キャンディークラッシュのキーパーソンに攻略法を直撃!
――枝廣さんは、どういった経緯でKingに入社され、『キャンディークラッシュ』を日本で展開する中で、どういった役割なのかを教えてください。
枝廣氏(以下、枝廣):『キャンディークラッシュ』は僕がKingの日本法人を始める前から存在していて、僕が最初にやらなくちゃいけなかったのは、日本のユーザーに違和感なく楽しんでいただけるようなローカライズをすることでした。
例えば、不自然な言い回しの変更、各キャラクターのコメント調整などから始めました。
その後は、より多くのユーザーに遊んでいただくために、マーケティングをやっています。
――枝廣さんが入られる前は、ローカライズやカルチャライズなどはどうされていたのですか?
枝廣:本国(イギリス)でやっていました。
――では、枝廣さんがジョインした際、ローカライズはいまいちな感じだったのでしょうか?
枝廣:そうですね。
日本法人が立ち上がる前の面白い話が1つあります。
もともと英語で作られている『キャンディークラッシュ』を日本語にローカライズしたら、ユーザーさんがより離脱するようになってしまったんです。普通は逆なんですけどね。
僕がKingに入る面接の際に、「なぜか、わかるか?」という質問をされたくらいです。それは、こっちの質問だよって思いましたね(笑)。
実際に見てみると、例えばステージクリア時のテキストが英語では「What a wonderful day!」と表示されていたのを、思いっきり直訳して「なんて素晴らしい日々」と翻訳していたんですよ。
今は「やったね」とわかりやすく、自然な表現になってます。このような、不自然な表現を1つ1つ潰していきました。
――もともとキャンディークラッシュをプレイされていたのですか?
枝廣:はい、本当に大好きで1人のファンとして遊んでましたね。とんでもない衝撃を受けましたね。
2012年の秋ごろの話で、当時は日本のゲーム会社がアメリカで一旗上げようっていう流れが強かった時期だと記憶しています。
僕もアメリカのゲームをすごく研究しているときで、このころにプレイし始めましたね。
キャンディークラッシュを遊んで、ライフがなくなると仕事に戻るんですが、しばらくするとまたやりたくなってくる。夢の中でもプレイしていたくらいでした。
――実際にキャンディークラッシュのプレイを通して、どういう印象を持たれましたか?
枝廣:時間、場所、お金など、あらゆる面でユーザーの負荷が少ないゲームだと思いました。こういったゲームが流行るのを見ると、日本のゲーム会社が戦うには土壌が違うと感じました。
――何か、日本のゲームと洋ゲーとで決定的に違った部分はありましたか?
枝廣:マネタイズの部分では、ガチャのある・なしが大きいと思いますね。
あくまで僕の感覚なんですが、日本人はガチャで何が出てくるかわからないのを楽しんでいる。対して欧米圏では、何か特定のアイテムを買うために課金をするのがスタンダードだと感じます。
最近は、欧米圏でもガチャのような課金要素が増えてきてはいますが、やはり大きな違いは感じますね。
また、ゲームプレイそのものにも違いを感じます。日本のゲームはキャラクターの成長やストーリーの進行を楽しむものが多いですが、アメリカの場合、純粋にアクションとか戦略性を楽しんでいる傾向がありました。
――キャンディークラッシュが、世界的にヒットした秘訣はずばりなんでしょうか?
枝廣:レベルデザインだと思っています。レベルデザイナーがまずレベルを作って、そこから例えばおじゃまブロックを1つ増やしたらどうなるかなど、研究を重ねてギリギリの調整をしています。
クリアのコツは「いったん待つ」!
――キャンディークラッシュで不得手な要素はありますか? 私の場合、網で固定されたキャンディーが苦手です。
枝廣:僕は、キャンディーがベルトコンベアに乗っかって動くやつが苦手ですね。
中でも、右から左、左から右の両方に動くパターンが苦手です。両方いっしょに動くから、スペシャルキャンディーが作りにくいです。
――全体を通していえるクリアのコツはありますか?
枝廣:特殊なパターンを除いては、カラーボムをスペシャルキャンディーのどれかをくっつけるとほとんどクリアできると思います。
もし、ストライプキャンディーができる場面があったとしてもすぐに作らず、5個つなげてカラーボムにできないか考えるようにするのがオススメです。
1手先のストライプよりも、3手先のカラーボムの方が力があるので、いったん待ってカラーボムにできないか考えるというのはコツといえます。
――確かに、カラーボムの威力はすさまじいです。
枝廣:さらにいうと、カラーボムができてもそこではしゃがずに、その近くにストライプかラッピングを作りにかかります。
時間制限がないのでいったん立ち止まって考えられるというのは、キャンディークラッシュのいいところですね。僕は、1手で1分以上考えたりすることもあります。
――「フルーツ落とし」もうまくいかないことが多いのですが、何か特別な攻略法はありますか?
枝廣:フルーツ落としに限った話ではないのですが、最初の配置がよくないとその時点でやめます。
そうすると、ライフを失わずにもう1回プレイできるので、納得のいく配置がでるまで繰り返して、絶好の配置が出てくるのを待ちます。
――すごく気になっていたのですが、最初の配置がどんな場合でもクリアできるようになっているのでしょうか?
枝廣:おそらくクリアできないパターンもあると思います。結局、キャンディーがどのように落ちてくるかという運にも左右されるので、クリアできるかどうかは神のみぞ知るといった感じですね。
落ちてくるキャンディーは完全にランダムなので、レベルデザインをしている人でもわからないと思いますよ。そこが面白いところでもあるんですけど、運の要素はかなり強いゲームです。
数手先を読んだプレイが光る枝廣氏の腕前
――これまでにいちばん苦戦したレベルはどこでしょうか?
枝廣:レベル1,174はかなり苦戦しました。画面の10個あるラッキーキャンディーを消すと現れる赤いキャンディーを消せばクリアとなるレベルです。
大量にあるカップケーキを効率よく処理していかないと、手詰まりになってしまいます。
――では、その苦戦したレベルを1発でクリアできるか、実際にやっていただきたいと思います。
枝廣氏:この配置だと、中央のオレンジがカラーボムを作るチャンスです。隣の列で緑を消して、真ん中にオレンジが降ってくるのを狙います。
――お気に入りのレベルはありますか?
枝廣:レベル1,000がかなり面白いですけど、すごく難しいレベルです。
カラーボムをうまく作っていかないと絶対にクリアできないので、よく考えてプレイしなければなりません。
――これはかなり難しいレベルですね。人のプレイを複数人で見ながら遊ぶのもすごく面白いですね。
枝廣:そうですね。人によって動かし方が違って盛り上がるので、また違った攻略法や楽しさを発見できますね。
――最後に、キャンディークラッシュの今後の展開をおしえてください。
枝廣:キャンディーシリーズは、『キャンディークラッシュ』に加え、『ソーダ』と『ゼリー』の3作品を展開していて、それぞれに違う面白さがあります。
例えば、ソーダだったらキャンディーが下から上がっていくとか、ゼリーだったらAIと対戦できるといったゲーム性があるので、それぞれのいいところを改善していって、新しいゲームプレイをどんどん盛り込んでいこうと考えています。
いろんなイベントもやっていくので、楽しみにしていただければと思います。
枝廣氏を超える達人プレイヤーに接触成功!
キャンディークラッシュは、定期的にレベルが追加され、現在の最終レベル2,075となっている(2016年11月4日現在)。
中の人の枝廣氏でも、さすがにここまではやっていないのだが、今回、新しいレベルが追加されるたびにすぐクリアするという超絶プレイヤーな女性(Mさん)に接触することができた。
取材時に追加された最新の15レベルの中から、特に難易度が高いというレベル2,075と2,073を、一発クリアできるか、腕前を披露していただいた。
最初にプレイしていただいたのは、現時点での最終レベルとなるレベル2,075。
ゼリーを21個消すのがクリア条件だが、すべてカップケーキに隠れている上に、チョコレートやベルトコンベアなど、極悪な仕掛けで構成されている。
Mさん曰く、運がよくないとクリアは難しいとのことで、枝廣氏と同じ考えをもっているようだ。
しかし、さすがはMさんといったところか、あっさりと一発クリア!
カラーボムもしっかりスペシャルキャンディーとくっつけて、効率的に活用している。やはり、枝廣氏のいうように、カラーボムの使い方は本作の攻略においてのキーポイントになることを実感できた。
続いて、Mさんがもっとも苦戦したというレベル2,073に挑戦。
12秒という制限時間内に、「+5」のキャンディーを消して延命し続けなければいけないという、集中力が試されるレベルだ。
こちらは、一発クリアというわけにはいかなかったが、2回目の挑戦で余裕を持ってクリア。
長年キャンディークラッシュをやり込んでいるからか、消せるキャンディーを見つける能力にも長けているようだ。
やり込みプレイヤーが語るキャンディークラッシュの魅力
――キャンディークラッシュを始めたきっかけって何かあるんですか?
Mさん:たまたまゲーム画面を見る機会があって、女性向けの可愛らしい雰囲気だなって思ったのが最初にプレイしたきっかけです。
その日からずーっと続けています。
自分に合っていたのか、最初のころは詰まることもなく、どんどん進んでいったのが続けられた理由ですね。
――他のパズルゲームはプレイされないのですか?
Mさん:キャンディークラッシュソーダもやってますし、3マッチパズルはいろいろプレイしています。
中でもキャンディークラッシュは特別で、新しいレベルが追加されたら必ずプレイします。キャンディークラッシュをやりつつ、他のも少し遊ぶという感じですかね。
――なぜ、これだけやり続けられるのでしょう? Mさんから見た本作に魅力を教えてください。
Mさん:キャンディをスワイプした時の音や、ストライプやカラーボムで一気に消した時の爽快感のある演出でこのゲームに勝るものはないと思います。他のゲームでは物足りないです。
時間もそれほど取られないし、キッチンとかで片手間でできるようなゲーム性なので、本当に女性がハマりやすいゲームだと思います。
私の母も、それまでゲームはまったくやらない人だったんですけど、キャンディークラッシュにはすごく熱中していますよ。
キャンディークラッシュグッズプレゼント
今回、King Japanにご提供いただいた、キャンディークラッシュのバックパックとキャンディーのセットを抽選で2名様にプレゼント!
プレゼント内容
- バックパック×1
- キャンディー3種類を1セット
※応募受付は終了しました。
(C) 2016 King.com Ltd.、 King、King冠ロゴ、キャンディークラッシュとその関連マークはKing.com Ltdおよび関係企業の商標です。