グラフィティスマッシュ【ゲームレビュー】

バンダイナムコオンラインの新作『グラフィティスマッシュ』は、引っ張りアクションに「塗り」という要素を加えた爽快感満点のアクションゲーム。見た目はシンプルだが、フィールドを塗ることで味方がパワーアップするなど、戦略性の高いタイトルである。

 フィールドを塗って戦う爽快引っ張りアクション!

本作は、「ハンター」と呼ばれるキャラクターを引っ張って、敵にぶつけて戦うアクションRPG。

基本的なシステムはいわゆる引っ張りアクションと呼ばれるものだが、本作独特の「塗り」という要素により、高い戦略性を持っている。

4人のハンターを引っ張って、敵にぶつけて倒していくというのが基本システム。これだけだとよくあるゲームなのだが……

本作では、ハンターの軌道がペイントされていくのが特徴。塗られた面積が増えることにより、味方の攻撃力がアップし、バトルが有利になっていく

ただハンターを引っ張って敵を倒してもいいのだが、この塗りの面積を増やしていくことにより、味方が与えるダメージに倍率がかかっていく。

ステージ内を全部塗ることができれば、なんとダメージが2倍にも上昇!

また、塗った場所から回復などのアイテムが入手できることもあるため、「いかに塗る面積を増やしつつ、敵を倒していくか」という戦略を考えていくのが楽しい。

たくさん塗ることで、バトルがどんどん有利になっていく。しかし、塗った部分は敵の出現や攻撃などで元に戻ってしまうので、塗り直しも必要だ

プレイヤーは、「バベル」という都市で、ハンターに指示を与える「ローダー」に就任したばかり。

バベルの周囲にはモンスターがはびこっているので、ハンターと協力してこれらを撃退していくことになる。

ローダーの才能を持っている者は、ごくまれらしい。その中でもプレイヤーは、飛び抜けた資質を持っているとのこと

バベルの周囲は、モンスターが多数はびこる危険地帯。強大な力を持つ「S級危険種」が突如現れ、プレイヤーは激しい戦いへと巻き込まれていく

ハンターのボイスや設定にも注目!

本作では、高レア度のハンター(星4以上)には有名声優によるボイスがついている。

ターンの開始時やスキル発動時にカットインが入り、迫力満点の演出を見ることができるのだ。

各ハンターに細かい設定付けがなされており、バトル中さまざまなセリフをしゃべって楽しませてくれる。なかなかぶっ飛んだ設定のキャラクターが多い……!

また、入手したハンターは、プロフィールを確認したり、パートナーに設定したりできる。

パートナーに設定すると、ホーム画面に登場するようになり、タップしてコミュニケーションを取ることも可能。

アニメーションでさまざまな動きを見せてくれるので、眺めているだけでも楽しい。

プロフィールには、誕生日や血液型、特技や趣味などが書かれている。細かい設定がわかるので、気になったキャラクターはプロフィールをチェックしてみよう。

ホーム画面に登場するハンターは、タップする場所によって反応が変わるので、いろいろ試してみよう。誕生日や血液型など、細かい設定にも注目だ

バトルはわかりやすい引っ張りアクション

上でも述べているとおり、バトルはシンプルな引っ張りアクションで展開。

助っ人を含めた4人のパーティーでクエストに出発し、ハンターを1人ずつ引っ張って弾き、敵にぶつけて倒していく。

敵を倒していくと、最終フロアではボスが出現。このボスを倒すことができれば、クエストクリアだ。

バトルは4人パーティーで戦う。ハンターには「反射」「貫通」という2つのタイプがあるので、バランスよく組み合わせよう

ハンターを弾くと、進んでいった軌道がペイントされていく。塗った面積に応じて与えるダメージに倍率がかかり、最大で2倍まで上昇。

また、発射したハンターが敵に接触するとダメージを与えられ、味方に接触した場合は「リンクコンボ」が発動できる。

リンクコンボはいわゆる友情アタックのようなもので、各ハンター固有の特殊攻撃を行う。

全体的に威力が高いので、敵を直接狙うよりも、味方を経由してリンクコンボを発動しつつ攻撃していったほうが、大きなダメージを与えられる。

ハンターを引っ張って発射し、ステージ内を塗っていく。発射のタイミングで威力が変わるということはない

先に味方に触れてから、敵を目指すような軌道で弾いていくのがコツ。リンクコンボは威力が高く、発動するだけで大きなダメージを与えていける

プレイヤーが塗った部分は、敵が出現する、敵の攻撃が着弾するなどで元に戻ってしまう。

敵がステージを塗ってくるというようなことはないが、ダメージの倍率が下がってしまうので、塗り面積をキープできるよう、弾く軌道にも気を使っていこう。

攻撃範囲が広い敵は、塗った部分を片っ端から解除してしまうため、やっかい。攻撃してくるターンは敵の横にある数字でわかるので、攻撃順が早い敵から倒していこう

強力な必殺技!「ハンタースキル」&「グラフィティ」

ハンターはそれぞれ、一定ターンが経過すると使える「ハンタースキル」を持っている。

こちらは強力な必殺技のようなもので、HPを回復したり、広範囲を攻撃したりと、効果はさまざま。

序盤のクエストだとバトルがすぐ終わってしまうので、あまり見ることはないが、敵が強くなってくるイベントクエストでは重要だ。

ボスの出現時など、ここぞというときに使っていこう。

星4の「リリン」のハンタースキルは、敵にダメージを与えつつ自分を回復するという便利なもの。さらに、回復量が一定以上に達すると、ステータスの強化も行える

ステージ内に隠されている「グラフィティ」も、強烈な攻撃を繰り出すことができる。

各ステージを塗っていくと、モンスターのマークが出てくることがあるので、マークの上をすべて塗ってみよう。

これで「グラ魂」を召喚することができ、発動すれば敵にすさまじいダメージを与えることができるのだ。

右下の部分が、グラ魂を呼び出すためのグラフィティ。丸で囲んだ部分をすべて塗りつぶせば、発動することができる

こちらの「バーゲスト」は、発動すると敵に回転しながら体当たりを仕掛ける。超多段ヒットして、ダメージは100万を超えることも!

武器の装備や「潜在解放」など育成要素も充実!

ハンターは、クエストのクリアで経験値を入手してレベルアップしていくほか、武器の装備や「潜在解放」でステータスを増強することができる。

武器は剣や銃、ハンマーなど、実に15種類もあり、重いがダメージが高い、ダメージが低いが軽いなど、それぞれ特徴がある。

また、武器を装備すると、パワーとスピードが上がるほか、「ウェポンアーツ」と呼ばれる武器ごとの固有スキルを使うこともできる。

ハンターと武器のさまざまな組み合わせが楽しめるのも、本作ならではの特徴だ。

武器は各ハンターに1つずつ装備できる。属性(火、水、木、光、闇の5種類)さえ一致していればどの種類も装備できるので、組み合わせは実に多彩。レア度が高い武器は、特定種族に対する「キラー」効果を備えていることもある

武器には重さが5段階あり、重い武器ほどパワーが高く、スピードは低くなるという傾向だ。重い武器は1発の威力に長けていて、軽い武器は威力は低いものの、スピードに優れるため手数に期待できる

潜在解放は、「オーブ」と呼ばれるアイテムを使ってハンターのステータスを強化する、限界突破のようなもの。

特に、クエストでのアイテム入手に関わる「ラック」は潜在解放でしか上げられないため、ゲームをやりこんでいく上ではかなり重要な要素だ。

オーブはイベントダンジョンのほか、後述の対戦モードの報酬でも入手できる。

潜在解放は、並んでいるパネルを1つずつ解放していくという形式。1つパネルを解放すると、その隣のパネルに進めるようになる

クエストはボリューム満点!対戦も激アツ

本作は、メインとなるストーリークエストやイベントクエストに加えて、プレイヤー同士での対戦も可能。

「お互いにハンターを弾き合う」という斬新な対戦形式になっていて、かなりアツい!

ストーリークエスト

本作の壮大なストーリーを楽しめる、メインコンテンツ。

バベルの周辺に巣食うモンスターを倒しながら、プレイヤーは冒頭で出会ったS級危険種を追っていくことになる。

ストーリーを進めることでほかのコンテンツがアンロックされていくので、まずはストーリークエストをプレイしていこう。

ローダーとしてデビューしたプレイヤーは、突如出現したS級危険種モンスターとの戦いに巻き込まれていく。以前はバベル周辺にS級危険種が出現することはなかったのだが、この異変の真相とは……?

イベントクエスト

日替わりの武器入手クエストや、ハンターの覚醒素材を入手できるクエストがプレイできる。

主にハンターの育成用に使うクエストなのだが、一風変わっているのがハンターの入手クエスト。

というのも、クエストクリアでハンターが入手できるのではなく、ハンターを入手するためのガシャチケットがもらえるという仕組みになっているのだ。

各クエスト、開催時間が細かく区切られているので、イベントカレンダーでスケジュールをよく確認しておこう。

ハンターの入手クエストでは、報酬のガシャチケットを使ってガシャを回し、それでハンターを当てるという変わった仕組み。うまくいけば、数回のクリアでハンターを入手できる

ストーリークエスト、イベントクエストともに、ほかのプレイヤーとのマルチプレイも可能。

自分がホストとなってルームを作成するか、ほかの人のルームに参加するとができ、ほかの人のルームに参加した場合はAP(スタミナ)を消費せずに遊べる。

初めていっしょに遊んだプレイヤーがいる場合は、課金アイテムのジュエルがもらえるので、積極的にプレイしよう。

マルチプレイでは、4人のプレイヤーがそれぞれ1人ずつハンターを持ち寄って戦う。全員の準備がOKになったら、マルチプレイ開始!

マルチプレイでは、「よろしく」「ありがとう」などのスタンプを出すことができる。クエストがクリアできたときは「ありがとう」スタンプを出すのが紳士的

対戦

ほかのプレイヤーとリアルタイムで対戦ができるコンテンツ。

お互い、自分のハンター3人+助っ人ハンター1人の4人パーティを使い、お互い同時に1人ずつハンターを弾き合う。

対戦では各ハンターにHPが設定されていて、先に敵ハンターのHPをゼロにして、全滅させたほうが勝利となる。

たいていのゲームでは、ターンごとにお互い交互に攻撃するというのが常だが、本作では2人で同時に攻撃し合うというのが面白い。

対戦でも、ほかのクエストと同様、自分のハンター3人+助っ人1人という編成で戦う。HPは、各ハンターで固有に計測される

現在は「ランクマッチ」のみがプレイ可能。ランクに応じた相手と対戦し、勝つことでランクアップしていく

バトルでは、お互い同時にハンターを弾き合い、ダメージを競う。同時に攻撃し合うというのは、斬新な試合形式で楽しい!

対戦中は各ハンターに個別のHPが設定されていて、これがなくなるとそのハンターは倒されてしまう。

味方全員のHPがゼロになると、その試合には敗北となる。

ちなみに、対戦でも塗った面積によるダメージアップが反映されるので、より多くステージ内を塗ったほうが有利。

より多くの面積を塗りつつ敵ハンターを倒す、という戦略性が求められるので、クエストとはまったく違った楽しみ方ができる、アツいコンテンツだ。

敵ハンターを倒すと「SMASH!!」の表示が出て、そのハンターをK.O.できる。倒れたハンターは、回復アイテムを回収すれば復活可能だ

先に敵ハンターを全員K.O.すれば、試合に勝利。少しプレイした感じでは、やはり星4ハンターで固めていれば、パワープレイで押せるため、かなり有利に感じた

遠征所

ハンターにバベルの周辺を探索させて、アイテムや「地図」を入手できるという、ミニゲーム的なコンテンツ。

2人ひと組でチームを組み、向かわせるエリアを指定。

一定時間経過するとハンターが帰還して、お金(レガド)やアイテムを入手できるという流れだ。

探検できるエリアが少しずつ広がっていくので、クエストとはまた違った楽しみがある。

はじめは、バベルの周辺のみ遠征できる。遠征が完了すると、徐々に向かえるエリアが広がっていく

遠征は、完了するまでにリアル時間の経過が必要。ジュエルを使えば、一瞬で完了させることも可能だ

遠征チームが帰還すると、報酬としてレガドや地図を入手できる。地図は、APを消費せずにハンターの育成クエストなどがプレイできるアイテムで、種類はさまざま

対戦モードが斬新!

ありきたりな引っ張りアクションかと思いきや、塗りや武器、グラフィティなどの要素により、オリジナリティあふれる作品となっている。

特に衝撃を受けたのが対戦モードで、お互いに攻撃し合うという対戦形式は斬新極まりない。

現在は、まだリリースしたばかりということで、レア度が高いハンターによるパワープレイが有効だったが、バランスに関しては今後改善されていくことだろう。

全体的に完成度が高く、長く楽しめる良作タイトルと感じた。とりあえず弾いて遊ぶだけでも爽快なので、アクションゲーム好きなら触ってみることをおすすめする。

  • 使用した端末機種:SO-04J(Xperia XZ Premium)
  • OSのバージョン:Android 7.1.1
  • プレイ時間:約6時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.3.1
  • 課金総額:0円

(C) BANDAI NAMCO Online Inc.