【Ingressアハ体験】第51回: Ingressで出会い、愛を育む人たち――結婚までの道のりを聞く!

『Ingress』との出会いをきっかけに、人生が変わることってないですか? 今回は、イン活を通じて最愛の人とめぐり合い、結婚あるいは同棲に至った3組のカップルにお集まりいただき、『Ingress』をめぐる恋愛のアレコレをお聞きしました。

Ingressがあったから、でもIngressがあるから

『ポケモンGO』で初の大規模イベントがシカゴで開催されるということで、大いに盛り上がっている最中……日本の片隅では、『Ingress』で出会った3組のカップルが一堂に会し、出会いと交際について赤裸々に語っていたのでありました。

XF(※)カップルもいて、お互いの恋愛に興味津々! まったく関係ない話もバンバン飛び出し(笑)、本連載における座談会では最長の3時間50分に及んだのでした。

人の恋愛話をこんなに聞いたのは久しぶりでした!

※クロスファクション:両陣営が混ざっていること

ついに『Ingress』で出会ったカップルのお話をうかがう機会を得ました!

参加してくれたカップルはXF含め3組

以前、仙台で開催されたアノマリーのアフターパーティーで、プロポーズからの快諾という衝撃的な場面を見ました。

それ以来、『Ingress』で出会い、愛を育み、ゴールインする、すなわち「Ingress婚」をテーマに、いつか話を聞いてみたいと思っていました。

気がつけば、自分の周りでもぼちぼちそのような話を聞くようになり、ごく身近なメンバーの中にもゴール間近なカップルが誕生!

というわけで、満を持しての座談会となりました。

今回ご協力いただいたカップルは、Enlightened(ENL)同士でご結婚されたカップル1組、XFで婚約・同棲中のカップル2組です。

急なお願いということで、私の地元に近いエリアで起こしいただける方々にお願いしました。

とむ○さん38ぴこさん/同陣営(交際約1年半で入籍)

  • とむ○さん(男性):ENL。2013年10月ごろからエージェントに。今は作戦やメダル集めがメインの活動。ストーリーを追いかけるのも好き
  • 38ぴこさん(女性):ENL。iPhone版がリリースされた後の、2014年7月の終わりくらいから活動。

4さんSさん/XF(同棲中)

  • 4さん(男性):ENL。2014年8月頭から活動。2016年12月以降は、愛のためにスキャナ上の活動は停止中
  • Sさん(女性):RES。2014年8月27日から活動

BさんAさん/XF(同棲中)

  • Bさん(男性):RES。iPhone版リリースの2カ月後くらいから活動
  • Aさん(女性):ENL。2014年12月末ごろから活動

日ごろはどうしても、私側の陣営から見た話が多くなってしまうのですが、今回は初めて両陣営がそろいました。

知っている同士のカップルが集まったことや、アルコールも入ったことから、脱線しまくり! XFならではの悩みもたくさん飛び出しました。

座談会はカラオケボックスで開催。せっかくなので、お祝いにハニトーを頼みました

知り合ったきっかけを教えてください!

すずまり:まずは出会いのきっかけと、意識するようになるまでを教えてください。

もはや本連載での座談会では恒例となった「Ingressにカンパーイ!」

4さんSさんの場合

Sさん:最初は2014年の10月ごろかな。夜、仕事帰りにとある駅で乗り換えようとしてて、ついでに駅から周辺を攻撃してたら、めちゃくちゃわんこしてくる人がいたのね。

あんまり腹が立ったんで、帰らないでそのまま駅を出て攻撃を続けたの。

そしたら駅から離れたところに移動しても、その人がついてきて反撃してくるわけ。「何こいつ!」って頭にきて、結局1時間くらいはドンパチしてたかな。

最後は自分のPCがなくなって何もできなくなったんだけど、駅に戻ったらすでに電車が終わってて(苦笑)、泣く泣く4駅歩いて帰った。

そのときにAG(※)名を覚えて「あいつマジむかつく!」って方々でディスりまくってました。

(※)エージェント:Ingressプレーヤーのこと

4さん:僕はそのときベロベロに酔ってたんで、全然覚えてないんだよね。後で攻撃通知見るようになって、あーなんかやってたんだなって。

彼女のAG名は職場付近のポータルで見かけてた。おいしそうなAG名だなって思ってました。

Sさん:で、初めて顔を合わせたのが、忘れもしない翌年の2015年1月31日。飲み会が開催されたときに彼も呼ばれてて、初めて実物を見た。

その前に、とある俳優に似てるって話を聞かされてて、あたしはその俳優さんの大ファンだったからものすごく期待してたら、すごいおっさんが来た(笑)。

あんまり頭にきたから「なんで似てねーんだよ!」って本人にクレームした(笑)。

4さん:知らんがな(笑)。ただ僕、そのときのこともあんまり覚えてないんだよね。だいたい人生の午後7時から12時までの記憶はあんまりないから。

すずまり:飲みすぎだよね。

Sさん(左)と4さん(右)

Sさん:あたしが「うるせぇ! 似ろよ!」って脅したら、「モデレーター! 事案! 事案です! 助けてー!」って言ってたね(笑)。

とにかく当時は「酒飲みでIngressクソガチの覚醒おっさん」って思ってて、ほんとに嫌いだったし、死ねばいいと思ってました。もちろんAG的にです(笑)。

でも、2人ともお酒が好きだし、週に1回くらいのペースで一緒に飲む機会があって。

なんだかんだいって、飄々(ひょうひょう)と面白い返しをしてきて、それが漫才をしているみたいで楽しかったです。

「その返しが生意気だ!」って、会うたびに私が彼をポカポカたたいたりして。その姿がGoogle+の一般公開で流れて、「事案パンコ芸」なるものができるまでになりました(パンコとは、一般公開のこと)。

ある晩、彼の地元で活動していたらタクシー飛ばしてやってきた! で、「何してるんですか、飲みましょうよ」って言われました。

酒シールドですよ。でもあたしもビール飲みたかったから、いいかなって思って飲みにいきました。その晩のやりとりで「ああ、こいつ私のこと好きなんだなー」と思い込みました。

4さん:思い込みやすいよね。「あいつ、あたしの後をつけてきて焼くなんて! あたしのことが好きなんじゃないの」ってよくいうし(笑)。

Sさん:確かに(笑)。それからというもの「彼はあたしのことを好きだ」と思ってるから、もう方々でやりたい放題やりましたね。

彼がFF(※)つぶしに来れば自転車でひいたり、蹴ったり、彼のスマホを取り上げたり。

※フラッシュファーミング:ポータルに同じ陣営で8人以上集まり、短期集中的にアイテムを補給する活動

すずまり:そこだけ聞くとホントに事案だね(笑)

Sさん:でも、飲み会の会場がわからなくて迷っていたら迎えに来てくれたり、終電間近のダッシュでみんなに遅れてたら、立ち止まって待っていてくれたりして。

そういうやさしいところがジワジワきてました。で、気づいたらあたしのほうが好きになってたみたい(笑)。

とむ○さん38ぴこさんの場合

とむ○さん:うちは、とある作戦のために、彼女がある人物からあるポータルキーを預かったのがきっかけかな。

そのためにハングアウト(※)に入ってもらって、そこで話をするようになりました。2014年8月ごろのことです。

(※)Googleのチャットツール

その後は、FFなんかで顔を合わせる機会はあったのと、アノマリーやFS(ファーストサタデー)が運営側に近い方だったので、打ち合わせで接点がありました。

リーダーのサポート役として発言したり、活躍してくれたりしました。

交際1年半でゴールインされた38ぴこさん(左)と、とむ○さん(右)

38ぴこさん:私は、最初の印象はぜんぜん覚えてないんですよね。FFでも話をしたかもしれないけど、初対面の人が大勢いたので覚えてない(苦笑)。

印象に残ってるのは、ある活動で出かけたお寺で、私が買った「一反木綿のタオル」について、彼から直接ハングアウトで「そのタオルどうしたの?」ってメッセージがあったこと。

そこで初めて個人として認識しました。

とむ○さん:「こんな、タオル誰が買うんだろう」って思っていたところで、彼女が買ったのを知って(笑)。

もともとGoogle+でのアイコンを知っていて、それがあまりに印象的だったんで、どんな人だろうって気にはなってました。

38ぴこさん:彼は男女問わず、誰にでもやさしくて面倒見がいい人なので、すぐには特別な感情を抱きませんでしたね(笑)。

でも、アノマリーやFSで準備をしている姿を見ていたら、人柄や考え方が見えてくるようになりました。

コミュニティー内で人間関係がギクシャクしてくることって、よくあると思うんですけど、そんなときも決して排除せず、全体をまとめていくんですよ。

そういう姿を見ていたら、だんだん「この人はステキだなあ」って思うようになりました。

4さん:もうね、アノマリー準備時のとむ○さんのリーダーシップを見ていたら、男でもほれますよ。僕はそのとき初めてアノマリーに参加したけど、僕みたいな新参者の話にもちゃんと耳を傾けてくれたりね。

すずまり:マジですか! 準備でかなり追い詰められてくるから、性格はすごく出そうですよね。なるほど〜、なんか『Ingress』らしい。

BさんAさんの場合

Aさん:うちは、もともと活動エリアが同じなので、敵同士としてよく顔を合わせてました。彼が来ると、にこやかにお出迎えしたりして。

彼は、プレイスタイルや人柄がユニークな敵AGさんという印象でした。

Bさん(左)とAさん(右)

Bさん:「焼いてくれて助かりまーす」とか言ってたし、アイコンにハーモニーがあったから「じゃあ焼いてやろうか!」みたいな。

Aさん:私は、夜中の1:00くらいから活動を始めて、3:00〜4:00までやることが多いんです。

ある晩、いつもよりちょっと離れた場所にいったら、酔っ払いのお兄さんに声をかけられて。

軽くあしらったんですけど、1時間くらい経ってから背後をみたら、まだお兄さんが後ろの方からじーっとこっちを見てるんですよ。

「げ! ついてこられてる!」と恐怖に震えました。スキャナばっかり見てたんで、気がつかなくて……。

このままでは家に帰れないと、困ってうろうろしていたら、そこに現れたのが彼だったんです。

私が「大変大変〜(涙)」って駆け寄って事情を話したら、「とりあえずこれでも飲んで落ちついて〜」みたいな感じでチューハイをおごってくれて、明け方くらいまで一緒に話をしながらいてくれたんです。

すずまりBさんがつきまとったわけじゃないのね

一同:(爆笑)

Aさん:違いますよ〜(笑)

すずまり:で、もしかして……助けてもらって、かっこよく見えちゃったとか!? それって吊り橋効果的なアレですか?

Aさん:そうですそうです(笑)。いつもだったら、焼かれて「くそっ!」って感じなんだけど、そのときだけは本当にすごい安心して!

彼の気づかいに好感を持ったことや、そこで『Ingress』以外の話を初めてしたりして、彼の趣味とかを知ってとても楽しくて、もっとお話してみたいなと思いました。

そのときすでに、男性として意識し始めてたかもしれません。

Bさん:おれはいつもどおり酔ってて、彼女を見かけたんで「お〜、Aさ~ん♪」って声をかけただけなんだけどね~。

一同:仕込んでないよね?

Bさん:ないっすよ〜(笑)。

どんなお付き合いを? 告白はどこで?

すずまり:天敵感あり、王道あり、吊り橋効果ありとみなさんいろいろですねぇ! 活動している姿にほれるっていうのは『Ingress』らしいなぁと思いました。

実際におつきあいに至るまでは、どんなデートしてたんですか? 特にXFだと気になりますよね。

とむ○さん:うちは同じ陣営なので、軽く会って2人で少しイン活(※)するパターンはよくありました。あとはミッションデートは何度も行きましたよ。

※『Ingress』の活動の略称

ミッション情報を共有するために、2人だけのコミュニティーを作ったりもしましたね。

ちなみに横浜の名所を周るミッションアートは、これからデートする人たちにオススメです。 

ダルサナ東京が2人の運命を……!? ミッションデートはオススメだそうです!

あとはプライベートで彼女がUPC(※)を取りたいっていうので、上野動物園をオススメして、いっしょに行ったついでに動物園を楽しんだりしました。そしたら「デートっぽいな」って、彼女のことをより意識するようになりました。

※Unique Portal Captured:メダルにつながる実績の1つ

告白は、ダルサナ東京(2014年12月に東京で開催されたアノマリー)のアフターパーティーの会場の外でした。

あのときは、終わってから会場に行くのが大変で、間に合わなかったんですよね。ちょうど通路に着いたところで、うちのメンバーが「勝ったよ!」って教えてくれたんです。

もともと告白するつもりだったけど、ちょうど周りに人もあんまりいなかったから、今しかないと思って。

月並みですが「38ぴこさん、付きあってください」って言いました。まだ本名も知らなかったので(笑)。

一同:きゃー!

4さん:名前を知らないって「Ingressあるある」ですね。

38ぴこさん:即答でOKしました。でも「そこでくるか!」と思いました(笑)。予測はしてたけど、もう少し後のプライベートの予定でかなって思ってたんですよね。

アノマリーのアフターパーティー会場外で告白され、「ここで来るか!」と思ったという38ぴこさん

とむ○さん:だから、みんなが勝利で喜んでいる間、自分は別の勝利で喜んでました。二重な喜びでした。

Sさん:もし負けてたら告白しなかったの?

とむ○さん:どうでしょう。でも後押しになったことは確かです。

4さん:ダルサナの裏でそんなことがあったんですね。ダルサナの勝利は陣営の将来にもデカかったけど、とむ○さんの将来にもデカかったってことですね。

すずまりBさん&Aさんカップルはいかがですか。

Aさん:助けてもらった後は、「しゃべろうよ! しゃべろうよ! 行かない? 行かない?」みたいな感じで、私のほうから食事やミッションに誘うことが多かったですね。6時間くらいファミレスでしゃべったりとかしましたよ。

4さんAさんが好ましく思っていたわけだ。そのときBさんはどうだったの。

Bさん:なんか別に。「ああ〜っ?」て感じ。

「俺と4さんの出会いはさ〜」などとすぐに脱線するBさんを、やさしく見つめるAさんのまなざしが印象的でした

Sさん:わはは! 正直、そのころのこと私知ってるんだ〜。「Aさんかわいいんすよ」「ほんとにいい感じのいいひとですよ!」みたいなこと言ってたじゃない。

でも別の人と付き合ってるんじゃないかってしきりにいってた。周囲は生暖かく見守ってたんだよ。2人は付き合うだろうなって。

すずまり:「ああ〜?」とかいってるけど、Aさんのことが気になって仕方ないから、「別の人とつき合ってるんじゃないか」とかいうんだね。

Bさん:今気づきました。今日来てよかった〜!

すずまり:ホントいつも適当なこというよね(笑)。で、告白は?

Aさん:なかなか、いい出さない日が続きました。「XFでも大丈夫なんだよ」みたいな話を別れ際に言ったりするんで、このあと告白されるのかな、と思ったら、前振りみたいなセリフがずーっと続いて、結局告白はしないで毎回別れるみたいな感じ(笑)。

一同:なんて煮え切らないの!!(笑)

Bさん:俺、引っ込み思案だし、ハッキリいって被害妄想の塊なんで。「そんなAさんみたいな人が、俺のこと好きなわけないじゃないですか!」って。

Aさん:最後は、はっきりは覚えてないんだけど、緑道ですごいストレートに言ってくれた記憶があります。その日だけはお酒飲んでなかった。「やっときたーっ!」って、本当にうれしかったです!

4さん:なんでそんなにためてたの?

Aさん:XFだから『Ingress』上のことで気にしてるところもちょっとあったみたいですね。

とむ○さんBさんと4さんたちでは、どちらが先だったの?

Bさん:あっちのほうが若干先輩。「XFやばい! みんなにたたかれる!」と思ったら、もっと目立つ先輩がいたんで「よっしゃー!」って思いました(笑)。

すずまり:そのXFの先輩である、4さん&Sさん組はいかがでしょう。

Sさん:うちはスキャナ開いてのデートとか、まったくない!

ただ何度も飲んでた。もう完全に「私のこと好きだろうなー」と思っていて、ある晩の飲み会で2人きりになった瞬間に彼の胸ぐらつかんで、「あたしのこと好きでしょ!」っていったら「うん」ってうなずいたの。

だから「わかった、じゃあね!」っていって(笑)。

一同:わー! 胸ぐらつかんだんだ(笑)。

4さん:そして放置されました……。

再現VTR風に、4さんの胸ぐらをつかむSさん。すごい迫力です!

Sさん:でも、翌日に2人で会ったら、「昨日は勢いでうなずいてしまった」って言われて「え? 私の事好きだったんじゃないの? 私の勘違い?」って大ショックよ。

「憎からず思ってた」っていわれたけど、打ちのめされたわ。結局、自分のほうが好きだったって気づいたから「考えておいて」って言い残して、トボトボ帰りました。

すずまり:生々しいわ〜! 結局は自分から告白したのかー。で、どうしたの!

Sさん:数日後にファミレスに呼び出されてね。あの飲んだくれの4が「シラフで話したいので今日は飲まない」と言うわけ。

すずまり:そっ、それはかなり怖い……。

Sさん:ちゃんと考えてくれたみたいなんだけど、条件付きだった。当時、あたしはプライベートにちょっとした問題を抱えていたんで、それをスッキリ解決してから来てくださいって言われた。

すずまり:つまり、それまで待っててくれると!

一同:すげー!

Sさん:数ヵ月後に問題が解決したことを伝えたら、「待ってたよ」と笑顔で迎えてくれたの。

一同:きゃーーーーーーー!(拍手起こる)

すずまり:ちょっと! 何そのロマンチックな、ていうか純愛じゃないですか! 散々けったり殴ったりしてたのに。ていうか、何この話。『Ingress』の座談会なのに。

Sさん:そんな感じで、2人とも飲んだくれなので飲んでばかりで、もっぱらお家デートですね。あと彼が野球好きなので、休みの日はキャッチボールしてます。

当時住んでた場所は駅が隣同士だったので、イン活するときは別々。

うちは2人ともミッションもしないので、『Ingress』上で何かデートをしたことは一度もないです。遠くからCF作ったり邪魔リンク貼ったりすることはありました。

4さん:ほんと、スキャナ立ち上げてのデートはしたことないです。アノマリーも全力で取り組みたいので、行きも帰りも別々でしたしね。

Sさん:ただ、彼はIntel大好き人間なので、行先を告げずとも「〇〇で飲んでるのー?」とハングアウトで連絡がきます。

常時監視されてるようでコワいけど、見守られてる感じが結構うれしいので、ついついログ出しちゃいます(笑)。

すずまり:のろけかよ。最初は「死ねばいいのに」とまで言ってたのに(笑)。

いっしょに暮らそう!

すずまり:みなさんが結婚(同棲)を意識したのは、どんなタイミングでしたか?

とむ○さん:週末と平日で1〜2回は会ってたんだけど、「ずっと一緒にいたいから同棲するか」「同棲するんだったらやっぱり結婚しよう」っていう流れでした。

38ぴこさん:その「結婚する、しない」という話が出たのが2月だったよね。そこからはすごくピッチが早かったです。

なぜなら、私が結婚するなら3月14日がいいと思っていたから。円周率の3.14で、永遠に続くみたいな。

一同:なるほど!

とむ○さん:時間ないんで、午前中にうちの両親に田舎から出てきてもらって彼女に会って、午後には両家の顔合わせなんてタイトなスケジュールでした。

Sさん:「ゲームで知り合った」っていったとき、何もいわれなかった?

38ぴこさん:今つき合ってる人がいて、『Ingress』で知り合った人っていうのは、ずっと前から両親に話してたから。

毎度のことながら、取材というよりただの飲み会になっていく座談会です

すずまりBさん&Aさん組はどうでしょう。

Aさん:つき合い始めてから、今度は私が痴漢にあったんです。それをきっかけに「一緒に住もう」って話が出ました。

すずまり:えっ? 前は後を付けられて、今度は痴漢?

Aさん:そうなんです。家に帰ろうとしたら、家のドアのところまで突然外国人が来て、胸の当たりまで手を伸ばしてきたんです。

『Ingress』をやってるときに、すれ違ったことがある人っぽいんですよね。力のかぎり悲鳴を上げたんだけど、近所からは誰もでてきてくれなかった……。

ただ、あまりに大きい声を私が上げたから、その痴漢もびっくりして逃げていったのは助かったけど。すぐに彼に電話しました。

Bさん:それで、「もう危ないから、一緒に暮らしたほうがいいんじゃないか」って話になったんだよね。

それを、うちの陣営がよくいく飲み屋で話してたら、そこの大将に「ダメだ! ふざけんなよ。理由なんか知らねえ。ひとり娘だったらちゃんと親にあいさつに行け!」って怒られた。

自分にもひとり娘がいるから気になったらしいです。それで、近いからってことで瀬戸内のアノマリーのときに、あいさつに行ったんだよね。

Aさん:その大将も『Ingress』やっててガチの敵陣営だけど、陣営関係なく心配して助言してくれて、すごくうれしかったです。で、彼があいさつに来てくれて、うちの両親も喜んでました。

すずまり:なんかいい話! 4さん&Sさん組はいかがですか。

4さん:うちは、「彼女とならずっと一緒にいられるな」って感じたところですかね。

Sさん:ただ「一緒に住もうよ」と言われたんだけど、お互い地元が陣営色なら満足というガチなので、XFで地元がかぶるのは地獄絵図が予想されて、いったんは断ったんだよね。

お互いガチ過ぎて……Ingressが原因で破局の危機に!

すずまり:それをじっくり、うかがいたいです。XFカップルの難しさなどがあれば!

Sさん:覚悟はしてたけど、スパイ容疑は掛けられますね。彼がFFつぶしのためにタクシーで乗り付けてくるくらいガチなので、公表すべきか正直迷いました。

あたしがもらしてるとか思われるみたい(苦笑)。

4さん:お互いの秘密は全然話してないですね。動きはIntelを見てればわかるんで(笑)。

Sさん:もうね、「FFつぶしにくるくらいなら、最初からあたしをデートに誘え!」と何度もイジケた!

酔っ払うと、よくケンカになりますよ。飲み会の席とかで泥酔して、こちらの陣営をディスり始めたりすると険悪!

アルコールが入って、話の途中でSさん(左)が4さん(右)をにらみつける

しかも、お互いに地元へのこだわりが強いから、イン活は大変。隣の駅に住んでたときでも、私が彼の地元を焼くと、その30分後には自分の地元が焼け野原と化してたりして、ヤバいと思いました。

だから、別に話し合ってるわけじゃないけど、なんとなく自分の中で境界線みたいな場所があって、そこを超えない程度に活動してた。

でもそうすると「お互い話し合って、テリトリーを取り決めていて気持ち悪い」という心ないウワサを流されたこともあって悲しかった。

彼に「他陣営ツライ。お互いに秘密が多すぎる。いっしょに楽しめないし」っていわれることもあって、自分もつらい。

お互いにFC(※)の話はよくしたし、私も当初はそれもいいかなって思ったんだけど、心が揺れて無理だった。酔っ払って言い争った結果、彼がFCを申請しかけたりもしたけど、結局どちらも今の陣営大好きなんで実行には至ってません。

※ファクションチェンジ:所属陣営を変えること

4さん:AGじゃない友だちに相談したことがあるんですけど「しょせんゲームなんだし、さっさと同じ陣営になればいいじゃん」って言われて、ちょっとハッとしたことはありますね。

でも、すでにゲームの外で人との深いコミュニケーションができあがってたから、FCできなかったなぁ……。

すずまり:『Ingress』が原因での破局の危機とかは?

Sさん:あるー。とある作戦で、彼が悪ノリしてこちらのミスを突いてきたとき。そのときは作戦が失敗していたので、冗談だなって思えなくて「さすがにやりすぎ。もういいや、別れよう。さようなら」っていって着信拒否。

合い鍵も返してもらったね。どうやって仲直りしたか覚えてないけど。

4さん:あのときは、ひたすら謝ったんじゃないかな……。

Sさん:土下座された記憶がよみがえってきた!

すずまり:激しいな……。結局、4さんは去年の年末からスキャナを開かないことを選択したよね。あれは結構みんなにインパクト与えてました。「あんなガチな人が、なんで急に?」って(苦笑)。

Sさん:一緒に住む話が出たときのことね。交代でイン活するのはトレードっぽくてイヤだし、職場のエリアとかだけにするのもイヤだし。なかなか折り合いがつかなくて。

最後に私の最大の願いが却下されたとき、「私だけ、あれこれ我慢してばかりだね」っていってフテ寝した。

それで朝起きたら、コミュニティーで引退宣言しててビックリした。その気持ちがうれしかった反面、彼の一番大事なものを取り上げたみたいな気がして、罪悪感にさいなまれました。

Aさん:そっか。『Ingress』が原因で一緒に暮らせないなら、『Ingress』をやる理由がないからって。

BさんSさんと一緒になるために、私たちの大前提である『Ingress』を捨てたわけですよ!

すずまり:私たちのアイデンティティーをね。Sさんがいちばんってことでしょ。それ、すごい愛情表現だと思うわ~。

お互いがガチ過ぎて、面倒くさいことになっている4さん&Sさん組の話を、身を乗り出して聞くみなさん

Sさん:でも酔った勢いで「Ingressやりてぇ」とポロリと言ったりする姿を見てると、「もう復活しちゃえばいいのに」と思うこともあったりする。

でも、復活したらしたでトコトンやるタイプだから、イン活だけじゃなくて、作戦とか飲み会とか、『Ingress』に割く時間が今以上に激増するだろうから、複雑な心境。

すずまり:差し出がましい話で恐縮ですが。そこまでお互い好きなのに、籍をまだ入れてないのはなぜ?

4さん:僕は入籍したいけど、Sさんが納得してくれないんスよ……。

Sさん:だって婚姻届け出した瞬間、ガチに復活しそうなんだもん!

「スキャナ置いたのに……」とうなだれる4さん

すずまり:え〜! それがネックなの⁉ 『Ingress』で出会ったのに『Ingress』のために結婚できないってこと? マジですか、そこまでか……。

Bさん&Aさんはどうですか。ここまで激しくはなさそうだけど。2人でいるときにスキャナは開いてますか?

Aさん:開いてます。UPCは譲ってるし、取り合いになることとかはないです。

Bさん:『Ingress』の話はなるべくしないようにしてるし、家じゃステルスしてるからケンカにならないけど、僕が調子に乗って彼女の陣営の悪口をいうと、超キレるくらいだな。僕、子どもなんですよ。

Aさん:それはキレます!

すずまり:アノマリーはどうしてるんですか? 4さん&Sさん組はどちらも参加してたけど、完全に別行動だったよね。

Aさん:つき合ってからは、私たちは2人で野良参加ですね。去年の「Aegis Nova 東京」のときは、彼はチーム参加でしたが、私は職場の周りで野良参加にしました。

すずまり:気をつかってるんですね。

SさんAさんが大人だから、控えてるんじゃないの?

Aさん:んー、控えてるかな。『Ingress』は好きだから、4さんみたいにやめるとかはできないんだけど。

4さん:やめたわけじゃないですよ。スキャナを置いただけです。いまだにIntelは見てるし(笑)。協力できることはしてるし。

Sさん:えっ⁉ そうなの⁉(にらむ)

とむ○さんと38ぴこさんのところは、ケンカとかしないの? 何もないなんてずるいわ〜!

理解があるわけでしょ、例えば「作戦いっといでー」とか。あたしなんて、いえないもん。「作戦があるので行ってきます」とか、いえないもん!

すずまり:そこ、からまない! 落ちついて!

とむ○さん:みなさんの生の声を聞いて、XFの大変さをあらためて認識しました(苦笑)。

Ingressで出会いを求めるエージェントへのアドバイス

すずまり:お酒も入ってだいぶ混とんとしてきたところですが、『Ingress』が出会いにもたらしたものや、今出会いを求めているAGに向けて、ご自身の経験からアドバイスをいただきたいと思います。

4さん:『Ingress』はいろんな人と出会うツールであり、チャネルの1つではあると思いますよ。FFに行けば、少なくとも8人くらいには会うし。

僕はFSには参加したことはないですが、そこでもたくさんの人に会うだろうし、アノマリーに行ったら行ったで、1つの目的のためにみんなで協力するし。人が出会うツールであることは確かです。

だから、コミュニティーに参加したりして、とにかく人に合う回数を増やすことが大事だと思いますね。陣営に関係なく、人にいっぱい会ったほうがいい。すべてはそこから。

あと正直、同じ色同士がいいです。XFはおすすめしません(苦笑)。

Sさん:スキャナ上だけだとイラッとする相手でも、会ってみて話してみると楽しかったりするっていうのは、「Ingressやるなぁ」って思いました。

でも、ぶっちゃけ同陣営の方がいいと思います。ただ私の感覚だと、同陣営だと「家族」というか「部活仲間」になってしまうんですよね。他陣営のほうが、案外お互いに素をさらけ出せるかもしれないです。

Aさん:これは『Ingress』に限りませんが、日常のイン活やイベントや作戦などで、いろいろな方と出会えたことでしょうか。

その中でBさんに出会うことができましたし。いろんな方と出会う中で、1人ひとりとの出会いを大切にしていただきたいです。ありきたりですみません。

「僕はおしゃべりだからさ〜、XFでAさんに迷惑掛けてんじゃないかと思って〜」というBさん。でも、2度も助けてもらったAさんにとって、彼は最高に頼もしい存在のようです

Bさん:AGはエネルギッシュな人が多い気がしますね。いろいろな方向性はあるけどれどみんな、エネルギーがあり余ってる気がします。左上のアイコンをハーモニーにしておいたほうがいいですね。話しかけやすいです。私は旅行しないのでジャーニーに×をつけてます。

すずまりBさん、ちょっとよくわからない(笑)。

とむ○さん:『Ingress』はスキャナをとおしたバーチャルの世界だけでなく、リアルでの人と人のつながりが大きな要素となります。

だから、その人の本質的な部分を見る機会が必然的に多くなりますね。それがとても大きな効果をもたらしてると思います。

38ぴこさん:FFなどの小さな集まりからFSやアノマリーなどの大きな集まりまで、やりとりや作戦を通じて、その人となりがよく現れるゲームだと思います。

「この人のやり方や考え方はいいなあ」って思ったら、積極的に仲よくなってみてはどうでしょうか。

ソロ活動もいいですが、まずはそういった集まりに顔を出すようにして、いろんな人と会うようにしてみるのがいいかもしれません。

何ごとも心から楽しんでいる人はキラキラして見えるものなので、あまりガツガツせずに、まずは『Ingress』を楽しむことが大前提なのはいうまでもなく!

Sさん:そうそう! 「出会おう」って思ってやってたらダメだよね! 『Ingress』で彼氏ができると思ってやってると、できないと思う。

すずまり:「ガーン!」って思ってる人、結構いそう(苦笑)。

4さん:無理してやってもだめ。「こうやったら、きっとカッコいいな」と思ってやってはだめですね。

とむ○さん:見てる人は見てますからね。社内恋愛や結婚に似てるんですよ。

すずまり:会うだけでは全然だめで、作戦などに参加して、楽しみながら自分なりの爪痕を残すことが大事ってことなんですね。そういえば、あたしは作戦に参加したことはないなぁ……(遠い目)。

みなさんにとってのIngressとは?

すずまり:恒例の質問ですが、みなさんにとっての『Ingress』とは何かを教えてください。

4さん:スキャナを立ち上げなくても楽しい、不思議なゲーム(?)ですね。

Sさん:始めたばかりの頃は「スマホゲーム」だと思っていたけれど、コミュニティーに入ったり、ご近所AGと顔を見知って飲んだりし出してかからは、ただのスマホゲームではなくて「コミュニケーションツール」になりました。

3年近く経った今は、4さんと出会って一緒に過ごすようになり、『Ingress』は生活の一部になりつつあります。

Aさん:私も『Ingress』は生活の一部です。

Bさん:大人の部活ですね〜。40も近くなってきたってのに、10代でバカやってたころに戻れる装置だと思う。

とむ○さん:1つのプラットフォームですね。単なるゲームを超えて広がる世界があって、世代や職業、地域を超えて人と人を結びつける場になってると思う。

『Ingress』そのものも、ゲームを基盤に、複数人での作戦、ストーリーの探求、アプリ内メダルの収集、トレード、デザインやもの作りなど、ほんとにいろんな切り口があって、楽しめる要素が豊富です。

そこから、ゲーム仲間同士の旅行やスキー、ホームパーティーなど、さまざまな『Ingress』外の活動に広がっていきやすいと思います。お互いの本名を知らないままにね!

みなさん、今回は本当にありがとうございました。どうか末永くお幸せに!!

いつかスキャナが導いてくれるかも!?

活動中に真摯な姿を見せる、(偶然とはいえ)不審者から女性AGを救う、好敵手になる(?)など、出会いのパターンがみなさん違いました。

その縁をすべて『Ingress』というゲームが取り持っていると思うと、不思議な気がします。

『Ingress』でモテるコツなどをご紹介できたら、とひそかに思っていましたが、仕事と同じで、取り組んでいる姿を見てもらうしかないというのが結論のようですね。

圧倒的に男性が多いなど、年齢や性別に偏りがあるのは事実なのですが、どこに縁が潜んでいるかわかりません。

ファクションを問わず幅広く知り合っていく中で、スキャナの導きで引き合わされることがあるかもしれません。

何はともあれ、これからも『Ingress』というゲームを楽しんでいきましょう!

(C) Niantic, Inc.