MLB:9イニングスマネジメント【ゲームレビュー】

『MLB:9イニングスマネジメント』は、野球のメジャーリーグ(MLB)を題材にしたスポーツシミュレーション。実在する選手たちを集めて夢のチームを作り、ワールドシリーズのチャンピオンを目指していく。現実のMLBと連動したコンテンツにも注目だ。

GMとなってチームを優勝へ導こう

本作は、タイトルの「マネジメント」のワードから想像できるとおり、MLBのゼネラルマネージャー(GM)となってチームを優勝へと導くため、補強や采配を行っていくシミュレーションゲームだ。

MLBとライセンス契約を結んでいるため、実名の選手が顔写真とともに登場することが魅力の1つ。あこがれのスター選手たちで自分だけの夢のチームを作ることが可能だ。

2014年に、ブルージェイズのスプリングトレーニングに招待選手として参加していた大家友和選手の名前を発見。2014年シーズン開始時点のデータが採用されている模様だ

敏腕GMを目指すGMモード

ライブモードとGMモード、2つのモードが搭載されているが、主にプレイするのはGMモードとなっている。

プレイヤーは実在する球団から1つ選択し、GMに就任。戦力の補強からオーダーの決定、マスコミへの対応など、さまざまな業務をこなしてリーグを戦っていく。

全30球団から自分のチームを選択。ただし、必ずその球団の選手が手に入るというわけではないので、大きな期待はしないように。筆者は、ここ2年は地区最下位と低迷しているものの、今年は好調なレッドソックスを選択

リーグは、

  • ルーキー
  • ローA
  • ハイA
  • AA
  • AAA
  • M(メジャー)
  • リアルリーグ

の7段階で構成されており、最初はルーキーリーグから開始する。

リーグごとに決められた試合数を消化し、1位になると1つ上のリーグへ昇格するという流れだ。

上位のリーグになると試合数も増えていく。最上位のリアルリーグでは、実際のMLBと同等の162試合が組まれる

試合中は操作することがなく、代打や投手交代もすべてオートで進行していく。「スキップ」ボタンをタップして、試合を一瞬で終わらせることも可能だ。

試合の展開を見守ることもできるが、本作はシーズン単位でチームを勝利へ導くのがメイン。律儀に1試合すべてを観戦せず、スキップしてチームの采配に時間を費やすほうが建設的だ

試合後には、記者から試合の感想を求められて答えたり、マン・オブ・ザ・マッチ(NPBでいうヒーローインタビュー)に選ばれた選手をお祝いしたりすることで、選手たちのモチベーションがアップする。

そして、モチベーションが上がることで次の試合でも選手たちが活躍しやすくなる。

選手をその気にさせ、ベストパフォーマンスを発揮させるのもGMの務め。小まめに世話をすることが、デキるGMの条件だ

見事リーグ優勝を果たすと、次のシーズンからは上位のリーグへ参加。より強いライバルプレイヤーが待つ新たなペナントレースが始まる。

リーグ優勝を競う相手は、すべて他のプレイヤー。どのチームも、現実とはまったく異なる選手をそろえている

しかしGMは、オフシーズンでも休む間もなく働かなければならない。

オーナーとのミーティング、監督や選手の解雇・再契約、ノンテンダーFA選手の獲得など、仕事が山積みだ。

どれも、来シーズンの結果を左右する重要な仕事のため、手を抜くことはできない!

契約最終年の選手は、再契約しないとチームを去ってしまうので要注意。監督人事もチームの戦力を左右する要素なので、続投を頼むのか新監督を起用するのか、どちらを選択するかでGMの手腕が問われることに

ノンテンダーFAとは、年棒に見合わないとみなされ、球団から継続契約を提示されずに自由契約となることをいう。再契約前提でノンテンダーFAとなる場合が多く、いわゆる戦力外通告とは異なるため、実力ある選手を発掘できるチャンスだ

オフシーズンでの準備やシーズン中の選手の獲得、選手たちのモチベーション管理を徹底して、リーグ優勝を繰り返していこう。

3つの手段で選手を補強

シーズン中に選手を獲得できる手段として、ドラフト、トレード、FAマーケットの3つが用意されている。

ドラフトは若手、トレードは他球団の希望の選手、FAマーケットはFA移籍を希望する有力な選手を獲得でき、ゲーム内通貨のAPや自チームの選手と引き換えに戦力の補強が可能だ。

特にFAマーケットでは、最高レアリティーとなるプラチナランクの選手を獲得できるチャンス。大量のAPを支払う必要があるが、チームの強化には欠かせない要素だ。

他のチームの入札額が分からないため、確実に獲得したい選手は多めに入札しておきたい。APが不足しがちな序盤は、プラチナランクの選手はあきらめざるを得なかった

トレードは、球団とポジション、そしてランクから選手を絞り込み、目当ての選手を探すことができる。ゴールド以上の選手はプレイヤーレベルの制限があり、イチローやダルビッシュなど、MLBでも屈指の活躍を見せる日本人選手を拝むことはできなかった

現実のMLBとリンクしたライブモード

GMとして理想のチームを作り上げるGMモードに対し、ライブモードは現実のMLBの結果が反映されるという、まったく異なるゲーム性となっている。

ショップで入手した選手でロースター(出場選手枠)を編成し、その選手が実際のMLBで活躍するとLPを獲得。

このLPをたくさん集め、ランキングを競うモードとなっている。

ここで使う選手はGMモードとは別の扱いとなり、ライブモードのショップで入手する必要がある。DHのプホルスなど、一流の選手は編成コストが高くなっている

毎日、全試合が終了するとLPの付与が行われる。8月23日に最も多くのLPを獲得したのは、レッドソックスのプライス。実際に確認すると、8回を被安打2に抑える好投を見せていた

実際のMLBの結果がゲームに影響するというのが実に面白く、野球観戦の新たな楽しみ方として本作のライブモードをあわせてプレイすることを提案したい。

MLBファンは必見! 始めるなら今!!

GM、ライブのどちらのモードも、MLB要素がたっぷり詰まっているので、野球ファンにはぜひともプレイしてほしい作品だ。

GMモードの試合後に、GMの発言で選手がやる気をなくすなど、現実に起こっていそうな、思わずニヤリとしてしまう描写も楽しめる。

マスコミ対応の選択によっては、監督からも愛想を尽かされることも。ほかにも、新聞記事のお知らせや選手の近況など、まるでスポーツニュースを見ているような雰囲気だ

ちなみに、MLBは9月末~10月初頭にレギュラーシーズンが終了し、ポストシーズンへ移行する。2016年のシーズンも終盤へと差し掛かっているので、ライブモードを楽しみたいなら今すぐプレイを開始するべきだろう。

  • 使用した端末機種:Galaxy S7 edge
  • OSのバージョン:Android 6.0.1
  • プレイ時間:約3時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:2.0.1
  • 課金総額:0円

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