30年の深みを味わえるハードボイルド推理アドベンチャー
今年で30周年を迎えた『探偵 神宮寺三郎』シリーズ。
数多くの作品がこれまで世に出ているが、本作『探偵 神宮寺三郎 Oldies』では、携帯アプリ版として配信されていた物語を楽しむことができる。
携帯アプリという特性ゆえに、なかなかプレイする機会のなかった隠れた名作の数々を、スマホ向けにリファインされた美しいグラフィックで楽しめる点が魅力だ。
物語はそれぞれ、複雑に絡み合う複数の犯罪が、最終的に1つの真実へとつながっていくというものが多い。突拍子もない謎が徐々に解き明かされている爽快感を味わおう
各物語の1章まで無料でプレイ可能
本作はいわゆる買い切り形式。
それぞれの物語(全4章)の1章までは無料でプレイ可能だが、最後までプレイするには課金が必要となる。
リリース時点で最初からプレイできる物語は次の3つだ。
- 亡き子の肖像
- 明けない夜に
- キトの夜
各物語の1章終了時に、購入画面が表示される。課金すると、その物語の最終章までをすべてプレイすることが可能になる
捜査活動は選択肢の連続
事件の真相をつかむため、神宮寺は現場の調査と聞き込み、張り込みを繰り返していく。
どこにいくか、何を調べるか、だれに聞くかなどはプレイヤー自身が選択することになる。これぞ探偵といった仕事ぶりを体験できるのだ。
事務所や事件現場などでの行動選択画面。会話の流れや事件資料などから、今調べるべき場所、話すべき相手などを決めていく
情報を得るために聞き取りを行うことも。選択を間違っても選び直せる易しい仕様ではあるが、自力で考えた末に選んだものが正解だと妙にうれしい
古き良き探偵ドラマのような雰囲気を楽しもう
登場人物のキャラクター像がしっかり描かれていることが本作の特徴の1つ。
ひと昔前の探偵ドラマのような、都会で生きる人々の、ちょっと寂しい人間模様が楽しめるようになっている。
このあたりに注目して物語を進めると、より深く本作にのめりこめるはずだ。
捜査していくにつれて登場人物の背景、生い立ちなどが明らかになってくる。犯人や被害者、関係者などの想いが細かく描写されている
ハードボイルドを地で行く男「神宮寺三郎」のカッコイイ生きざまに注目。煙草がこれほど似合うキャラクターもそういない
なかなか手が出なかった方もプレイしやすい
このシリーズは名前こそ知っていたのだが、実際にプレイしたことはなかった筆者。
好みも関係するかもしれないが、推理ADVを家庭用ゲーム機向けのソフトとして購入するには二の足を踏んでしまっていたのだ。また、携帯アプリで遊ぶというのも抵抗が大きかった。
しかしスマホなら、ちょっとした小説を買うような感覚でプレイできる。
1章までの無料プレイで雰囲気はつかめるので、お金を投じて後悔するようなことにはならないのもうれしいところだ。
2017年8月にはニンテンドー3DSにて新作も発売予定なので、『探偵 神宮寺三郎』シリーズの入門編として、気軽にプレイしてみてはいかがだろうか。
今回公開されている物語は上記の3つだけで、ほかの作品はグレーアウトされていて選択することができない。今後のアップデートで順次追加されるということだろうか? 今後の動向から目を離せない!?
- 使用した端末機種:iPhone 6s
- OSのバージョン:iOS9.3.1
- プレイ時間:約2時間半
- 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.1
- 課金総額:480円
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