Gear.Club【ゲームレビュー】

『Gear.Club』は世界の名だたるメーカーのスポーツカーを運転し、速さを極めていくレーシングシミュレーション。車体の細部まで表現された高品質なグラフィックと、豊富なカスタマイズ要素が魅力の作品だ。

世界の名車を心ゆくまで堪能できるレースゲーム

『Gear.Club』は、実在するスポーツカーに乗り、世界中のプレイヤーと最速を競い合うレーシングゲームだ。

iOSのみの配信となっている上、まだ日本語化されていないタイトルだが、高品質なグラフィックによる車体やレースの表現、ゲーム全体の出来などがいずれもハイクォリティー。

英語が苦手でもプレイしてほしい、そんな魅力を秘めたタイトルとなっている。

世界中のプレイヤーと競いながらマップを開放していく

レースの形式は、8台で行う「Derby」と、1台でほかのプレイヤーのゴーストとタイムアタックを行う「Multiplayer Challenge」の2種類がある。

リアルタイムには連動していないが、さまざまな国籍のプレイヤーが参加しているので、ぜひ世界一を目指してみよう。

「Derby」モード。上位で入賞するほど、評価としてもらえる星が増える(最大3つ)

「Multiplayer Challenge」モード。こちらは走破タイムによる1位を目指す

ワールドマップ内のレースに勝利し、もらった星で次のエリアを開放していく。エリアはA1から始まるカテゴリーで分けられており、乗っている車によって挑戦できるエリアが異なっている

愛車のチューンナップは、「Performance Shop」と呼ばれるガレージで行う。車のパフォーマンスを上げるほか、ガレージ自体の施設なども徐々に拡張していける

世界ランキングも、シーズンや自分の属するカテゴリーなど、多数の枠組みが用意されている

スマホの特性を生かした操作方法

操作方法は設定画面で3種類から選択可能。ハンドルの操作方法と、加速方法がそれぞれ異なっている。

スマホを傾けてハンドルのように操作できるものと、ゲームらしくボタンで操作できるものがあるが、詳細は以下のとおり。

3種の操作方法

  1. スマホを傾けてのハンドル操作、自動で加速する
  2. スマホを傾けてのハンドル操作、アクセルボタンを押すことで加速する
  3. ボタンによるハンドル操作、自動で加速
    ※それぞれブレーキ操作は別だが、オートブレーキのオプションも用意されている

手軽に操作できるのが1、車を運転してる感じを味わえるのが2、操作しやすいのが3だ。右上の「Sensitivity」でハンドル操作時の曲がり具合も調整可能。Highに近づくほど、わずから操作で曲がりやすくなる

2以外、アクセルの操作がないというのはかなり新鮮。ただ、操作はしやすいが、レースゲーム好きには物足りないかもしれない。

アシスト機能で手軽に操作

操作方法の自動加速などもそうだが、レース中にはさまざまなアシスト機能が搭載されている。

レースゲーム初心者でもかなり遊びやすいはずだ。

RACING LINE

レース中、最適なコース取りがコース上に色の付いた矢印で表示されるようになる。

矢印の色はカーブの角度を示している。ゆるやかな場合は緑、きつくなるにつれて赤に近づいていく

巻き戻し

レース中、「>>」マークをタップすると、少し前の状態に車を戻すことができる。

コースを外れたり、壁などにぶつかったときに利用可能になる。最速タイムを目指す上でも有用だ

ミラー

レース中、ミラーアイコンをタップしている間、ミラー越しに後ろを確認できる。

ラリーでほかの車の位置などを確認するときに便利……なハズなのだが、タップし続けないと表示されないので、なかなか使いにくい

運転アシスト機能は便利だが足かせにもなる

ここまで紹介した機能のほかに、運転をアシストしてくれる「DRIVING AIDS」という機能も搭載されている。

操作しやすくなる半面、ブレーキやハンドル操作に制約が掛かるため、スピードが出にくくなる状況に陥りやすい。

操作に慣れてきたら、これを調整して効果を弱めていくと、さらなる高みを目指せるはずだ。

DRIVING AIDS

  • Braking:カーブの直前になると、自動でブレーキを掛けてスピードを調節してくれる機能
  • Anti-skid:車体が横ズレするのを防いでくれる機能
  • Steering:曲がりやすいように自動でハンドルを微調整してくれるもの

個人的にAnti-skidの影響が大きく感じる。ドリフトができる反面、車体が制御不能になることも。微調整も可能なので、操作しやすい段階を選択しよう

名車を穴が空くまで眺めよう!

車は「Car Dealer」で購入する。カテゴリごとにあり、そこで車を購入することで、そのカテゴリのレースに参加できるようになる。

海外の名立たるメーカーの車が多数登場し、ゴージャスな「Car Dealer」もたくさんある。

そのため、本当に名車を購入しに行っているような感覚を味わえるはずだ。

登場するスポーツカー(一部)

  • ALFA ROMEO:4C SoberAlfa、8C Competizione
  • BMW:M2 Coupe、M4 Coupe、Z4 Roadster
  • CHEVROLET:Camaro 1LS、Corvettes Stingray
  • Ford:Focus RS 2016、Mustang GT 300
  • LOTUS:Elise Blue Sport、Evora 400、EXigeS
  • McLaren:570S、12C、P1
  • NISSAN:370Z、370Z NISMO、370Z Drift Like

いかにもショールームといった施設に、複数の名車が置かれている。これらは、ゲーム内通貨や課金アイテムで購入していく

車は、360°さまざまな角度から自由に視点を変えて見られるほか、ピンチ操作によってより細部までチェックできる。ボンネットやドアを開けることも可能で、内装やエンジンまでしっかりと表現されている

ガレージにはカスタマイズ要素が満載

「Performance Shop」はいわゆるガレージのようなもの。車のメンテナンスやチューンナップができる施設だ。

車の性能を上げることはもちろん、アクセサリーの追加や色の変更といった自分好みのカスタマイズもできるようになる。

レースに参加すると、使った車は「Condition」というパラメーターが低下する。車のポテンシャルを発揮しきれなくなるので、定期的にメンテナンスしよう

チューンナップやメンテナンスは選択後、時間経過によって完了する。広告動画などを見ると一気に終わるので、これを活用するのもありだ

ガレージ自体も強化や拡張が可能で、ちょっとしたオブジェクトも配置できるのが特徴的だ。

徐々に施設を大きくしていく、箱庭育成ゲームのような楽しみ方ができる。

施設を強化することで、チューンナップできるものも増えていく。車のアクセサリーや色も変えられるように

『Assoluto Racing』とどっちがおすすめ?

グラフィックが美しいスマホ向けのレーシングシミュレーションといえば『Assoluto Racing』。

両方プレイした筆者の感想としては、グラフィックの美麗さは本作と甲乙つけがたい。両者の魅力、特徴などを軽く比較してみた。

Gear.Club

  • 日本語およびAndroid非対応(2016年10月時点)
  • 自動加速やドライビングアシスト機能があり、手軽に操作できる
  • 車体のディティールの細かく、ピンチ操作などのじっくりと堪能する機能がある
  • レース中にほかのプレイヤーのゴーストが出るなど、競っている感覚が強い
  • ワールドマップが徐々に開放されていくため、進捗感が強い
  • ガレージ(Performance Shop)を自分好みにカスタマイズできる

Assoluto Racing

  • 日本語化されている
  • アクセル、ブレーキなどはすべて自分で行う。プレイヤースキルが非常に問われる
  • 車種ごとにタコメーターやエキゾーストノート(排気音)などが異なるなど、レース表現がリアル
  • レース中のドライビングテクニックによって評価が変わる
  • テクニックを駆使するゲームモードがある
  • 基本的に1人でのレース

まとめると、操作は若干カジュアルだが、対戦やカスタマイズといったさまざまな要素を楽しめる『Gear.Club』に対して、よりレースに特化し、自らのドライビングテクニックを追求する『Assoluto Racing』といった印象だ。

いずれもレース表現はスマホ最高峰のクオリティーといっていいレベル。どのようなスタイルで楽しむかでチョイスすることをおすすめする。

  • 使用した端末機種:iPhone 7
  • OSのバージョン:iOS 10.0.2
  • プレイ時間:約3時間半
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.6.2
  • 課金総額:0円

(c) 2016 Eden Games