本当にターンテーブルやプラレールで孵化できるのか?
ポケストップで入手できるタマゴは、「ふかそうち」にセットしてから、タマゴごとに設定された距離を歩く必要がある。
これは、車など乗り物で高速移動した場合、歩いたと認識されず距離がまったく加算されない仕様になっているためだ。
孵化までにかかる歩行距離は、2km、5km、10kmの3種類がある。10kmタマゴからは、カビゴンやラプラスなど、レアで強力なポケモンが手に入るといわれている。
自動孵化vs歩行孵化
今回は下記の3つの方法でタマゴを孵化するために必要な時間を検証する。
ターンテーブル
フィギュアやプラモデルなどを飾るディスプレイ用の台座やレコードプレーヤーのターンテーブル上に端末を置いて回す方法。
スマホの向きが目まぐるしくかわることで、実際に動いているように誤認させて距離を稼ぐ。今回の検証ではレコードプレーヤー「ION Archive LP」を使用した。
プラレール
タカラトミーが発売している電車のおもちゃ「プラレール」の電車の荷台にスマホを載せて走らせる方法。
今回の検証では、1周約5mの細長いレイアウトを組んだ。車両は貨物列車「DF200 レッドベア」にスマホを牽引させる。
編集部内のコピー機の前のスペースにプラレールのコースを敷設。できる限り距離を稼げるように細長いコースを組んでみた
徒歩
実際に、外でポケモンを探しながら10kmをひたすら歩いてもらう。ポケモン攻略班でちょうど10kmのタマゴをゲットしたスタッフに実際に歩いてもらった。
自動で孵化させる方法の比較対象として、徒歩での時間も計測。ある意味、今回の検証で最も過酷なミッション
検証条件は以下のとおり。
- 日時:2016年7月29日12:00~17:00
- ルール:スタートの合図と同時に10kmのタマゴを「ふかそうち」にセットして、それぞれの方法で移動開始。タマゴが孵化するまでの時間を測定する。
自動で孵化する方法のスピードのほか、手軽さなどもチェックしていきたい。
検証ドキュメント
今回の検証での最も心配だったのは、ターンテーブルもプラレールも動きが小さすぎて、移動として認識されないのではないかという点。
しかし、およそ15分経過した段階で、ターンテーブルとプラレールのタマゴのカウントが「0.1」になった。ゆっくりではあるものの、着実に移動が認識されているようだ。
だが、検証を開始してしばらくするとプラレールにトラブル発生。カーブで横転したり、脱線したりと事故が頻発する。
原因は、連結した荷台に乗せている充電バッテリー。積載量オーバーなのか、置き方のバランスが難しく、カーブで脱線してしまうようだ。
長期戦となるため、バッテリーは外せない。しばらくは絶妙なバランスを探して試行錯誤を繰り返しつつ、脱線しては戻すという作業が続く。
一方でターンテーブルは大きなトラブルもなく、着実に距離を伸ばしていく。
1時間経過時点ではそれぞれの距離は下記のとおり。ターンテーブルが意外と距離を稼いでいる。逆にプラレールの進み具合は遅々としたものだ。
1時間経過の距離
- ターンテーブル:1.5km
- プラレール:0.4km
- 徒歩:3.7km
プラレールのバッテリーが先に尽きる(14:00)
2時間が経過してしばらくの段階で、プラレールのスピードが目に見えて落ちてきた。
どうやら電車の部分のバッテリーが先に尽きてしまったようだ。とろとろとしたスピードになってきたため、一度電池交換を行う。この間のロスは5分。
また、徒歩で歩き回っているスタッフも5kmを過ぎたあたりから、歩くことの過酷さが脚を襲う。
しかし、タマゴからどんなポケモンが生まれるだろうという期待のほうが勝り、適度に休憩をはさみながら、歩き続けていく。
2時間経過の距離
- ターンテーブル:3.9km
- プラレール:0.6km
- 徒歩:6.7km
徒歩のタマゴが孵化!(15:10)
検証開始から3時間10分が経過したところで、徒歩を担当していたスタッフから卵が孵化したという報告が届いた。
終盤は休み休みながらも、タマゴから生まれるレアポケモンを早く見たい一心で足を動かしていたという。
10kmのタマゴから誕生したポケモンはコレだ!
なお、徒歩担当がゴールした段階でのターンテーブルとプラレールの距離は以下のとおり。ようやく、プラレールは安定して走るようになったのだが、距離がまったく伸びてくれない。
3時間10分経過の距離
- ターンテーブル:5.0km
- プラレール:0.6km
- 徒歩:10.0km
検証結果:ターンテーブルなら8時間50分で孵化可能
そして、スタートから5時間が経過。この時点でのそれぞれの距離は以下のような結果になった。
15:10の段階で、5kmを越えていたターンテーブルが最終的に大幅減速。こちらもタイムラグがあるのかと思ったが、待っても変化しないため、正しい距離。
どうやら、ターンテーブルでは稼げる距離に波があるようだ。
そして、この結果から概算するとそれぞれの方法で10kmのタマゴを孵化させるのに必要な時間は下記のようになった。
しかし、先のターンテーブルのように稼げる移動距離には波があるため、この時間はあくまで目安としてほしい。
10kmタマゴを孵化させるために必要な想定時間
- ターンテーブル:約8時間50分で孵化
- プラレール:約23時間で孵化
- 徒歩:約3時間10分で孵化
ターンテーブルは、部屋のスペースをうまく置くことができれば安定感抜群。音もそれほどうるさくなく、バッテリーの心配もないので、寝ているあいだなどにタマゴを孵化させるのにおすすめだ。
また、ターンテーブルもディスプレイ用のものよりも、レコードプレーヤーのほうが適度な速度が出るため、より効率よく距離を稼げる。
一方で、プラレールを使う方法は、脱線しないように見張っている必要があり、バッテリーもあまり持たないため、ポケモンGOではタマゴの孵化に使うのにはあまりおすすめできない。
自動孵化には端末の移動より回転が重要
今回の検証では、実際に5mのコース動き回っているプラレールよりも、半径15cmほどの円を動き回っていたターンテーブルのほうが大きく距離を伸ばした。
つまり、自動で移動距離を稼ぐ場合、端末を動かすことよりも回転させることの方が重要なようだ。
ポケモンGOでは、GPS衛星を使った測位と、ネットワーク接続している基地局の情報を元に測定を行っているようで、定期的に端末の位置を測定し、移動距離を算出している。
そのため、端末の向きがコロコロと変わることでセンサーが歩き回っていると誤認し、端末の位置をこまめに同期しようとするため、距離が稼げるようだ。
この方法は端末によっても差があるようで、今回検証に使用したiPhone 6s PlusやiPhone SEのほか、iPhone 6ではタマゴの距離を稼ぐことができたが、なぜかiPhone 5sでは、ほとんど稼ぐことができなかった。
気になるタマゴの中身は……
今回の検証中に孵化させられなかったターンテーブルとプラレールの10kmのタマゴだが、検証終了後に徒歩で孵化させてみた。
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