Tap Quest : Gate Keeper【ゲームレビュー】

『Tap Quest: Gate Keeper』は、タワーに封印された竜を復活させるために襲来するモンスターたちを、指1本で撃退していくアクション&ディフェンスゲーム。キャラクターの成長がゲームの面白みに直結するので、やり込めばやり込むほどハマってしまうタイトルに仕上がっている。

すぐできて、すぐ終わるのに、やり込み要素満点のディフェンスゲーム

昔、アメリカ人の友人がゴツイ携帯を使っていて、「やっぱりアメリカ人は堅牢な作りの方がいいんだね」と聞いたら、「いや、俺たちも日本製みたいな薄くて軽い携帯がほしいんだけど、こっちじゃ売ってないんだ」といっていた。日本の技術の発展は「短小軽薄」に向かうといわれるが、ゲーム機もテレビにつないで遊ぶ形から、小型のゲーム端末を外に持ち出す時代を経て、通信端末で遊ぶ時代へと変化を遂げて現在に至っている。

無論、過渡期であることも否めないのだが、面白いことに現在は据え置き型ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯電話端末でのゲームプレイという状況が並列して存在している。ライフスタイルに合わせて、それぞれに適したプレイスタイルが選べるともいえるだろう。さて、そんな中でスマートフォンにて遊ぶゲームアプリには、もちろん本格的で重厚長大なタイトルもあるのだが、短い時間で結果が出るようなタイトルの方が、より向いていると言えるだろう。そんな短時間決着型のゲームの1つが、本作『Tap Quest: Gate Keeper』なのだ。

空から降ってくる敵を左右のタップでひたすら倒していく、アクション型のディフェンスゲームだ

着実な進歩がゲームプレイを継続させる

プレイヤーは勇者になって、城に襲い来るモンスターを倒していく。モンスターたちが狙う、火竜の復活を阻止するのが目的だ。勇者はとても強いので、モンスターに攻撃されても傷1つ負わないが、城を攻め落とされてしまうと負けになる。

基本操作は、画面の左右をタップしてモンスターに勇者を当てるだけ。タップしないとモンスターを攻撃できないので、ひたすら右に左にタップし続けることになるが、無敵の勇者とはいえ敵は大量に登場するので、攻撃力が低いと押し切られてしまう。そこで、勇者の成長要素が重要なファクターとなるわけだ。

勇者のステータス画面。防具も装備できるが、基本的にはいずれも勇者の攻撃力アップのためのアイテムである

モンスターを倒すとコインが手に入り、これが勇者を成長させるためのキーアイテムとなる。勇者のレベルを上げるのも、城の防御力を上げるのも、何をするにもこのコインが必要なのである。

とにかくコインを集めて勇者を成長させれば、プレイはどんどん楽になる。コインを集めて勇者を成長させるという反復の要素と、左右にタップするだけというシンプルな操作により、1プレイの時間数は数分と短いながらも、気がつけば数時間がたっているというプレイへの集中を促している。

反復プレイという努力に対して、勇者が強化されていくという明確な結果が表れるので、とにかくやりがいがある。技術的な習熟ももちろんだが、努力と結果という明確な因果関係が、ゲームプレイのモチベーションとして非常に大きいのだ。

コインの使い道は、勇者の育成、オプション攻撃を行う妖精の育成、勇者の攻撃を補助するスキルの成長など、多岐にわたる

勇者の成長がすべての基本

最初は非力な勇者だが、プレイを続け、コインで成長させるうちに、さまざまな要素が開放されていく。10レベルが1つの区切りとなって、新スキルの開放であったり、妖精の開放であったりといろいろだが、これらにもコインによる育成の要素がある。

レベルを上げていけば、いずれもさらに強くなっていく。だが、スキルや妖精ばかりを強化していっても、新たな要素は開放されない。まずは勇者の成長をメインにして、ほかの成長を副次的に行うのがいいだろう。

経験値による自動成長でない分だけ、各要素の成長の方向性はプレイヤーの戦略に委ねられるている

アチーブメントと収集がやり込み要素を加速する!

コインによる成長だけでは、飽きがくるのもそう遠くないかもしれない。だが本作には、ランダムアイテムの要素も盛り込まれている。各マップでモンスターを倒していると、「遺物」というレアアイテムがドロップすることがある。この遺物自体も、勇者の攻撃力を上げたり、妖精の攻撃速度を上げたりと便利なアイテムなのだが、これを各マップで8つずつ集めるとボーナスが取得できる。

また、プレイ状況に合わせてトロフィーが設定されており、それぞれの条件を達成すればジェムを手に入れることができる。このジェムはいわゆる課金通貨の扱いであり、これを使用することでレアリティーの高い装備を引けるガチャを回すことができる。

トロフィー画面では、目標の確認のほかに現在のプレイ状況も確認できる。軽くプレイしていたつもりだったのだが、いつの間にか5,000回もタップして、3,000体もモンスターを倒していたらしい……

遺物の確認画面。ステージ1をけっこうやり込んだのだが、遺物は1つしか手に入っていない。かなりドロップ率が低いようだ

やり込み要素はまだまだある

基本的に、各ステージとも10ウェーブの敵を撃退し、最後のボスを倒すことでクリアになる。そしてステージ5の終了後に、無限に敵がわき続ける「インフィニティモード」が開放される。残念ながら、今のところそこまではたどり着いていないが、自己記録を更新し続けるのもまた楽しい。

ドットで描かれたキャラクターやレトロなサウンドも、シンプルなゲーム性と相まって雰囲気を盛り上げてくれる。難しいことを考えず、ひたすらシンプルなゲームをプレイしたいというユーザーには、これ以上はないタイトルだと言えるだろう。

ステージごとにテーマががらりと変わる。これらのステージを見ているだけでもかなり楽しい!

余談だが、今回のレビューで思いのほか先に進めなかったのは、序盤のプレイで飛ばし過ぎ、左親指の付け根を腱鞘炎で痛めたから……。プレイされる皆さんも、やり過ぎにはご注意を。

  • 使用した端末機種:iPhone 6 Plus
  • OSのバージョン:iOS 9.1
  • プレイ時間:約4時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:3.0
  • 課金総額:0円

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