PLATINUM TRAIN【ゲームレビュー】

本作は、JR西日本で走っている実在の電車が多数登場するスゴロク型ボードゲーム。新米運転士となって、伝説の運転士となるべくスゴロクバトルをしていくのだが、非常に戦略性が高くなっている。

かわいい見た目とは裏腹に戦略が必要な鉄道スゴロクバトル

実在の電車や新幹線が多数登場し、好きなようにデッキを組んで楽しむゲーム……こう書くと、いわゆる鉄道マニア向けのタイトルと思われるかもしれないが、本作はそうではない。

スゴロク型の対戦ゲーム部分が非常に作り込まれており、高い戦略性と知識が求められる。また、キャラクターやオブジェクトのデザインはかわいらしく、幅広い人に受け入れられる印象だ。

単なるマニア向けタイトルでは終わらない、高いゲーム性を秘めている本作の魅力を紹介していこう。

プレイヤーは新米運転士として「プラチナ・トレイン」に入社してきたという設定。こちらの「はるか」がナビゲーター役を務める

バトルはスゴロク形式になっていて、JR西日本の鉄道エリアで対戦する。伝説の運転士を目指して、たくさんバトルをこなしていこう

コレクター心を揺さぶる電車と新幹線

本作は「JR西日本エリア版」となっていて、大阪や京都、広島などJR西日本の鉄道が走っているエリアの電車や新幹線、駅が多数登場する。

電車と新幹線はカードになっていて、「発券機」(いわゆるガチャ)を回すことで入手できる。新幹線が最もレア度が高く、次いで特級、その下に快速、普通といった設定だ。

電車はバトル中に使うと、それぞれが始発としている駅にワープすることができ、コレクションアイテムとしてだけでなく、戦略的にも重要だ。

券売機から、乗車券という形で電車を入手。こちらの「221系 大和路快速」は使用すると天王寺駅へワープできる

バトル中に使う電車は、「車両編成」で5本までデッキに組み込むことができる。バトルのエリアに合わせて、アクセスがいい駅にワープできる電車を使おう

効率を考えたルート構築がカギを握るスゴロクバトル

本作のバトルは、一見すると非常にシンプルなスゴロク形式。ルーレットを回して電車を進め、指定されたターン内に目的地を目指し、ポイントを集めていくというもの。

しかし、ステージによっては目的地が複数あり、どのように通過していけばスムーズか、効率的なルート構築が求められる。

加えて、路線の踏破や最終目的地ボーナスなどもあるので、取れる戦術は実に多彩だ。

目的地

各ステージに設けられているチェックポイント。基本的にはここを目指して電車を進めていくことになる。ステージ全体を見渡し、最も早く回れるルートを取っていこう。

また、ステージによっては終盤のターンに「最終目的地」が出現する場合がある。ここを1位で通過するとポイントが多くもらえるので、かなり重要だ。

目的地まではあと何マスかが表示されるので、この数字を参考にルートを構築していくといい。数字の少ないところから順番に通過していくのが効率的

バトル終盤に出現する最終目的地は、最初に到達すれば30ポイントももらえるので一発逆転のチャンスがある

青色のマス

電車を使うための電力を回復してくれる。ステージによっては、快速や特急を使うことで一気にマスを進めるため、電力が不足しがち。

そんなときは、青色のマスで電力を補給していく。

新幹線は20、それ以外の電車は10の電力を消費。いざというときに使えないと困るので、電力は節約しつつ青いマスも活用していこう

黄色のマス

プレイヤーにとって、有益なイベントが起きるマス。電力が回復したり、おまけで移動可能になったりと、効果はさまざま。

まれに電力が回復するが1回休み、のような複合効果が出ることもある。

効果はランダムなので大きな期待はできないが、助けられることも多い。白いマスに止待ってしまう状況なら、移動距離を減らして黄色のマスに止まるのもありだ

紫色のマス

他のプレイヤーを1回休みにする、手持ちの電車カードを使えなくするなど、誰かに対して妨害イベントを発生させるマス。

他のマスよりもバトルへの影響が大きく、ポイントで負けている状況でも一発逆転の可能性がある。

総ターンが短いので、1回休みの効果はかなり大きい。中には他のプレイヤー全員を1回休みにする効果もあり、紫色のマスはなかなか強烈

赤色のマス

チュートリアルには出てこないマス。効果が完全にランダムになっていて、たいていは自分にマイナスのイベントが起きる。

まれに他のプレイヤーを攻撃する効果も出るが、基本的には避けた方が無難だろう。

せっかく集めたスコアを奪われてしまったシーン。他のプレイヤーに振り分けられるので、トータルでいえばかなりの痛手になってしまう

路線

線路にはそれぞれ「路線」が設定されていて、その範囲を踏破することでポイントがもらえる。余裕があればぜひ狙っていきたいところだが、ターン数的に厳しいことが多数。

目的に行くついでに踏破できたらしておく、程度でじゅうぶんだろう。

例えば、こちらの「学研都市線」では、始発の木津から終着の京橋まで行けば踏破となる。路線はどこまでが範囲なのかわかりにくいところもあるので、上級者向けだ

ワープを活用しよう

普通にルーレットを回して進めていると、CPUにすら勝つのが難しい本作。1人用のチャレンジミッションも手応え満点だ。

スムーズに勝ち進むためには、電車を使ったワープの活用は必須だ。具体的な使用例を紹介しよう。

そのまま進むと、目的地の西九条まで14マスもあり2ターンかけても着けない状況。天王寺からならだいぶ近くなる

221系 大和路快速を使い、天王寺へワープ。そこからルーレットで6を引き、1ターンで目的地へと到達できた。このように、ワープを活用すれば移動が一気に効率化できる

関東版も待ち遠しくなる良作

筆者は関東在住なので、関西方面の駅はほとんどわからないのだが、それでも本作の高い戦略性によりかなりゲームを楽しむことができた。

この駅にはあそこからが近い、などプレイするには実際の土地勘が重要になるので、なじみの深い地域である関東版もぜひプレイしてみたい。

気の早い話ではあるが、関東版、ひいては全国版がリリースされたら、一気に盛り上がりそうな予感もある。

リリース直後の現在、マルチプレイができないなど不具合も出てしまっているが、この戦略性で対戦ができたら非常に熱い。今後に大いに期待できる1本だ。

  • 使用した端末機種:SO-02G(Xperia Z3 Compact)
  • OSのバージョン:Android 5.0.2
  • プレイ時間:約5時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.0

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