アニメとの連動企画によるアプリ業界への影響
主人公は、記憶を失ってしまった青年。常人では倒せない混沌の軍勢(ケイオス)を滅ぼすことができる能力を持っており、たまたま出会った大ネズミとのハーフである女の子「イズミ」や多くの仲間と共に、世界を救う冒険に出ることになる。
本作は、TVアニメ『ケイオスドラゴン 赤竜戦役』との連動企画を行っている。2015年7月2日にアニメ放送とAndroid版ゲームリリースを同時に開始すると言う大規模なメディアミックスが行われ、アニメキャラクターの防具をゲーム内で獲得できるキャンペーンが実施されてた。
これまで、スマホ向けのゲームとアニメのコラボはさまざまな形式で見られたが、アニメと同時にリリースすると言った連動企画はなかったように思う。この企画の結果によっては、これからのスマホゲーム業界に革命をもたらすかもしれない。
まるで戦場のような緊張感を楽しめるバトル
本作のバトルはタワーディフェンス形式になっており、プレイヤーはパーティキャラを操作して、画面左から次々と現れる敵の全滅を目指す。ジワジワと迫る敵群に対して、どのキャラで攻撃するのかすばやく判断する必要があるので、直感的に対処する反応力が必要となる。
勝敗を決定付ける装備の重要さ
バトルを有利に進めるためには、「編成」でパーティキャラに武器や防具を装備させておく必要がある。各キャラの強さは、この装備によって決まると言ってもいい。
キャラごとに設定されているHP、ATK、DEFのステータスは装備品でさらに強化できる。そのため、バトル中に獲得できるドロップや、ガチャで強力な武器を入手したら、すぐにパーティキャラに持たせることが本作では基本となる。
ゲームシステムの成否が問われる
本作における課金システムは、バトルの難易度を大きく変えてしまうほど力を持っている。
前述したキャラの装備に必要な総コストは、「レンタルポーチ」と呼ばれる課金アイテムで20日間だけ増やすことが可能となっているため、装備の強さがキャラの強さに直結する本作では、ストーリーを進める上でこの機能が重要となる。
しかし、課金ガチャで引いた強力な装備をキャラに装備させるため、さらに課金しなければならないサイクルができている。この点は敷居が高いと感じるので、ライトユーザーがいるかもしれない。
セガのキャラの魅せ方
セガのタワーディフェンスゲームと言えば、真っ先にチェインクロニクル(以下、チェンクロ)が思い浮かぶ。200人以上のキャラ(ゲーム内呼称はアルカナ)が織りなす奥深いストーリーが人気を呼び、2015年7月現在、500万ダウンロードを達成しているビッグタイトルだ。アルカナ1人1人に用意されたキャラクタークエストが作り込みの深さを表しているチェンクロだが、本作ではキャラ単一ではなく、他のキャラとの関係が分かる「相関図」が目玉となっている。
キャラ1人に絞ったストーリーだけではなく、キャラどうしの関係性を確認できることで、深く広くキャラ性を楽しめるようになった。これはチェンクロが編み出したキャラを際立たせるノウハウを活かしつつ、本作が独自の進化を遂げたといえるだろう。
今後の期待と改善点
まだリリースされて日が浅いゲームだけに、バランス調整の甘さが目立つ部分もある。中でも難易度設定がピーキーになっており、チュートリアルを終えたばかりの序盤にも関わらず、敵がかなり強く感じた。その上、キャラを育成できるようなクエストも用意されていないので、救済要素がない。初心者離れを防ぐためにも、難易度の調整は早急に改善してもらいたい。
とは言え、まだまだ改良の余地があり、7月現在、iOS版の事前登録もスタートしているので、本格的に配信が始まればさらに人気を増すことだろう。アニメと共に盛り上がりを見せている『ケイオスドラゴン 混沌戦争』。今が旬なRPGを見逃す手はない。
- 使用した端末機種:XPERIA Z
- OSのバージョン:Android 4.4.2
- プレイ時間:約3時間
- 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.3
- 課金総額:0円
(c)SEGA (c)STAR SEAS COMPANY