アイア(Ire: Blood Memory)【ゲームレビュー】

10Birdsが放つ新作ゲーム『アイア(Ire: Blood Memory)』は、ハックアンドスラッシュの快感が味わえるプレイスタイルのアクションRPGだ。殺伐とした世界を記憶をなくした英雄となって、迫りくる強敵をなぎ倒しながら突き進んでいこう。

一撃が即死しかねない超ハードコアアクション

本作は、数多く用意されたクエストをこなして力をつけ、失ってしまった記憶を取り戻していくアクションRPG。

「腕に自信をお持ちならこのまま進んでください」とゲーム説明欄にもあるとおり、かなり歯ごたえのあるアクションバトルを楽しめる作品だ。

チュートリアルとなるプロローグですら、油断するとやられかねなかった。殺伐とした世界観に合うように、バトルもシビアな作りになっているようだ

立ち回りが一変する4種類の武器

本作で使える武器は、大まかに分けて「ブレード」「ガントレット」「ランス」「デュアル」の4種類。

武器によって攻撃速度やモーションなどがガラリと変わり、武器ごとに別ゲームを遊んでいるかのような感覚でプレイできる。

ブレード

手数は稼ぎにくいものの、一撃一撃が最も強力な武器。

剣というよりは、ハンマーを使っているかのように感じる戦闘スタイルとなっている。

遠心力を使って大剣を振り回す。移動は見た目のイメージ以上に速い

ガントレット

ガントレットに付いた長い爪のような刃で敵を切り裂き、銃のような部分から衝撃波を撃って攻撃する。

とはいえ、衝撃波は超近距離でしか当てることはできず、格闘家的な戦い方を好む人向けの武器となっている。

衝撃波でまとめて敵を倒せたときの爽快感は、ほかの武器では味わえないもの。ロボっぽい見た目がかっこいい

ランス

巨大な盾と槍で、攻守が安定しやすい武器。

移動速度の遅さが難点だが、「防御」で切り替わる多彩なモーションで敵を圧倒する。

盾を構えておけば、ほかの武器では吹っ飛ばされる攻撃もへっちゃら。この手のゲームでのけぞりにくいというのは、大きなアドバンテージになる

デュアル

素早い斬撃で敵を翻弄する。移動も軽快で、スピーディなバトルを楽しめる。

一撃が軽いのでザコモンスターを倒しきれないことが多く、苦戦しがち。しかし、その身軽さでボス戦ではやられにくいという特徴を持つ

攻撃を組み合わせてコンボを決めろ

操作方法は、もはやアクションゲームではおなじみとなっている左側の「バーチャルスティック」で移動し、右側の各種ボタンで攻撃や防御を行うというもの。

一度でもスマホアクションゲームをプレイしたことがあれば、すぐになじめるはずだ

通常攻撃に2種類のボタンが設けられているのが特徴的で、この2つのボタンを組み合わせて、さまざまなコンボ攻撃を繰り出すことができる。

赤ボタンがダメージは少ないが素早い攻撃、緑ボタンがモーションは大きいが強力な攻撃となっている

特殊技は使うとクールタイムが発生するが、序盤ならボスを即撃破できるほどの高威力を秘めている。

武器によっては、かなりの隙が生じてしまうものもある。発動中にもう一度ボタンをタップすることで、ダメージは減少してしまうがすぐに特殊技を繰り出すこともできる

ボスの一撃で瀕死に陥ることもある本作では、防御と回避も非常に重要。

防御すると大幅に被ダメージを抑えられる。ただし、重い攻撃には耐えきれず、吹き飛ばされてしまうこともあるので注意

回避は効果時間が短いが、決まればノーダメージで攻撃をやり過ごすことができ「強力な一撃」もノータイムで使えるようになる

よろけることなく放てる「強力な一撃」

攻撃や回避をし続けるとゲージがたまっていき、強力な一撃が使用可能となる。

使用可能になるとコンボが表示される。表示されたコンボどおり入力すると、最後に出る一撃の威力が1回だけ大幅にアップする

このコンボ発動中は、敵の攻撃で中断されることがないので、安定して大ダメージを与えられる。

威力こそ特殊技には及ばないものの、使いやすいので攻略のカギとなることだろう。

巨大モンスターとの血を血で洗う闘い

本作で相対することになるのは、ゾンビや動く植物などの奇怪なモンスターたちだ。

見た目も恐ろしいが、とにかく大きなモンスターが多い。攻撃に当たったらひとたまりもない

そんなモンスターたちの猛攻をかいくぐり、制限時間内にクエスト目標を撃破すればクリアとなる。

基本的には、そのマップでもっとも強大なボスを倒すことがクリア条件となっている。ボーナス目標を達成すると、クリア時に得られる経験値に倍率が掛かる

ボスと遭遇するとマップ上の全ザコモンスターが一気に集まってくるので、先にできるかぎり倒しておくのがコツ。

方位磁針のマークを押すと、ミニマップが表示される。細かな敵の位置は把握できないが、ボスの位置がわかるようになる

勝てないときの強力な味方

各章の節目に出てくるボス級モンスターは、行動パターンを覚えないと圧倒されてしまうほど凶悪。

クエストにつまづいたときにまず活用したいのが、マップ上にちらほら見かける「タル」である。

いったん攻撃を加えると、数秒後に爆発する。これが思った以上に威力があり、ものによっては状態異常を引き起こすこともある

爆発に巻き込まれると自分も被弾してしまうのがデメリットだが、あらかじめに爆発範囲はわかるので、うまくかわしながら使おう。

鳥や蝶に注目!

マップにはタル以外にも、近づくとアイテムが手に入る「石化した商人」がいる。

その近くには鳥や蝶が集まる習性があるので、目安にして探してみよう。

タルを使っても歯が立たない場合、奥の手として使えるのが「仲間」である。

クエスト開始時に近くに設置されている大盾で「ドクロ」を支払うことで、仲間を召喚できる。呼び出すのに必要なドクロはミッションなどで入手可能だ

ただし、仲間は一度使うと24時間のクールタイムが発生する。ここぞという場面でだけ使うようにしよう。

とはいえ、クールタイムになるのは使用した仲間だけなので、たくさんの仲間ができればどんどん使っていける

目指せS+装備!

もっと一気に強くなれるのが、武器と防具の強化だ。クエスト報酬や装備製作で手に入ったものを合成、分解して気に入った装備をコツコツ育てていこう。

装備にはDからS+までの等級があり、どの装備も強化していけばS+装備へとたどり着ける。等級を上げると飛躍的にステータスが伸びる

また今回のプレイでは触れられなかったが、装備にはスキルを刻印することもできる。

やり込み度合いがプレイに直結するやりごたえバツグンの作品

本作にはスタミナのような概念はないので、遊びたいときに、遊びたいだけ遊べるのも魅力となっている。

クエストの1つ1つが難しいので、繰り返しプレイして装備を整えながら自身のプレイを自然と磨いていける。

よく見ると、筆者が苦戦していたのは「やさしい」クエストだった。現状確認しただけでも「ふつう」「やや難しい」モードがあったので、腕に自信がある方は全難易度でのオールクリアを目指してみよう

日本発のゲームでは考えられないほどスタートから手を焼くゲームとなっているので、生やさしいスマホゲームにうんざりしている方にはもってこいといえる作品だ。

  • 使用した端末機種:iPhone 6
  • OSのバージョン:iOS 9.3.2
  • プレイ時間:約2時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:2.0.1
  • 課金総額:0円

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