クリミナルケース:パシフィックベイ【ゲームレビュー】

大ヒット作『クリミナルケース』の続編となる本作『クリミナルケース:パシフィックベイ』は、プレイヤー自身が刑事となって海にかかわる事件を解決へと導いていく、物探し系のアドベンチャーゲームだ。海外ドラマ風に仕上がっているストーリーに注目!

 今度の舞台は海辺の街! 難解な事件を解明せよ

『クリミナルケース:パシフィックベイ』は、画面に散りばめられたさまざまなオブジェクトの中から、目当てのアイテムを探し出していく「物探し」がメインのアドベンチャーゲーム。

前作の『クリミナルケース』の正統な続編といった感じで、基本的なゲームシステムはそのままに、プレイヤーは刑事となって新たに海にちなんだ事件を捜査していくことになる。

メインとなる現場捜査では、視覚探索型の絵本「ウォーリーをさがせ!」や「ミッケ!」と同じような感覚で、画面下部にて指定された4つのアイテムを、画面の中から探し出していくことになる

徐々に集まる手がかり! サスペンスドラマのような世界を味わおう

本作の最大の魅力は、練り込まれたストーリーにある。

自身の捜査によって、事件の謎が徐々に明らかになっていき、真犯人にたどり着くための材料が集まっていく感覚がたまらない。

例えば、現場検証で遺体を発見すれば、その後の検死によって、死因や犯人の利き手が明らかになるといった感じだ

まさに、海外ドラマの主人公になったような視点で事件にかかわっていける。

プレイヤーを取り巻く警官たちも非常に個性豊かで、ストーリーへと入り込みやすくなっているのが特長だ。

エイミーは、頼れるパートナー(相棒)。プレイヤーと行動をともにし、さまざまな場面でサポートしてくれる

迅速な事件解決を! スピードとテンポが求められる物探し

本作の現場捜査では、クリアまでの制限時間といった、ゲームオーバーになる要素が一切取り払われているのが特長だ。

指定アイテムの場所がわからなくても、画面右下のボタンを押せば相棒がヒントで助けてくれる。

もしヒントをもらわずとも、時間が経つと指定アイテムがアピールし始めるなど、初心者への配慮が行き届いている。

相棒は、4つ表示されたうちのいずれかのアイテムの場所を教えてくれる。教えてくれる回数は、相棒ごとに制限が設定されている

物探し系ゲームが初めてという方や苦手という方でも、非常にクリアしやすい設計といえる

だからといって、マイペースにのんびりと探していると獲得スコアが伸びづらく、以降の捜査に必要になる「スター」を獲得することが難しくなってくる。

本作では、現場捜査でのファイナルスコアに応じて、達成度を示すスターがたまっていく。このスターを消費することで、容疑者への聞き込みや証拠品の修復などができるシステムとなっている

そのため、現場捜査でいかにスコアを伸ばせるかがやり込みの要素となっている。そしてハイスコアを狙うために最も重要となるのが、アイテムを探し出すスピードだ。

テンポよく、素早く指定アイテムを探していくとコンボが発生し、見つけたときのスコアが最大6倍にまでアップする。

このコンボがつながればつながるほどスコアが伸びやすくなり、現場捜査の手際がいいほど解決までの時間が短くなるという、なんともリアル感あふれる作りになっている。

集めた情報をもとに真犯人を探し出せ!

物探し(現場捜査)の中で新たな手がかりが見つかると、自然にストーリーが進行していく。

事件と関係なさそうなものも多く並ぶ中、遺体や凶器といった超重要な証拠品が見つかることも

遺体が見つかると「解剖」ができるようになったり、バラバラになった証拠品が見つかると「修復」ができるようになったりして、物探し以外の選択肢も増えていく。

解剖では特にプレイヤーの操作は求められず、ただ待ち時間が発生するものになっている。もちろん、課金することで待ち時間をスキップすることも可能だ

修復は、パズルのピースを組み合わせていくるようなスタイル。序盤だからか、非常にイージーなものになっていた

こうしてつかんだ手がかりを検証していくと、犯人に関する情報が集まってきて、さらに新たな捜査現場が増えるなど、犯人を追い詰める捜査網が広がっていく。

その時点で選択できる行動が並ぶタブレットには、消化不良を起こすほど多くの項目が出現することも。1つひとつをつぶさに確認していこう

十分に証拠品や犯人に関する情報が集まったら、いよいよ逮捕の時だ。

捜査線上に浮かび上がった容疑者の中から、得られた情報と一致する真犯人を突きとめよう。

犯人は実に不用心で、犯行当時の服装でそのまま出頭していることも。そこまでに得た情報を細かく照らし合わせて犯人を断定しよう

見事に真犯人を捕まえられれば、すぐに次の事件へと急行することに。街は常に事件にあふれているのだ

捜査方法はどんどん多彩に!

今回のプレイでは、限られた時間の中で第1章を完結させるので精一杯だった。

しかしストーリーが進むにつれて、特殊な機器を使って宝探しのように捜索を行ったり、特殊な粉とハケを使った証拠品のサーチを行ったりするなど、新たな捜査方法に何度も出会うことができた。

プレイを進めれば進めるほどバリエーション豊かな捜査がプレイヤーを待っていることだろう。

何やら証拠品をズームできる特殊機器での捜索を任された。画面のマスをタップすると、正解か否かが判定される。当てられなかった時には×マークと矢印が表示されるので、マインスイーパーの要領で矢印の方向を頼りに隠されたものを見つけ出そう

水につかって一部が見えなくなったポスターをブラッシングで復元する捜査も。黒い粉を吹きかけてハケで伸ばせば、クッキリと見えてくる

気分はパラダイス! 女性キャラが多数登場

ロケーション以外で前作と大きな違いを感じられるのが、相棒をはじめとする仲間たち。

捜査現場が海辺ということもあってか(?)、プレイヤーの周りにいる警官たちはかなり女性が多くなっているのだ。

司法解剖をする警官はもちろん、現場にいっしょに急行することになる相棒の半分も女性。配属先の署長までもが女性という、まさにハーレム状態だ

のんびりとドラマ感覚で楽しみたいノベル系物探しゲーム

グラフィックが綺麗で、用意されたどのコンテンツも直感的に遊べて、万人受けする作品に仕上がっている本作。

日本語へのローカライズもなかなかクオリティーが高く、プレイに支障が出ることはなかった。

ただ、スタミナの回復速度は思った以上に遅いので、短時間でガッツリ……というよりは、のんびり本でも読むような感覚で少しずつ楽しみたい作品となっている。

事件の展開も、実際の捜査のように頓挫してしまうことがあり、第1章をクリアするだけでは、最初の事件の全貌すらつかむことはできなかった

アドベンチャーゲームというよりは、ノベルゲームのような側面を持つ本作。

推理もの好きというよりは、海外ドラマ好きや重厚なストーリーを楽しみたい方にこそおすすめしたい作品だ。

  • 使用した端末機種:iPhone 6
  • OSのバージョン:iOS 10.2.1
  • プレイ時間:約2時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.15.5
  • 課金総額:0円

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