パズルワンダーランド【ゲームレビュー】

「回す」&「つなぐ」、そして仲間同士を「チェイン」させることで連鎖を生む新機軸のパズルシステムを採用した『パズルワンダーランド』。最大4人での同時プレイによる「共闘」が特徴となっており、リアルタイムでコミュニケーションを楽しみながらプレイすることができる。キャラクターのジョブは70種類以上。さまざまな装備品を強化して最強のパーティーを育成しよう。

最新スマホゲームの中にアーケードゲームの面影を見た

最近のパズルゲームのトレンドは、アーケードが全盛だったころの反射型から、時間をかけて楽しむ思考型へと変化してきている。家庭用ゲーム機が普及したころからその兆候が現われていたものの、アーケードという市場が今より隆盛だったころは、プレイ時間の制限から反射という要素を捨て去ることができなかったために、どちらも並び立っていた。

しかし現在では、ゲームは腰を据えて遊ぶよりもっとカジュアルな遊び方が主流となり、反射型のように短時間に集中してプレイするというよりは、空いた時間にもう少し肩の力を抜いて遊ぶことがユーザーに好まれているようだ。

それゆえに、落ちものパズルに代表されるような色、あるいは柄をそろえるパズルも、ステージの状況に瞬時に対応する反射型から、能動的にこれらをそろえる思考型のタイトルが多くリリースされている。そういった中で、本作『パズルワンダーランド』には時間制限があり、フィールド対してアクションを起こしてピースの柄をそろえつつも、さらにその柄をなぞるという能動性が加わることで、両者のハイブリッドといえるだろう。そのため、これまでにない新機軸のゲームシステムに仕上がっており、随分とモダンな印象を受ける。

手軽な操作で爽快なプレイ感覚という点はいうまでもないが、シンプルにデザイン化されたインターフェイスも機能的でわかりやすいという点で大きな役割を担っている

なぞってつなげると強くなる

本作のフィールドには赤、青、黄の3種類のマナのピースが配置されており、キャラクターの乗ったマナと同じ色をたどってほかのキャラクターまでつなぐというのが基本の手順。つながれたキャラクターは、今度は自分の色のマナをたどってほかのキャラクターにつないでいく。これを繰り返すことでプレイヤーの攻撃力が高くなる。

キャラクターが踏んだマナの数は攻撃力のベースとなり、つないだキャラクターの人数はそのベースの数値に対する係数となる。つまり、多くのマナを踏み、多くのキャラクターをつなげば、それだけ高い攻撃力で敵にアタックできるというわけだ。

踏むだけ、あるいはつなぐだけのどちらかだけでは、満足な攻撃力が得られない。さらにフィールドに降り立つキャラクターは自分のパーティーキャラクター3名+助っ人1名であり、主人公キャラクターがオールマイティーに進める代わりに、ほかのキャラクターたちは自分のマナの色を持っている。つなぐ順番に制限はないが、うまくつながないと途中で行き止まりになってしまい、それ以上は攻撃力を加算できなくなる。何とも悩ましいところだ。

ステージ開始時は、最初に動かせるキャラクターはオールマイティーなマナの上に立っており、3色いずれのマナにもつなげられる。しかし、そこからは最初に踏んだマナの色に合わせて進まねばならず、以降はそのマナが自分の色になる

ゲーム開始時のフィールドに置かれたマナはランダムであり、無条件で仲間につなげられるようになっているわけではない。操作キャラクターは自分のいる場所をタップすることで、自分を中心に周囲のマナを回転させることができ、これによって道を作っていくという仕組みだ。

フィールドに散らばるマナは、攻撃しても消費されるわけではない。うまくマナを選んでいかないと、この画面のようにキャラクターのマナが同色ばかりになり、手が進まなくなってしまう

3つのタイプと多彩なジョブが戦局を変える

ゲーム開始時には3名しかいないキャラクターも、ガチャを引くことで増やしていける。また、各キャラクターにはツリー形式のジョブ進化があり、それぞれのジョブツリーを成長させることでステータスが強化される。選択できるジョブは各キャラクターに対して固有であり、ジョブによる特性も異なっているので、複数のキャラの組み合わせによって敵に対する有利不利も生まれてくる。

ここら辺の戦略性の高さは、本作の思考型パズルとしての面白さに一役買っている。またジョブはそれぞれ、下位ジョブをレベル上限まで育成するか、ガチャで引くことで使えるようになる。ツリーには階層があり、基本職である星1から星5までの5段階。上位になるほどレベル上限が上がり、その分だけ強くなっていくのだ。

ジョブを最高レベルまで上げるとマスターとなる。ジョブをマスターにすることで、常時パラメータアップと特別装備品が手に入るという特典が受けられる。ジョブはなるべくマスターまで育てよう

主人公の星4ジョブである「竜騎士」と「光騎士」。同レアリティーだが性能が異なる。敵が強いと感じるなら、ジョブを変えてみるのも1つの手だ

さらにキャラクターには、アタッカー、シューター、マジシャンの3つのタイプがある。敵にはそれぞれ、これらのタイプに対する耐性と弱点というパラメータが設定されているので、パーティー編成によっては難易度そのものが変わる。これらのタイプはジョブと違い、キャラクターごとに固定となっており、任意で変更することができない。先に進むためには、なるべく多くのキャラクターとジョブをまんべんなく育成していく必要があるだろう。

キャラクターアイコンの左上にあるマークが、それぞれのタイプを表している。初めて進むステージなどは、3種のタイプを偏らずにパーティーに加えておいた方が無難だ

難易度は抑えめで間口が広い

色や柄をそろえるパズルゲームは、色の数や柄の数が1種類増えるごとに難易度が乗数的に上がっていく。その点、本作は3色だけと識別しやすく、初心者にとって遊びやすい。ジョブやタイプといった要素もあるが、好きなキャラクターで好きなように遊んでいても、そこそこまでは進んでいける。ここら辺のさじ加減はやさしめに振られていて、ユーザーフレンドリーなのが好印象だった。

システム的にはかつてのアーケードゲームを思い出させる点もあり、本作ならではのオリジナリティーもしっかり確立されている。スマホゲームをメインで遊んでいる若いユーザーはもちろん、かつてアーケードに通った往年のゲームファンが久しぶりに遊んでみる最新のゲームとして、絶好のタイトルといえるだろう。

  • 使用した端末機種:iPhone 6 Plus
  • OSのバージョン:iOS 9.2
  • プレイ時間:約5時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.0
  • 課金総額:0円

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