京都をめぐる戦いをタワーディフェンスで
『京刀のナユタ』(きょうとうのなゆた)というタイトル名からも察することができるのだが、本作は京都を舞台としたストーリーが描かれるタワーディフェンスゲーム。
制作協力には、京都府商工労働観光部ものづくり振興課がクレジットされており、京都のさまざまなスポットがゲーム内で登場するのがひとつの特徴だ。
ポノスのタワーディフェンスといえば『にゃんこ大戦争』が有名だが、キモかわいいにゃんこは登場せず、現代に生きる侍「神刀使い」と主人公である陰陽師が使役する「式神」を操り、妖魔たちとの戦いを繰り広げる。
シナリオ
物語の舞台は、京都。
遥か千年の昔、世界を滅ぼしかけた膨大な妖魔の群れ「那由多鬼夜行(なゆたきやこう)」
時の陰陽師、安倍晴明によって封印された「那由多鬼夜行」は今、現代へと蘇ろうとしていた。
「那由多鬼夜行」の復活を食い止めるため、妖魔に対抗する者「神刀使い(しんとうつかい)」たちが、全国各地より京都へと集い始める。
新撰組に憧れる若者、遠藤克己(えんどうかつみ)は志を同じくする若き神刀使いたちと妖魔を討伐するべく、剣客集団「真誠団(しんせいだん)」を結成する。
この物語は、そんな真誠団たちの戦いの記録。歴史に残らない、歴史を守る物語。
歴史を超えた先で、運命の終わりが始まる―――
にゃんこの遊びやすさと新しい要素がミックスしたバトル!
バトルのシステムは、画面右上に表示されている神力を消費して、神刀使いや式神を出撃させ、敵の妖魔との戦わせるだけ。
プレイヤーは、出撃させたいキャラクターのアイコンをタップするだけなので、複雑な操作は必要なく、そのシンプルさはにゃんこ大戦争譲りと言えるだろう。
しかし、にゃんこ大戦争とまったく同じというわけではなく、異なる点がいくつか存在する。
例えば、にゃんこ大戦争では同じユニットを複数体出撃させることができたが、本作の神刀使いはそれぞれ1体のみ戦場に出すことになる。
再度、必要な神力がたまった際には、2体目、3体目を出撃させるのではなく、その神刀使いを強化する「刀輝解放」が可能になるのだ。
これには、
- 神力レベルの上昇(神力の最大値、自動増加速度が上昇)
- 神刀使いの攻撃力アップ
の効果があり、複数の神刀使いや式神を出撃させるか、はたまた刀輝解放をさせるのか、にゃんこ大戦争より戦略性の高いバトルシステムに仕上がっている。
ちなみに、式神はにゃんこ大戦争のユニットと同じく、同じものでも複数体出撃させることが可能だ(最大50体)。
また、同じ神刀使いの刀輝解放や式神の再出撃は、どちらもクールタイムが定められており、その間は我慢して待つか、他のユニットの出撃を行うことになる。
刀輝解放で神刀使いを強化したくても、出撃しているユニットが少ないと防戦一方となるだけなので、状況を見つつ行動を判断するのが本作のバトルの面白いところである。
さらに、ユニットとは別に、主人公の陰陽師としての能力「陰陽術」という必殺技的スキルも存在。
画面左下にあるアイコンのゲージがたまると使用可能になり、あらかじめ設定した術が発動する。
たくさんのユニットが使いたくなるシンプルな育成要素
神刀使いと式神の2つに大別されるユニットたちは、多種多様なものたちが登場し、これらを組み合わせて編成するのも本作の醍醐味。
そのため、たくさんのユニットを育成したくなってくるのだが、育成の方法はいたってシンプルで、クエストクリアなどで入手できる経験値(EXP)を、育てたいユニットに割り振ってレベルアップさせる形式となっている。
つまり、EXPをためておけば、入手したばかりのユニットをいきなり強くしてからクエストで使うことができるというわけだ。
また、同じユニットを複数体すると、そのユニットの+値が1ずつ上昇する。
+1ごとに、体力と攻撃力が1%増加、最大で+99まで付与することができるので、つきつめていけばかなりの戦力強化が見込めるだろう。
ユニットの多くはガチャで入手することになるため、狙って+値を伸ばすことは難しいが、錬磨素材という育成アイテムを集めて使用することでも+値を上げることも可能。
コツコツと育てていけば、その分、強力なユニットへと仕立て上げることができるのだ。
- EXPによるレベルアップ
- ユニットのだぶり、練磨素材による+値の強化
ユニットの育成要素はこの2つだけで、それぞれのシステムも単純明快。
ただし、すぐに育成が終わるというわけではないので、クエストの進行に合わせてじっくりと育てていくといいだろう。
カフェ店員のアイドル活動が便利!
本作のメインキャラクターの1人である安倍晴明は、陰陽師のかたわら、京都にてカフェの店長として活動している。
そのカフェでは、バトルや育成をより有利にする「戦時式力」の強化や、カフェ店員兼アイドルFlere(フレーレ)として活動する3人娘の営業を行うことができる。
このカフェ機能を利用することも、クエストを先へ進めるために欠かせない要素であるのだ。
戦時式力では、クエストのチャレンジミッションや任務の達成などで獲得できる「戦時略決」と引き換えに、神力の上限や自動回復量の上昇や、EXP獲得量の増加など、さまざまな要素を強化することができる。
中には、クエストに挑戦するためのスタミナ上限の増加、回復速度アップなど、ゲームを進める効率に大きく影響するものまであるので、見逃せない要素だ。
戦時式力の強化項目
- 神力効率UP:バトルでの神力の自動回復量が上昇
- 神力上限UP:バトルでの神力上限が上昇
- 神力獲得量UP:バトルで敵を倒したときに獲得出来る神力の量が上昇
- 陰陽術チャージ速度UP:バトルでの陰陽術のチャージ速度が上昇
- 門体力UP:バトルでの門の体力が上昇
- 再出撃速度UP:バトルでの神刀使いや式神の再出撃までの時間が短縮
- EXP獲得量UP:クエストをクリアした時に獲得できるEXPの量が増加
- 強化EXP効率UP:強化に必要なEXPの量が減少
- スタミナ上限UP:スタミナの上限が上昇
- スタミナ回復速度UP:スタミナの回復速度が上昇
アイドル営業は、いわゆる放置要素で、Flereに握手会やライブなどの仕事を指示して、決められた時間が経過すると、報酬がもらえるというもの。
京都各地で営業にいそしみ、アイドルとしてのレベルを上げていこう。
ちなみに、アイドルレベルが上がるほど、営業でアイテムを入手できる確率が上昇するとのことなので、これも味方の戦力強化、ひいてはクエストクリアにつながってくるのだ。
筆者は記事執筆時で第1章の21話まで進んでいるのだが、1章クリア後も第2章、3章と続くと思われるので、ボリュームもたっぷり。今後のアップデートにも期待したい。
ゲーム内イベントも近日公開とのことで、じっくりまったりと遊んでいけそうなのもグッド。
このあたりは、にゃんこ大戦争を生み出したポノスらしさと言えるだろう。
冒頭で紹介したとおり、伏見稲荷大社、平等院、京都タワー、福知山城、京都府庁旧本館、御霊神社、法観寺などなど、京都の名所の数々が登場するのが特徴なのだが、筆者はあまり京都に詳しくなく……、これを気に名所巡りにでも出かけたいところ。
それまでは、本作で京都の予習をしておきたいと思う。
- 使用した端末機種:Galaxy Note8
- OSのバージョン:Android 8.0.0
- プレイ時間:約5時間
- 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.3
(C)PONOS ⁄ 京刀のナユタ (C)Fushimi Inari Taisha, All Rights Reserved.