日本で急増中のe-Sports施設――本場、韓国の設備はどうか?
「e Sports Studio AKIBA」や「LFS 池袋 esports Arena」など、ここ最近、日本でもe-Sports専用施設が次々に誕生している。
e-Sport先進国の韓国ではどうなのかというと、もちろん同様の施設が存在し、e-Sportsの試合が繰り広げられているようだ。
ネクソンコリアが運営する「ネクソンアリーナ」もその1つで、約19.0×3.4mの大型モニターを備えた、韓国で最大級の規模を誇る施設。
筆者は昨年、NDC17の会期中にも同施設を取材し、ネクソンコリアのe-Sports事業のチームマネージャーへのインタビューを実施。その模様は過去記事を参照してほしい。
今回のNDC取材ツアーでも、ネクソンアリーナを訪れることができ、昨年は見ることができなかった場所まで案内してもらったので、本記事にて紹介していこう。
プロゲーマーの対戦をサポートする最高レベルの設備
観客席や大型モニターの様子といった、主要な設備は前年の記事でも紹介したが、改めていくつかの写真とともにおさらいしよう。
施設の規模感としては、映画館のスクリーン1個分かそれより少し大きいくらいのイメージで、前述の巨大なスクリーンに向かって、観客席が1階と2階に用意されている。
上記が観戦するにあたって来場者が入る場所になるわけだが、今回は選手がゲームをプレイするブース内にも入ることができた。
試合で使用するPCは備え付けのものとなっており、キーボードやマウスといったデバイスは、選手が愛用する機器を持参して試合に臨むという。
選手の様子を中継するためのカメラや、チーム内での試合中に会話するためのヘッドセットといった設備も用意されている。
また、試合の模様は巨大モニターに映し出されるほか、e-Sports専門のケーブルテレビ局で放送されるのだが、画面の切り替えなどを行うコントロールルームにも案内してもらった。
オブザーバーが演出した画面が、最終的に視聴者がテレビで観る映像となる。
オブザーバーを務めるチームは、競技タイトルごとによって人数は異なり、『League of Legends』の場合は2~3人。タイトルによってばらつきがあり、1人から4人程度だという。
ネクソンアリーナでリーグに臨む選手インタビュー
見学当日は、FPS『サドンアタック』のリーグ戦が開催されたのだが、試合前の出場選手へ話を聞くことができた。
――簡単に経歴を教えてください。
drake:私は、1993年生まれで、FPSのゲームは15年間くらいプレイしています。大会に出はじめたのは8年前くらいで、「a’sfe」というチームで活動しています。
――a’sfeというのはプロチームなのですか?
drake:いえ、プロチームではなく、『サドンアタック』で所属しているクランの名前です。
なので、プロの選手というわけではありません。
――年間にどれくらいリーグや大会に参加するのでしょうか?
drake:年に2回ほどですが、今年は多くのリーグがあったので、今年は特に参加しました。
――1日の練習時間は何時間くらいですか?
drake:会社に務めているので、退社後に夕食を済ませてからプレイし始めます。それでも、3~4時間以上はプレイしています。
――会社勤めをしながら、そこまで情熱をそそげるのは、何がモチベーションになっているのでしょう? 余暇もずっとゲームをするのでしょうか?
drake:大げさな目標があるわけではないですが、大会に出るからにはやっぱり優勝したいので、リーグが開催される時期は集中的に練習をします。
リーグ戦のないオフシーズンは、ゲームの時間を減らして、他の運動をしたりもしますし、実家が海辺にあるので釣りを楽しんだりもしますよ。
――韓国にはネクソンアリーナの他にも、e-Sportsの試合が行われる施設があるそうですが、ネクソンアリーナの他にはない魅力は何かありますか?
drake:別の施設でのリーグにも参加したことがあるのですが、そこには選手のブースがありませんでした。
相手チーとの距離も近かったので、チーム内でのコミュニケーションも取りにくかったです。
ネクソンアリーナは、選手だけの空間があって、試合に集中できます。