ブレイブファンタジア【ゲームレビュー】

MSFよりリリースされた『ブレイブファンタジア』は、ワンフィンガーRPGといううたい文句のとおり、シンプルな操作のみでプレイできるファンタジーもののRPGとなっている。しかし、戦闘中のリーダーチェンジや、アクセサリーの着脱によるユニットの強化といったシステムによって、難解すぎないほどの、いい塩梅の戦略性も持ち合わせている。

闇に侵食される世界を救う旅が始まる

プレイヤーの分身となる主人公は、生物を含むあらゆる物体を魔物に変えてしまう「闇」をはらう力を持っている。この力を使うためには、パートナーの妖精「セドナ」が必要であり、彼女とともに世界中を旅していくことになる。

いかにも王道らしいストーリーであり、敵も味方もデフォルメされたキャラクターなので、世界観に関してはある意味で安心感があり、その点に関しては幅広いユーザー層に受け入れられそうなタイトルだ。ゲームは、クエストをクリアすることで進行していくが、クエストの前後に入る短いストーリーデモも見どころの1つとなっている。

猫耳にウサミミに人魚など、人間以外の種族も多数登場するファンタジー世界。そういったキャラクターが好きな人にもおすすめ

シンプルな操作で展開するバトルは爽快感あり

ゲーム開始時のチュートリアルは、ほぼ戦闘の基本システムにまつわる説明のみとなっている。10分ほどで終わるので、しっかり目を通しておくといい。バトル中の基本操作はパーティーメンバーのパネルをタップまたはスワイプするだけなので、複雑な操作はいっさいからんでこない。

またオート戦闘もあるので、クリア済みクエストの周回プレイも負担にはならないはず。画面右上に表示されている「AUTO」パネルをタップすれば、オートとマニュアルをいつでも変更できるので、最後のボスだけ自分で細かく操作するといったことも可能。

バトルでは、パネルをタップしたキャラクターが攻撃を仕掛けていく。さらに、連続して攻撃を当てることで「チェイン」が発生し、よりパワーアップ!

スキルの発動はパネルを上方向にスワイプするだけだが、その前提として、敵を攻撃した際に出る「スキル玉」をためてスキルゲージを満タンにしなくてはならない。スキル玉が出る量は、チェインによって変化する仕組みだ。

さらに異なる属性のユニットが攻撃すると「属性チェイン」が発生し、この属性チェイン中はスキル玉の発生量がアップする。この手のRPGでは、基本的に属性をそろえるというのが基本戦術となるが、属性をあえてそろえないということが、本作では作戦の1つとなるのだ。

スキル発動の演出はかなり派手で、ダメージ量もかなり多い。シンプルな内容でありながらなかなか爽快感がある

スキルを連続で発動することで「スキルチェイン」が発生。後から発動したほうが威力は上がるので、強いユニットのスキルを後に回すとよさそうだ

また、パネルを下方向にスワイプすれば、そのユニットが防御を行う。防御中はそのターンに受けるダメージを減らせるが、当然ながら攻撃には参加できない。味方ユニットがすべて行動するとターン終了となり、敵のターンに移る。このとき、味方ユニット全員のHPが少量だけ回復するのだが、防御をしていると回復量が増えることを知っておこう。

各ユニットのHPはそこまで多くないので、危険を感じたら防御でしのぐようにするのが重要なポイントだ

リーダーチェンジで戦局を操る!

ユニットには、任意で発動できるスキルのほかに、リーダー時に発動してパーティー全体に効果を及ぼす「リーダースキル」を持っている。本作では戦闘中にリーダーを任意に変更でき、その時点でリーダーになっているユニットのリーダースキルが反映される。

リーダーチェンジは、左下のボタンをタップするだけ。攻撃を開始するまでは、1ターン中に何度でもチェンジ可能なので、じっくり考えて攻撃に臨むことができる

味方のHPが少なくなってきたら防御力を上げられるリーダーに変え、さらに防御も行って敵の攻撃をしのいだら、攻撃力が上がるリーダーに変えてからスキルで一気にたたみ掛ける! そんな風に、戦況に合わせたリーダー選びが『ブレイブファンタジア』での戦闘のコツとなる。

クエストに挑む際、4人目のメンバーはほかのプレイヤーのユニットを「サポート」として借りることになる。通常、サポートユニットはリーダースキルを発動できないが、そのプレイヤーがフレンドであれば、サポートユニットのリーダースキルも適用されるようになる。

サポートユニットの力を存分に発揮させるには、フレンドになっているプレイヤーからキャラクターを選択しよう

ユニット育成の手間は最小限

本作では、ユニット同士の合成による強化だけでなく、クエストクリア時に獲得できる経験値でも各ユニットが成長するようになっている。いちいち素材を集めて合成を繰り返さなくても、クエストをクリアしていくうち自然とにユニットが強くなっていくのがうれしい。

低レベル帯はクエストの経験値だけでも、どんどんレベルが上がっていくので、いちいち合成に時間を割かなくていい。特に意識しなくても、クエストがスムーズに進んでいく

さらに、クエストに挑戦するための「スタミナ」とは別に時間経過で増えていくチケットを使用し、「訓練所」で他プレイヤーと訓練バトルを行えば、その勝ち負けにかかわらずクエストよりも多い経験値が手に入る。

訓練場でのバトルは、サポートなしの3対3となっている。パーティーの真の実力が試される!?

もちろん、合成による強化や進化も可能だ。ユニット育成を急ぎたいときは、合成にも手を出してみるといい。さらに、ユニット強化の方法の1つとして、アクセサリーの装備がある。クエストで入手した素材を「工房」の中にある「鍛冶屋」で加工してアクセサリーを作成し、それをユニットに装備させることでパラメータを上昇させたり、状態異常を無効化することが可能だ。

バトルでは「状態異常」が思った以上にやっかいなので、これに対抗するアクセサリーの重要度は高そうだ。今後はイベント攻略などでも必要になってきそうな気がするので、作っておいて損はないだろう

工房でさらにクエスト攻略をしやすく

工房には、鍛冶屋のほかにも「調合屋」と「召喚屋」がある。調合屋では薬品の作成ができ、戦闘中に使用すればHPの回復や状態異常回復だけでなく、一時的に防御力を上げることなどもできる。

薬品製作に必要な素材は結構余りがちなので、小まめに作っておくと、イベントクエストなどにも気軽に挑戦できるようになる

ちなみに、チュートリアルのクリア時や、クエストをある程度進めていくタイミングで「召喚獣」が手に入る。これは、スキルと同様に戦闘を進めていくとたまる「召喚ゲージ」を消費し、強力な攻撃を発動できるものだ。手に入れた召喚獣は「召喚屋」に素材を持っていけば強化でき、与えられるダメージがさらに増加する。ユニットだけでなく、こちらの強化も進めておこう。

召喚は、ここぞというときの切り札になる。クエストを進めて召喚獣の種類を増やしておこう

気軽に遊べる絶妙なボリューム感が魅力

ベースとなる部分は慣れ親しんだRPGでありながら、リーダーチェンジのような独特のシステムで、本作ならではの特徴もしっかりとアピール。それでいて分かりやすく、操作もシンプルなので、とても遊びやすいところに魅力を感じた。キャラクターもよく動くので、見た目にも楽しい。

ユニット強化の手間が少ない点は個人的に◎。全体的にサクサクプレイできるので、他のことをやりながら合間合間に遊ぶことができる。ゲームに割ける時間が少ない方にもおすすめの1本だ。

  • 使用した端末機種:iPhone 6
  • OSのバージョン:iOS 9.2
  • プレイ時間:約4時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0
  • 課金総額:0円

(C) 2015 MSF Co., Ltd.