Goat Simulator Waste of Space【ゲームレビュー】

Coffee Stain Studiosが制作する『Goat Simulator』シリーズの新作が登場。今回はついに地球を飛び出し、舞台は宇宙に。ヤギを主役に、細密な物理演算によって演出されるおバカな世界観は本作でも健在だ。

あのヤギがついに宇宙進出!

プレイヤーがヤギとなって自由気ままに振る舞う人気シリーズの最新作『Goat Simulator Waste of Space』。

今回は舞台を宇宙空間に浮かぶコロニーへと移し、開拓者や宇宙海賊を相手に大暴れすることになる。

スターウォーズ風のオープニングクロールが流れ、ヤギが乗った宇宙船がとあるコロニーへと墜落するところからゲームは始まる。

オープニング概要

そう遠くない未来の銀河の傍らで……

ときはクラウドファンディング時代。事業家になりたい連中が、邪悪な企業に対して最初の勝利をつかむため、インターネットの影で反逆を企てる。

彼らの完全統治は証明されることはなかったが、企業は脅威と銀河全域の追撃の開始を感じた。

企業からの魅力的な収買収提案から逃れるため、 Lawrence S. Windler率いるインディーファイターたちは、離れたとある惑星でクラウドファンディングを秘密裏に始めたのだった。

内容は『スターウォーズ エピソード4』のオマージュ。例の壮大な音楽も、ピープーといったどこか間が抜けた音でアレンジされている。これは必聴だ

コロニーに投資して宇宙開拓

本作では人間を攻撃したり、オブジェクトを破壊したりしてお金を稼ぐことでコロニーが発展する。

そうすると、ホバーバイクや宇宙船に乗れるようになったり、ワープポータルで惑星の各地を行き来できたりできるようになるなど、行動の選択肢が増えていく。

MMORPGのように自由に歩き回っているとミッションが発生し、ミッションを達成すると大金が手に入るので、ゲームを開始してしばらくは植民地のあらゆるを歩き回って、ミッションが発生したらこなしていくという進め方がおすすめだ。

ヤギ、宇宙に立つ! ヘルメットに加え、宇宙服を着用しているのが分かるだろうか? 宇宙空間ならではの低い重力のため、ジャンプは前作よりもふわっと高く跳ぶことができる

さまざまな特殊能力を持った別のヤギにキャラクターチェンジできるのも、前作と同じ。宇宙にちなんだヤギも用意されている。こちらはブラックホールを発生させる能力を持つ「教授ヤギ」

宇宙船やホバーバイクでスペースライフを満喫

ホバーバイクや宇宙船などの宇宙ならではの乗り物に乗れるのが、今作ならではのポイント。

ホバーバイクは、開放されればいつでも呼び出して乗ることができ、コロニー内をより速く移動することができる。

また、今作はシリーズでも最大級のマップの広さを誇るので、目的地が遠いときの移動に利用できるのがうれしい。

ホバーバイクを操縦する姿が、なかなかさまになっているヤギ。赤丸で囲んだボタンでターボ加速が可能だ

また、宇宙船に乗り込むと1人称視点の操縦モードになり、宇宙空間で海賊と戦うフライトシューティングを楽しめる。

上下のスワイプで機首の上げ下げ、左右のスライドできりもみ回転という操作性になっており、真っすぐ敵のほうに向かうだけでも難易度が高い。

1人称視点での宇宙船操縦。最初のうちはどれが海賊なのかわからず、仲間の船を撃沈しまくってしまうことに……。宇宙空間では上下左右の感覚がないため、敵を常に視界に入れておかなければ自分がどこにいるかわからなくなってしまう

宇宙空間でのドッグファイトは、3D酔いの危険とも隣り合わせ。自分がどこにいるかわからなくなった場合は、脱出ボタンを押せば、宇宙空間に放り出された後、しばらくしてゲーム開始地点に戻って来ることができる

至るところにちりばめられた笑いの要素

プレイヤー自身がヤギになるというシュールさや、Unreal Engineの物理演算が生み出すおかしな挙動で笑わせてくれる『Goat Simulator』シリーズだが、今作でも至るところにネタが仕込まれている。

あらゆるところで笑わせてくれる要素がぶち込まれているので、どこから突っ込めばいいのか分からないほど。

ゲーム開始地点から突っ込みどころが。ゲームを始めて天井を見ると、あきらかに宇宙船が開けた穴のサイズが合っていない

ミッションをこなしていたつもりが地球を破壊してしまう結果に。1頭のヤギによって地球が滅亡するとは誰が想像しただろうか

宇宙船での操作中に表示される稲妻ボタン。何か強力な攻撃が出るのかと思いきや、タップをすると紙ふぶきが舞ったり、カーステレオ?のCDを交換したりする。ただそれだけ

『Ace Attorney』(『逆転裁判』の海外版タイトル)ならぬ「Space Attorney」。このシリーズで逆転裁判のパロディーに遭遇するとは思わなかった

SF作品が好きな人だからこそ笑えるポイントもある。もしも気になるギャグがあれば、詳しい友だちに聞きながら元ネタを調べてみるのもアリだ。

ターディスとはテレビドラマ『ドクターフー』シリーズに登場するタイムマシン。ドラマでは交番の形をしているが、本作では公衆トイレ。汚物を撒き散らしながらワープする

  • 使用した端末機種:iPhone 6
  • OSのバージョン:iOS 9.3.2
  • プレイ時間:約4時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.1

(C) Coffee Stain Studios