オリジナル戦車もビルドできる現代のタンクバトル!
スマホで遊べるオンラインタンクバトルゲームとしては『World of Tanks Blitz』(以下、WoT Blitz)が広く知られているが、本作もよく似た雰囲気を持つタイトルだ。
大きく異なる点としては、
- 登場するのが現代風の架空戦車である
- オンラインのマルチプレイ対戦だけでなくシングルプレイ用のキャンペーンが充実している
- 自分だけのオリジナル戦車をカスタマイズして作成できる
ことなどが挙げられる。
最初にもらえる戦車は、なんと2門の戦車砲を搭載している。2連射でテンポよく敵を撃破できるのは面白い
ゲームの操作は、左手でバーチャルパッドを触って戦車の移動をコントロールし、右手で砲塔(カメラ)を動かすというオーソドックスなもの。
また、双眼鏡のアイコンをタップしてスナイパーモードに切り替えたり、砲弾アイコンをタップして使用する砲弾の種類を切り替えたりすることもできる。
周囲を警戒しながら、起伏に富んだフィールドを慎重に進んでいく。操作感覚は『WoT Blitz』とほぼ同じ。ピンチイン/アウトでカメラの距離を変えることもできる。画面右上のミニマップに赤く表示される敵のマークは要注意だ
もう1つ、自分の戦車が撃破されてしまったとしても、一般的なFPSのようにリスポーンすることができるというのが『WoT Blitz』との違いとなっている。
ただしミッション内容によっては、撃破された瞬間に任務失敗となってしまうこともある。
スナイパーモードに切り替えて精密射撃を行うこともできる。装甲を貫通できる場所を狙って射撃しよう。なお、砲弾の発射ボタンは画面の左右に配置されている。どちらを使っても同じなので、移動しながらの射撃や、照準を合わせながらの射撃もやりやすい
敵戦車を狙ったときに、その車体の周囲に表示される赤い枠は、装甲を貫通できるという目安。装甲に弾かれてしまう場合には白で表示される。
また、着弾した周囲にダメージを与える榴弾を使用しているときには、貫通できなくともダメージは与えられる印としてオレンジの枠が表示される。
正面からではなく、側面あるいは背面から攻撃するのがおすすめだが、どうしても正面から対峙してしまう場合には車体の下部を狙ってもみるのがいい。
デフォルトでは、高い貫通力を持つAPCRを使用。また、中程度の貫通力で高ダメージのAPや、貫通せずとも爆発ダメージを与えるHEも選択できる
着弾の角度による貫通の度合いも考慮されているようだ。なるべく車体を斜めに向けて、被害を最小限に食い止めよう
本作のグラフィックの美しさは特筆もの。時間帯の違いなどによって見え方がまったく違ってくるのに加え、塗装された金属の光の反射などもしっかりと表現されている。
なお、グラフィックとしての車体の損傷表現は存在するが、部位破損によって性能が落ちるという要素はないようだ。
『WoT Blitz』で多用される「履帯切り」などのテクニックが使えないのは残念だが、その分だけアーケードライクに敵を破壊していく爽快感を味わえる。
水の表現もこのとおり! 車体が敵に乗り上げるといった迫力あふれるシーンにも遭遇した
木造の小屋や石の塀、立ち木などは、車体の重さを生かして踏み倒していける
パーツを集めてオリジナル戦車をカスタマイズ!
本作の魅力の1つとなっているのが、オリジナル戦車の作成機能だ。プレイヤーはマルチプレイ対戦への参加やキャンペーンのミッションクリアなどを通じて、さまざまなパーツを手に入れることができる。
これらのパーツを組み合わせて自分だけの戦車を作り上げ、バトルに臨むことができるのだ。
ミッションのクリア時や、対戦の終了時にいくつかのパーツが提示される。これらはいったん裏返しとなり、プレイヤーはその中から1つを選んで獲得できる。もし、ほかにもほしいパーツがある場合には、ポイントを消費して追加獲得することも可能だ
各パーツには5段階のレアリティ―が設定されており、高レアリティ―のものほどステータスが高くなる。また、それぞれに「製造企業」の設定があって、3つ以上を同じメーカーでそろえるとセットボーナスが付与される。なお、ほかのプレイヤーとパーツをトレードすることもできる
メインメニューの「戦車」をタップすると、「戦車を作る」というメニューが現れる。
ここでは、偵察、軽、中、重、駆逐戦車軽、駆逐戦車中、駆逐戦車重という7つのカテゴリーから1つを選び、ボディ、エンジン、軌道、タレット、戦車砲をそれぞれ組み合わせて新たな戦車を作成する。
カテゴリーやパーツの一部は、プレイヤーレベルに応じてアンロックされる。組み合わせのバリエーションは1億を超えるという
戦車の性能に影響を与えるステータスは全部で16種類。バトル中に戦車を変更することもできるので、どんな戦い方を選ぶかに合わせてパーツを選んでいこう
完成させた後に、外見の印象を大きく変化させる「塗装」を施すことも可能だ。
いくつかの迷彩パターンが用意されているが、それぞれのパターンで5つの箇所を選択し、自由にカラーを変更できる(色相、明度、彩度が調節可能)。
まったく違うイメージに変えたい場合は、画面右上にある「ランダム」ボタンをタップしてみよう。表面の質感を変えることも可能だ
作った戦車を本部基地で試走させることもできる。場内にはスケボーで使うようなジャンプ台も!?
補助武器の選択が明暗を分ける!?
メインの攻撃手段となる戦車砲に加え、本作の戦車には「補助武器」を搭載できる。
地雷や迫撃砲があり、ここぞという状況で有効活用すれば、相手に対して致命的な一撃を加えることもできるはずだ。
相手の通過しそうなルートに地雷を敷設すれば、逃走・転進するときにも有利になる。逆に、相手の陣地の奥深くへ攻め込むときには、地面に地雷が置かれていないかどうかに注意しなければならない
迫撃砲を使用すると、高所のカメラから隠れた敵を狙うことができる。壁越しに攻撃したいときなど、膠着した状況を動かすにはもってこいの補助武器だ
映画のようなドラマチックな展開を楽しめるキャンペーン
ソロプレイ用のキャンペーンでは、人類を敵と判断して攻撃してくる人工AIの軍団を相手にバトルを繰り広げるストーリーが展開。
さまざまなシチュエーションが用意されており、まるで映画のような迫力あふれるシーンに自ら参加することができる。
また、キャンペーンのミッション1はいわゆるチュートリアルとなっているので、初めてプレイする人はまずここからスタートすることをおすすめする。
ミッション1では、敵に占拠されている司令本部を取り戻す作戦に参加する。基本的な操作方法やレーダーの見方、砲弾の切り替え方、補助武器の使い方などをマスターすることが可能だ
途中で戦車を乗り換えるシチュエーションも。ロケット戦車は、敵に向かって誘導できるロケット弾を撃つことができる。盛大な爆発とともに敵を撃破できるのは気持ちいい!
ミッション2の舞台となるのは、荒廃した高層ビルが林立する廃墟の都市。高低差を利用した立体的なバトルが展開する
さまざまなフィールドで、多彩なシチュエーションが楽しめるキャンペーンは全14章。目まぐるしく変わる状況が、プレイヤーを飽きさせない作りとなっている。
すべてをクリアするまでは進めていないが、対戦とは異なる楽しさを味わうことができたことをお伝えしておこう。
もう1つのソロモード「訓練」は360ステージの大ボリューム!
シチュエーションを限定してさまざまなミッションに挑む「訓練(ドリル)」も、1人用のコンテンツだ。ここでは、「護衛」「防衛」「迎撃」「スタンドオフ」「撃破」など、特定のテーマに沿った任務に挑む。
使用するマップや時間帯、敵の種類などもミッションによってさまざま。
任務を達成すれば経験値とお金がもらえるが、全部で360種類もの膨大な数のミッションが用意されているので、すべてクリアできればかなりの稼ぎになるだろう。
もちろん、この訓練を極めれば、さまざまなシチュエーションに対応するプレイヤースキルが身に付くはず。上級者を目指すなら必ず熟達しておきたいコンテンツだ
ここが本番!? 7vs7のオンラインバトル
自分だけのオリジナル戦車を完成させ、腕前に自信がついたら、いよいよオンラインバトルに挑戦だ。参加人数は7人vs7人の合計14人。これは『WoT Blitz』と同じ規模だ。
1試合の時間は7分ほど。スマホゲームに慣れた人には長く感じられるかもしれないが、実際に戦ってみるとあっという間の時間だ。
撃破されたときには、自分を撃った敵の姿が表示される。それぞれが変わったカスタマイズの戦車を使用しているので、見ているだけで楽しい
オンラインバトルではさまざまなルールがランダムで適用され、プレイするたびに違った展開を楽しめる。
用意されているルールは、オンラインFPSでおなじみとなっているものが多いようだ。
例えば「キングオブザヒル」は、マップ中央の基地を占拠するのが目的のルール。より多くの戦車が指定されたエリアにとどまっていれば影響力が高まり、やがてその基地を完全に占拠して勝利することになる。
また、複数の基地を占拠してポイントを競う「占領戦」や、撃破した敵の数をチームで競う「チーム・デスマッチ」、最後まで生き残ったプレイヤーが勝者となる「生き残り戦」といったルールがあり、カジュアルな気分で戦闘に参加することができる。
画面上部に見えている赤いサークルが、キングオブザヒで占拠するエリア。敵の戦車4台の侵入を許しており、かなりピンチの状態だ
リスポーン可能というシステムとも相まって、各プレイヤーに課せられる責任もさほど重くなっていないので、気軽に対プレイヤー戦の興奮を味わうことができるだろう。
なおオンラインバトルで勝利すれば、5つのパーツの中から2つを獲得することが可能だ。
ゲームモード「カスタム」とは?
1人用のコンテンツとしてもう1つ、「カスタム」というモードが用意されている。こちらは、オンラインモードで登場する多彩なルールで練習するためのものだ。
味方も敵もすべてAIとなっており、気兼ねなく自分の腕前を磨くことができる。
なお、このモードでは経験値やパーツの報酬はいっさいないが、いつでも自分の戦車を変更することもできるため、新たに作成したカスタム戦車のテストを行うのにも適している。
また、6種類のマップの地形を覚えるためにも活用することができるだろう。
6つのマップのいずれかと、5つのルールを選択してプレイできる。フリースカウトは、敵が一切出現しないマップ確認のためのルールだ
タンクバトルゲームとしてはかなりの作り込み!
プレイ中、手に持った端末がかなりの熱を持っていることが確認できた。そのまま保持しているのも少々つらいくらいの温度になっていたので、端末への負荷と消費電力はかなりのものになっていると想像できる。
その分、細密なグラフィックで大規模なオンラインバトルを体感できるという証明にもなるかもしれない。
ゲームとしてはかなり完成度の高い作りになっているので、『WoT Blitz』をプレイしたことのある人はもちろん、戦車の操縦を気軽に体験してみたいという人にも十分おすすめできる。
有料タイトルではあるが、その分の価値は絶対にあるとお伝えしておこう。電車の到着時間などを気にせず、自分の部屋でじっくりと楽しんでもらいたい1本だ
- 使用した端末機種:iPhone 6s Plus
- OSのバージョン:iOS 9.3.2
- プレイ時間:約4時間
- 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.0
(C) Atypical Games s.r.l.