあるのだが、その前にリチャード・ギャリオットについて語りたい。
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リチャードはTRPGの熱狂的なファンであった。
アメリカでTRPG大好きなメンバーが一箇所に集い、三日三晩TRPGをするというのがリチャードの唯一無二の楽しみでもあった。
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だがアメリカは非常に広い。
集まれるのは多くて年に数回程度。
その中でリチャードは思う。
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いつでもどこでもTRPGを遊べる環境があれば。
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その夢を叶えるべく開発されたのがウルティマオンラインなのである。
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※画像参照:もう一度Ultima Onlineを始めてみた⑧~鍛冶も上げてみた|おじゃむ@片山ばなな|note
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ちなみにリリースされてから20年以上経った今もサービスをしているという、MMORPG元祖にして最長のサービス期間を誇るサービスでもある。
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■TRPGからの派生
TRPGは基本的にプレイヤーだけで進行はできない。
必ずGM(ゲームマスター)というものが存在し、プレイヤーたちを導くようにできている。
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TRPGは自由度が非常に大きい。
王道の勇者ものなのに、街の人を突如として襲うという選択肢も当然取れる。
GMはそれをうまく捌きながら、プレイヤーたちをゴールに向かってうまく誘導していく。
面白いのは同じシナリオでもGMによっては全く別のゲームになり、楽しさが断然変わってくるというところだ。
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ウルティマオンラインでは最初、リチャード・ギャリオットがゲームの中でロード・ブリティッシュという名前でGM活動をし、プレイヤーを面白い世界へ導いていった。
皆はロード・ブリティッシュの話を聞き、世界の謎を解きながらキャラクターを育成し、その世界を冒険していった。
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ただ人が増えるにつれ、GMだけでは対処ができなくなる。
もっと幅広い人に色々な面白さを与えるにはどうするか。
システムなどをいじったりアップデートをしたり。
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それが所謂オンラインゲームの運営、というわけだ。
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■昔のテーブルゲームとMMOの同じ点
RPG、TRPGについて今回は語ってきたが、日本ではRPG=コンピューターRPG=1人で遊ぶものという認識が強い。
だが元を辿れば、RPG、TRPGは共に「他人とのプレイが必須」であり、決して1人で遊ぶものではないということがわかる。
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さらに要約するならば、TRPGをいつでもどこでも皆と遊べるようにしたものがMMOという事になる。
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人と遊ぶ楽しさというのは、インターネットが普及したオンライン時代からの産物ではなく、50年近く前から当たり前のように存在していたという事を覚えておいてもらいたい。
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という事で、今回はRPGについて語ってしまったが、次回は再びMMOについての話を。
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次回に続く。