スター・ウォーズ/銀河の英雄【ゲームレビュー】

ルークやハン・ソロ、ダース・ベイダーなど、『スター・ウォーズ』シリーズに登場する多数のキャラクターを集めて戦うRPG『スター・ウォーズ/銀河の英雄(Star Wars: Galaxy of Heroes)』がエレクトロニック・アーツからリリースされた。プレイヤーはライトサイドとダークサイドのチームを編成し、惑星ホスやタトウィーン、ベスピンといったおなじみのロケーションでバトルを繰り広げることになる。

時代を超えてスター・ウォーズのヒーローが集結! 自分だけの最強チームを作り上げろ

今年は、『スター・ウォーズ』の劇場版最新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の世界同時公開が控えているスペシャルイヤー。周囲がそわそわしている感じが、「ああ、ついに来たんだな」という実感につながっている。『007』などの長寿映画シリーズの新作公開もあったが、やはり『スター・ウォーズ』の醸し出す雰囲気はちょっと独特である。TVCMなどでジョン・ウィリアムズのメインテーマが流れると、体のあちこちがムズムズし始めるのはもはや刷り込みなんのだろうと苦笑してしまう。

今さら説明するまでもないが、正義の騎士ジェダイと銀河支配をもくろむ銀河帝国、その裏で暗躍する暗黒騎士シスの抗争を描く一大叙事詩が『スター・ウォーズ』のアウトラインだが、長いシリーズなだけに登場人物も膨大な数にのぼる。これらの人物たちを集めて、自分だけのパーティを組もうというのが本作『スター・ウォーズ/銀河の英雄』だ。文字にすると陳腐な気もするが、このワクワク感はハンパない!

ゲームのホーム画面。各要素はプレイヤーレベルに応じて少しずつ開放されていく。かなり高レベルを要求されるものもあり、やり込み要素は満点だ

開放要素の1つとなっている「チャレンジ」。プレイヤーレベルが上がるほど、さまざまなことが効率よく行えるようになる

ライトサイドとダークサイド、それぞれでパーティーを編成

本作はパーティー構築型のRPGなのだが、そこには最低限の決まりがあって、ジェダイナイトや共和国陣営、帝国支配に反抗する反乱軍が属するライトサイドと、シスや帝国軍が属するダークサイドでは、いっしょにパーティーを組むことができない。日本人の感覚なら、別にジェダイとシスでパーティーが組めてもいいんじゃないかと思うところだが、宗教観に基づく善悪が明確な欧米では。どうもここら辺は譲れないようだ。

それでも、同属性であれば1つのパーティーでプレイできるので、「帝国軍でパーティーを組んでジェダイを皆殺しじゃ!」という方にも、もちろん対応している。登場するのはエピソード1からエピソード6までと、その間を埋めるスピンオフ作品の人物。時代に関わらず、同じ陣営であればパーティーを組める。

つまり、ルーク・スカイウォーカーはエピソード的にはほとんどのジェダイナイトと出会ったことがないのだが、ゲームの中ではパーティーを組むことができる。また、ダース・ベイダーことアナキン・スカイウォーカーは当初はジェダイだったが、途中でシスの暗黒面に転落する。それゆえに、ライトサイドのジェダイナイト・アナキンと、ダース・ベイダーが同時に存在していることになる。

ただし、ケノービ将軍はオビワンではなく、エピソード4に登場した年老いたベン・ケノービのみである。キャラクター登場のルールは、物語で描かれる時代的に最新のものばかりでもないようだが、アナキンのような例外を除けば同じキャラクターが2名登場することはないようだ。

使用できるキャラクターは、それぞれに設定された「シャード」というアイテムで開放される。キャラクターのポテンシャルが高いほど、多くのシャードを必要とする

パーティー編成の仕組みは一般的なRPGに準拠

各キャラクターには3つのカテゴリーが設定されており、敵の攻撃を受ける壁役のタンク、攻撃力の高いアタッカー、回復役のヒーラー、支援役のサポートなどといった役割分担と、ジェダイ、シス、反乱軍などの所属の振り分け、そして人間やジャワといった種族が設定されている。

序盤は、役割分担をバランスよく編成したほうが進むのが楽になる。また中盤以降では、役割のカテゴリー以外に、所属や種族を考慮することでパーティーの強さが変わってくる。さらに、キャラクターごとに攻撃の特性も異なっているので、単純な数値の大小だけではパーティーの強さは計れない。最強パーティーを組むには、こういった要素をすべて考慮することが必要なのである。

ジャワのステータス画面。ほかにジャワのキャラクターがいると連携できることがわかる

タンクカテゴリーのチューバッカ。スキルの「ウーキーレイジ」は、敵の攻撃を自分に集中させる効果がある。レベルを上げてやれば、かなり優秀な壁役になってくれるだろう

舞台となるのは、おなじみのロケーション

本作の世界設定は、『スター・ウォーズ』世界のホロゲームというもの。ゲームの中でゲームをプレイするという少々メタな感じの設定なのだが、それゆえにストーリーは存在しない。またホロゲームであるからこそ、時代を超越してキャラクターを1つのパーティーに編成できるのである。

ゲームの醍醐味としては、ある程度キャラクターが集まって来れば対人戦がメインコンテンツとなっていくのだろうが、序盤はホロゲーム内でアイテムやキャラクターを集める必要がある。戦いの舞台となるステージは、『スター・ウォーズ』サーガの始まりの地である「タトゥーイン」や、雪と氷の惑星「ホス」といったものから、「スター・デストロイヤー」、はたまた「デス・スター」と、ファンにはおなじみの場所ばかり。それぞれの場所に行くたびに、そこにまつわるストーリーや、作品を見た当時を思い出すという楽しみがあるのもうれしい。

「デス・スター」にいきなり乗り込んで白兵戦を行うというのは、ストーリー的には許容できない。しかし、ゲームの中ならアリだろう。登場する敵も原作に準拠しているので、雰囲気は抜群である

まだまだ登場していないキャラクターも

現在のところ、ライトサイドとダークサイドを合わせて65名のキャラクターが登場するが、『スター・ウォーズ』の登場人物はもちろんこんなに少ないわけではない。というか、マスター・ヨーダやC3PO、R2D2といった大事なキャラクターがまだ出ていなかったりもする。これは今後、随時増えていくと考えるのが妥当だろう。

時期的な盛り上がりも最高潮に向かおうという今、それぞれのエピソードの記憶を思い出すのにも最適な作品と言えるだろう。

タイトル画面では姿が見えるのに、ゲームには登場しないマスター・ヨーダ。登場の際には、どれだけ強いキャラクターになるのか楽しみである

  • 使用した端末機種:iPhone 6 Plus
  • OSのバージョン:iOS 9.1
  • プレイ時間:約4時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:0.2.10
  • 課金総額:0円

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