今回はクラスター、GORUCK、Flash Shardsの3種目
早いもので、イベントが終了してすでに1週間(原稿執筆時)。すでにあちこちでSITREP(Situation Report)と呼ばれるレポートが上がっており、拝見するたびにあの日を反すうしております。参加者の数だけドラマがあって、ほんとうに面白いですね。
みなさんはどんな形で参加されましたか? 私はプレスではなく完全に個人として、地元の仲間とともにクラスター戦に参加してきました。今回もAXAシールドがサクサクふっとんでましたよ~!
今回のアノマリーは3種目用意され、盛りだくさんというイメージでした。
事前に発表されたルールでは、計測時間に保有するポータル、リンク、CFの数を競うクラスター戦に加え、沖縄に続いて今回もGORUCK(ゴーラック)と呼ばれるミリタリー系のマッチョなトレーニングゲーム開催。
STEALTH OPS(ステルス)と呼ばれる深夜の部と、URBAN OPS(アーバン)という昼の部があり、それぞれの勝利チームにはゲームに関する秘密情報という報酬が与えられるということに。
さらに、クラスター戦が行われるエリアの外側では、「Flash Shards(フラッシュシャード。以下、FSh) 」というゲームも開催。ポータル上に「シャード」呼ばれる破片が現れるので、リンクでつないで自陣のターゲットポータルにゴールさせるというもの。リンクを使った玉入れ合戦みたいなものをイメージすればいいかもしれません。
ただし、こちらは計測時間があるわけではないので、長時間にわたって激しい戦いが繰り広げられます。
これらクラスター戦、GORUCK、FShの3種目をエンライテンドとレジスタンスで争うわけです。しかも、アノマリーの定番のようになっていたBAF(巨大なCFのこと)は加点なしに。これは采配が問われそう。さらに、前よりも消耗の激しい戦いになりそう・・・・・・。
結果はエンライテンドの圧勝となりましたが、私がいた現場は予想したどおりの激闘となりました。
チームワッペンで気を引き締める!
私が正式に参加を決めたのは、イベントの約3週間前。あわてて駅前のホテルをおさえて、参加申請。すでに地元のメンバーが参加することになっていたチームに合流させてもらいました。
前回の仙台もそうだったんですが、ギリギリにエントリーするものだから、準備が大変! 特に、今回合流させていただいたのが、知る人ぞ知る濃厚なチームだったので、その時点から緊張しまくり。
しかも、AXAシールドがはがれやすくなってるとか、US8がパワーアップしているといったうわさがありつつ(US8ってあまり取得できないアイテムなんですよね)、沖縄のアノマリーの結果も踏まえ「今回は苦戦を強いられるだろう」「いつも以上の“激しい殴り合い”になるだろう」と予想されていたのです。
とはいえ、自分は特に戦術があるわけでもないただの一兵卒。インベントリをギリギリまでアイテムでいっぱいにして、目の前のポータルに集中するのみです。
直前に、知人AGと仲間たちよって非常に完成度が高く、かつかわいらしいチームワッペンが完成。それを自分の鞄につけた瞬間、メンバーとして恥ずかしくないよう、できる限りのことはしなくちゃと思えました。
初めての浜松の味は「さわやか」でした
イベント前日の午後、新幹線で浜松入り。実はこれがほぼ初めての浜松。そのままホテルにチェックインして仕事しようと思っていたんですが、同じチームの知人AGも直後に浜松入りすると聞いて、ウワサのファミレス「さわやか」にいくことに。
ここのげんこつハンバーグが大変おいしいとのことで、気になっていたのです。
ホテルから徒歩で向かっていると、前方に自陣カラーのポータルが。見るとオーナーが地元のAGで大笑い。その先も、またその先も彼がオーナー。その痕跡は、まるでヘンゼルとグレーテルのパン屑のように「さわやか」まで続いておりました(笑)
ジュージュー湯気を立てるハンバーグステーキを堪能したあとは、 浜松市市民協働センターで事前受付を済ませました。かなり並んでいると聞いていましたが、自分が着いたころには列もなく、並ばずにチェックインを済ませることができました。
当日朝の列の長さを考えると、前日にチェックインしたのは大正解でした。
そこでも知った顔が何名も。浜松まで来てるというのに、なぜか視界に飛び込んでくるのはよく見る顔ばかり(笑)、不思議なものですね。
その後自分が担当するポータルの場所を確認。ホテルに戻り、明け方近くまで仕事をしておりました。
そこでふと気づいたのです。愛用する活動量計「Fitbit Charge HR」と「Jawbone UP3」のバッテリーが切れかけていたことに。
本コーナーで活動量計の心拍センサー面白いよ~なんて煽っていたワタクシ。今回も心拍数を記録しようと考え、タイミングよく発売されたFitbit Charge HRの新色(緑色)まで入手していたのに、なんと出発までにフル充電を忘れており、しかも専用USB充電ケーブルを自宅に忘れるという大失態! 完全にウェアラブルあるある状態です。
すでにUP3はバッテリー切れで無反応。Fitbit Charge HRは充電を促すアイコンを表示しまくり。果たして計測開始まで持ってくれるのか・・・・・・。
初戦からボラタイルを巡って激しい取り合いを展開
雨が降るかもしれないといわれた27日ですが、迎えてみれば過ごしやすい日になりました。
サテライトなのでオープニングセレモニーもアフターパーティーもなし。事前受付も済ませていたので、いきなり戦いです。
浜松を4つに区切って順次行われるので、移動しては戦い、また次の戦地に移動しては戦うという1日でした。
初回は14:00から10分間が計測時間。クラスター1とか、メジャーメント1といわれます。15:00からの10分間が2回目の計測時間。16:00から10分間が3回目、17:00から10分間が最後の計測時間となります。
計測といいますが、保有時間の比率を競うのではありません。10分間のどこかでチェックされ、そのときどちらの陣営が保有していたかで勝負が決まるんです。
特に、ボラタイル・ポータルといわれる特別なポータルは、他のポータルよりも高い得点が得られる仕組みになっています(他にもリンクやCFでの加点もいろいろありますが)。
お昼ごろにチームに合流し、食事をとったらいよいよ現場入りです。そこは小山の上にあるような広場。 現地に行ってみるとすでに敵AGさんらがけっこういるではないですか。
「どちらからですか」と聞かれて「東京から来ました」と答えるワタクシ。きゃー話しかけられた!(笑) しかも、気配としては敵陣カラースタート。ちょっと不利な展開です。
こちらが初戦のポータル。このときはまだ緑ですが、直前にどんどん青に反転されていきました
公式戦は2度目ですが、取りに行くのは初めてでした。しかも、ゲットすると配点が高いボラタイル・ポータル! 自分1人ではないと知ってはいるものの、計測開始時間が近づくにつれてドキドキが高まりました。現地入りしてからずっと緊張状態で、気がついたら1枚も写真を撮っていませんでした……(汗)。
戦いは計測開始10分前からスタート。これがもうすごいのなんの! 取って取られての繰り返しで、あまりの激しさに計測開始後5分には私の心拍数はMAXに!
バッテリー切れ寸前だったFitbit Charge HRは2回戦目まではなんとか持ちこたえてくれまして、その瞬間をしっかり記録してくれました。計測中の写真はないのでその緊迫ぶりを心拍数でお届けします。
心拍数163ってどういうことですか。初めてじゃないのに、どんだけビビリなんでしょうか(苦笑)。
しかもあんまり緊張したので、指が滑ってAXAを入れるつもりで直前に出ていたCommon Heat Sinkを入れる始末……。ああなんてことしたのアタシったら! ってすぐ吹っ飛んでしまうんですけど、恥ずかしいったらありゃしない(ちなみに、仙台でも緊張しすぎて、最初に入れたのがLink Ampでした。開始直前のインベントリの整理は大事ですね……)。
手を休めている時間などみじんもありません。もちろん、計測中のみんなの様子を撮ってる暇もありません(苦笑)。ひたすらスキャナを操作し続けます。
画面を切り替えていると、仲間のレゾやシールドが目に入ってきて、みんなも必死に戦っていることがわかります。「落ち着け。落ち着け。みんながいるんだから!」深呼吸しながら操作し続けました。
激しすぎて初戦から自分が白ポ化しそうに
紙のように吹き飛ぶAXAシールド、瞬時に減衰するレゾネーター。さきほどあった仲間のAXAが次の瞬間にはもうありません。自分もどんどん突っ込んでいきます。
イヤホンからブワッというAXAがインストールされる音が聞こえます。「大丈夫……大丈夫…ちゃんと仕事はできてるから」自分にいい聞かせながら戦います。
白化したポータルにすかさずレゾネーターを挿しますが、ほんの一瞬色が変わるものの、挿した先から消えていきます「くそっ、取られたか!」と思った瞬間、ぶわーっと自陣のレゾが広がりはじめました。
攻撃から防衛に転じる瞬間のそれはとてもいびつでしたが、まるでスキャナの中に咲いた小さな花のよう。「よし来た来た! いいぞいいぞ!」と心の中でガッツポーズ。自分がキャプチャしたわけではなくても、めちゃめちゃうれしい! この感動はアノマリーのクラスター戦ならではでしょう。
でも、その花の上に容赦なくウルトラストライクやバースターが打ち込まれます。敵陣からは「白いよ白いよ~」「取れてる取れてる~」「モッドモッド~!」という声が響きますが、こちらはみんな無言です。
IntelMapで見れば1つの点でしかなかったかもしれませんが、それを死守するために両者全力でした。
フルに20分は戦ったでしょうか。計測時間終了の合図を聞いた瞬間、ポータルが自陣カラーになっているのを確認して、安堵のあまり腰が抜けるかと思いました。1日分のエネルギーを全部使ってしまったかと思えるほど。
聞けば、アイテムも気力も初戦でかなり消費してしまったという方が多かったみたいですね。
シャードのように、AGたちも浜松市内を大移動
でも、このままのんびりしてはいられません。次の計測時間までの残りは40分ほど。その間に次の担当エリアまで移動しなくてはなりません。
次はとても徒歩では間に合わない場所だったので、手配していたタクシーに乗り込んで移動です。
タクシーの運転手さんはみなさまとても気さくで、いい方たちばかりでした。その日はもう朝から我々のような人たちを乗せて走り回っていたようです。ちょっとした特需にうれしそうでもありました。
2戦目は本来の持ち場がAG過剰ぎみだったため、激戦地と化していたポータルの応援へ。白化する瞬間が何度もあったものの、ほとんどキープできず。バースターを打ってもグルグルしているだけでまったく攻撃できない時間がけっこうあった気がします。
条件としてはお互い様なんですが、とにかく反応が重くて泣きました。
3戦目は担当ポータルがほぼ無風化したので、終了間際に近くのボラタイルまで応援に。残り1分くらいのところで取り返すも、結果的に計測タイミングには間に合わず。ちょっと落ち込みましたが、移動中にスキャナを再起動すると、それまでの結果が通知されてきました。
その時点で16個のうち14個をゴールさせるというFShの活躍に、大いに湧きました。すごいですね!
最後の4戦目は、ボラタイルを挟んで両陣営が向かい合う形に。FShを戦い終えたメンバーも合流し、合わせて50名以上はいたでしょうか。声が飛び交い、激戦の中にも笑いが起こる楽しい戦いとなりました。
無事、4戦を終えたあとは、打ち上げ会場に移動です。ニコ生中継でたくましい須賀さんから「勝ったのはエンライテンド」という発表を聞いた瞬間、会場は割れんばかりの歓声に包まれました。
勝てたことは当然うれしかったのですが、大きなトラブルもなくやり遂げられたよろこびも大きかったですね。
そして、自陣のチームリーダーをはじめとして、これだけの規模のイベントを支えてくださった方々がいるという事実に胸が熱くなりました。Ingressはスキャナの外にも大きく広がっているのだなと感じられたのでした。
(つづく)
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