ガンホーがカプコンのキャラを使った『TEPPEN』がイラ面白い

最近、世の中がやかましいe-Sports界隈ですけれども、トレーディングカードゲーム(TCG)的なアプローチを取りつつも、スマートフォンで簡便に、対等に遊ぶ! それでいて、リアルタイム性が欲しいというシステムを考えるとこうなりました、というゲームシステムになってるのが本作品『TEPPEN』です。

二個目のEがひっくり返っているので『TEPPヨN』に見えるわけなんですが。

で、TEPPENの良さも微妙なところもだいぶ知れてきたと思いますけれども、私個人としては「よく考えられたシステムだなあ。これは追加キャラやカードが増えてくればもっと面白くなるんだろうな」という発展途上の良さを感じます。

というか、古き良きマジック・ザ・ギャザリング(MTG)のプレイヤーでも「ああ、これはSwamp Walkだな」とか、カードゲームの定番フィーチャーが盛りだくさん。

シンプルなパラメータからの能力ブースト、長期戦が得意なヒーローなど、プレイヤーが取りたい基本的な攻め方に見合ったキャラやカードが一通りそろっていて、デッキを組む楽しさと、実際にそれを対人戦に投じてみてまったく通用しなかったときの悲しさとが混在するのがいいんですよ。

一方で、原則として後だし有利のゲームシステムをリアルタイムシミュレーション(RTS)にしたという野心作なぶんだけ、ゲーム後半が有利なウェスカーさんがとてつもなく強くてエラッタ(※1)必至なんじゃないかと思うぐらいに上位リーグでは蔓延っています。

※1:カードゲームにおいて、強すぎるカードなどのテキスト、効果が修正されること

配牌で手元にやってきた5枚のカードが全部アクションカードだったりして、ゲーム早々いきなり詰んだり、オンラインだから仕方がないとはいえ、相手の攻撃が着弾するタイミングギリギリでクリーチャーを出そうとして、ラグで出せず無事にダメージを喰らうという悲劇も横行します。

RTSなんだから、敵に対処されないよう着弾ギリギリにアクションしたりクリーチャー配置したりしたいというのは分かるんですが、レイテンシ(※2)の都合なのか割り込みできずにアクションを封じられるというのは、テクニックではなくゲームとしての仕様の問題だと思うんですよね。まあ、仕方のないことではあるのですが。

※2:データ通信における遅延時間のこと

また、まだユーザーインターフェース(UI)がこなれていないのでデッキを調整するのが死ぬほど面倒くさいとか、PC版がないから先行リリースしたはずの海外版を遊んでいるプレイヤーの熱量がかなり落ち着いてしまい、マッチングするのは日本人ばかりという微妙な状況になっているのは気になります。

リリース直後だけあって、これから追加キャラやカードが出てさらにバランスが取れるのでしょうが、上位リーグではウェスカーや空戦モリガンばっかりになっていて、私の愛するネルギガンテさんは棘飛ばしぐらいしかやることなくて残念なことになってるんですよね。

本来、私は緑のカードが好きで緑一色デッキを組むんですけど、肝心の緑キャラの春麗やエックスがゴミヒーロー扱いされてしまっていて、エックス使って何とかBランク上位まで来てもAランクに上がるためにはネルギガンテさんに移行して緑黒二色デッキにせざるを得なくなるという残念な状況になっています。

でもね、面白いんですよ。46歳のおっさんである私ですら、まあまあ目が追い付くレベルの忙しさですし、ゲームとしても良く練られているなあと感心するところが大。

カネをかければ強くなるというわけではないのもグーですし、カプコンの持つ独特な世界観をうまくTCGに落とし込んでいるなあとも思うのです。

繰り返しになりますが、UIが改善されて、ラグ対策が進めば、もっとキャラやカードが増えてバランスの取れたタイミングで対戦ゲームとしてはどんどん完成度が上がっていくタイプのゲームだと感じます。

他のカードバトルゲームよりも、圧倒的にTCG好きな人がプランニングしているんだろうなあという「ジャンル愛」をビシバシ受け取れる良作なので、海外のプレイヤーを呼び込むためにもぜひ正規のPC版をリリースして欲しいなあと願っています。

おっさんには、スマホの画面は目にも指の太さにも厳しすぎるんで。はい。

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