ワールドクロスサーガ 時を思考する対戦RPG【ゲームレビュー】

『ワールドクロスサーガ』は、時の流れを操作しながら戦う、ちょっと変わったバトルが特徴のRPG。相手の思考を先読みして行動順を奪い合いあったり、時間を巻き戻して攻撃をなかったことにしたりと、これまでにはない新しいバトルが楽しめる作品となっている。

「時」というキーワードから作られた一風変わったRPG

『ワールドクロスサーガ 時を思考する対戦RPG』(以下、ワールドクロスサーガ)は、「時」の流れを操作して、さまざまな世界を旅するコマンドバトルRPG。

記憶を失くした少年と、時を超える力をもった少女の物語。女神を復活させて世界を救うという、王道ながらも展開が気になる設定だ

「タイムマネジメントバトル」という聞き慣れない響きのバトルシステムは、タイムライン(時間の流れ)の好きな場所にキャラクターを設置して、行動順を自由に操作することができるというもの。

相手のキャラクターや戦況を見ながら、どのタイミングで行動するかを自分で決めて戦う。ただのコマンドバトルとはひと味違う

ストーリーとバトルシステム、どちらも「時」を題材にしていて、壮大な世界観、そして自由度と戦略性の高いバトルを楽しむことができる作品となっている。

先の展開を読んで動かすタイムマネジメントバトルシステム

バトルシステムは、スキルとターゲットを選択して攻撃するコマンドバトルの戦闘がベースになっている。

ターゲットを指定したら、スキルを選択する。ここまではオーソドックスな感じだ

本作のバトルはここからがポイント。攻撃をするときは、「タイムライン」と呼ばれるマスにキャラクターを設置して、行動する順番を選ぶことができる。

スキルの上にある6つのマスがタイムライン。すべてのキャラクターが設置されると、左のマスにいるキャラクターから順番に動いていく

頭の上にある数字が、マスに配置できる順番。「早さ」のステータスが高いほど、先にマスを選ぶことができる

さらに、マスには「攻撃UP」や「状態異常になる」などの特殊な効果をもったものがある。

これらの効果はマスの上に表示されている。青はプラス効果、赤はマイナス効果、緑は回復効果だ。

上の画像なら、先行狙いでいちばん左に置くか、攻撃力アップを狙っていちばん右に置くか、はたまた別のマスにするかを自分で選んでいく。

HPが減っている敵がいる場合、HP回復のマスにキャラクターを置かれると、こちらが攻撃をする前に回復されてしまうので、先にHP回復のマスを埋めてしまうこともできる。

すべてのマスの効果が発揮されてから、行動が開始される

同じ状況でも、マスの使い方によって勝敗が分かれることもある。シンプルながら戦略性が高く、非常に面白いバトルシステムだ。

ピンチをなかったことにするクロスカットインが最強すぎる!

本作には、時を操る力をもった「レナ」という少女が登場する。女神の涙を集めるために、時空を超えて冒険していくのだが、なんとこの最強ともいえる力を戦闘でも使ってくれる。

クロスカットインを発動させると、レナの特大カットインとともに時間が戻っていく

クロスカットインが使えるのは、敵が攻撃を開始してから、次のキャラクターが行動するまでのタイミングだ。

効果が発動すると、受けるはずだった敵の攻撃をキャンセルして、その行動をスキップさせることができる。

どんなに強力な攻撃でも、「刻ノ力」さえたまっていれば、クロスカットインを使って……

時間が戻ってその攻撃がなかったことに。さらに、強力な反撃でダメージを与えてくれる

刻の力は、ターンが経過するとゲージが回復していき、ゲージが満タンになればまた使えるようになる。

先の先まで読んで、タイムラインをうまく使って戦況をコントロールしながら、ピンチのときにはクロスカットインで大逆転も狙える。

ベースはコマンドバトルなのに、プレイをしてみるとシミュレーションRPGのように頭を使ったり、とっさの判断で画面をタップするというアクション要素もあるのが、新感覚で面白い。

協力も対戦も楽しめるマルチプレイ

ワールドクロスサーガでは、ほかのユーザーとパーティーを組んで専用ダンジョンに挑む「共闘」と、リアルタイムバトルができる「闘技場」の2つのマルチプレイがある。

スタミナ消費なしで協力プレイをする共闘

現在(2016年4月18日時点)は、武器を進化させるための素材などが獲得できるステージなどが配信されている。共闘はスタミナを消費しないので、どんどん挑戦してみよう。

共闘では、3人でキャラクターを持ち寄って、同じ敵と戦う。戦闘中は、スタンプを使って仲間と交流することもできる

同じタイムラインを使って対戦する闘技場

闘技場では、プレイヤー同士がリアルタイムで対戦ができる。対戦相手は、似たような強さのプレイヤーからランダムで選ばれる。

戦闘は、1つのタイムラインを使って行なわれる。読み合いとマスの奪い合いが熱い

スキルを考えたパーティー編成や、タイムラインの使い方次第では、自分よりも強い相手に勝てることもあり、強いキャラクターで殴るだけの闘技場に比べて、戦略性がある。

とはいえ、ある程度の差が開いてしまうとボコボコにされるので、キャラクターの強化はしっかりしておこう。

自由度の高いキャラクター育成

本作では、キャラクターのレベルアップ以外に、武器やマテリアといった育成要素がたくさんある。

装備できるのは、武器とスキルブックの2種類。スキルブックを使えば、攻撃タイプのキャラクターに回復魔法を覚えさせることもできる

マテリアには、キャラクターのステータスを上げたり、新しいスキルを覚えさせる力がある。専用のマテリアボードにマテリアを装着することで、キャラクターの能力が開放されていく仕組みだ

武器とマテリアを強化してさらにパワーアップ

武器とマテリアは、かなり細かいところまで強化できるようになっている。例えば、武器についているスキルを自分で付け替えたりすることもできる。

レベルアップ、レアリティアップ、スキルの習得。ひとつの武器を作るだけでも道のりはなかなか長い

マテリアは、練成をすることでどんどん性能がよくなっていく。

同じレアリティのものを3つ合成すると、一部のステータスを引き継いだ状態でレアリティがアップする

何度も合成をしながら、少しずつ強くなっていくマテリアを見ると、なんだか愛着がわいてくる。と思ったら、ドロップでいきなりレアリティの高いマテリアが手に入ることもある。

武器とマテリア、どちらも非常に細かいところまでいじれるので、同じキャラクターでも、人によって全然違う使い方ができるようになっているのがポイントだ。

遊び放題のマルチプレイにキャラクター育成と、やり込み要素は多く感じた。みんなでわいわい遊ぶのが好きだったり、とにかく時間をかけてゲームをしたい人は、ぜひワールドクロスサーガをプレイしてみてほしい。

  • 使用した端末機種:iPhone 5s
  • OSのバージョン:iOS 8.3
  • プレイ時間:3時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.1
  • 課金総額:0円

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