ヴァイキング:クランの戦争(Vikings War of Clans)【ゲームレビュー】

海外のプレイヤーを魅了しているMMOストラテジーがついに日本に上陸! それが、ここで紹介する『ヴァイキング:クランの戦争』だ。数多く存在する同ジャンルのタイトルの中でも、特に本作が愛される理由をひも解いていこう。

協力プレイで最高に遊びやすく進化したオンラインRTS

『ヴァイキング:クランの戦争』はタイトルのとおり、自由と権力、恐れと暴力が支配する非情なヴァイキングの世界が舞台となっている。

ゲームをスタートした途端、プレイヤーは「ヤール」と呼び掛けられる。何のことを指すのかよくわからないが、町の領主として土地を発展させていこう

本作をプレイしてまず驚かされるのが、「壮麗」と表現されたグラフィックのクオリティーと操作の軽さだ。

こちらが町の様子。かなり細部まで作り込まれており、日々の暮らしを営む人々もリアルに表現されている

よく見ると、建物の影まで用意されているというこだわりっぷり。この作り込みは町だけにはとどまらず、世界中のあらゆる景観が細かく描かれている。

町から周囲を見渡すと、雪が積もっている地帯や小さな湖なども存在することが分かる。蛇や猟犬といった動物たちも周囲をうろついている

この美麗さを保ちながらも、操作性はバツグン。フリックでの移動や、ピンチアウトとピンチインでの拡大および縮小などの動きが非常になめらかで、ストレスを感じずに没頭できる。

プレイ中にカクツキを感じることはまったくなかった。システム面の出来栄えはすごいのひとこと

基本的なゲームの流れは、建築物を作り部隊を訓練して他プレイヤーなどとの戦闘に備えるという、ストラテジーゲームではおなじみのもの。

画面左上には常にクエストが表示されており、これを達成していくと、さまざまな報酬を得ながら自然と町を発展させていける

ほかにも、「タスク」と呼ばれる選択して指定の時間を待つだけで報酬がもらえるものや、タップするだけでランダムで何かがもらえる「ロキの宝箱」など、より遊びやすくなるコンテンツが数多く用意されている。

資源は自動回収!

資源を生成する建築物を用意しても、一定時間でたまった生産物をタップしていかないと資源を回収できないゲームが一般的だ。

しかしながら本作では、該当する建物を完成させるだけで、タップなどの操作をせずとも資源が次々に蓄積されていく。

このように、各資源は毎時間たまっていく

もちろん、資源は無限に供給されるわけではなく、貯蔵所とその資源を生産する建造物の合計「容量」が上限となる

そのため、チマチマとゲームをのぞく必要がなく、遊びたいときにだけプレイすればいいという親切設計となっている。

影響力のあるヤールを目指せ

本作では、ストラテジーゲームではおなじみの「資源」が5種類(食料、木材、鉄、石材、銀)あるのに加え、「影響」というステータスが重要な要素となる。

端的に表現するならば、影響とはプレイヤーのやり込み度を数値化したもの

影響は、クエストの報酬や建築物の建築やアップグレードの際に増加するほか、知識をアップグレードすることでも獲得していける

敵を襲撃して略奪をせずとも、影響は町を発展させていけば徐々に増えていき、プレイ中に減少するということはなかった。

徐々に増えていく影響の数値を見ると、自分の努力が町の発展に反映されていくのがひと目でわかり、思わずうれしくなってしまう。

100人で協力し合える「クラン」

建物のレベルが上がってきたり、大きな建物を建てようとしたりするときには、完成までにそれなりの時間を待つ必要が生じてくる。

町の中心となる「宮殿」のアップグレード完了には、2時間以上待たなければならないということも

ときおりもらえる時間短縮アイテムを使えばブーストは可能だが、それでもいつかは限界がくるはず。

そこで有効なのが、「クラン」のメンバー同士による援助だ。クランは、最大100人で集まれるコミュニティーとなっている。

クランではメンバーだけでチャットを楽しめるだけでなく、建築や知識のアップグレードなどへの援助を相互に行うことが可能だ。

建築物の建造やアップグレードを開始した後に「ヘルプ」を選択すると、各メンバーにリクエストが届く

最大10人からヘルプしてもらえる可能性がある。1回のヘルプにつき1分、または必要な時間の1%を短縮できる(効果が大きい方が自動選択される)

メンバーのリクエストは画面右下に表示される。ヘルプすると「クランストア」で使えるポイントなどが手に入り、デメリットはまったくない

特に回数制限も設けられておらず(受け取れるポイントには上限あり)、気軽に助け合うことができる。

このシステムのおかげか、いっしょに遊んでいる感覚をいっそう味わいやすくなっており、クランメンバーと仲を深めやすい工夫が盛り込まれているといえるだろう。

クランメンバーで集結し、町を守り合うのもクランならではの楽しみ方だ

また、クランにはそれぞれ言語が設定されている。海外プレイヤーが多いのが現状だが、日本人用のクランも続々と設立されているので、安心してほしい。

ほぼ満員まで集まった日本人ギルドも多数確認できた

さらに、今回のプレイでは体験できなかったが、タイトルの名前にもなるほど「クランの戦争」は熱く繰り広げられるはずだ。

激しい争いの中で勝どきを上げるためにも、クランメンバーと協力し合い、準備を万全なものとしていこう。

コロコロ変わる「コンペ」で競え

本作では個人とクラン用に1つずつ、「コンペ」と呼ばれる他プレイヤーと競い合う期間限定イベントが常に開催されている。

コンペの開催期間は1~2日間といったところ。期間内に決められた条件で増えるポイント数で争うことに

コンペの内容は、影響をアップするものや敵戦士を抹殺するものなど、バリエーション豊かになっている

毎回さまざまなテーマで気軽に争うことができ、飽きが来にくい工夫がなされているのは特筆すべき点だ。

ストレスフリーのリアルタイムストラテジー

日本語の言い回しに違和感を覚えることは多々あったが、プレイする分には気にならないレベル。

本作を遊んでみての印象としては、ストラテジーゲームで遊びづらかった部分、面倒だった部分を取っ払った遊びやすさを追求した作品に仕上っているように感じた。

またまだ紹介しきれていないコンテンツも多数存在する。ここに紹介するのはその一部。

町には「英雄の住処」があり、英雄には装備を作ったり、スキルを覚えさせたりすることで、建築作業をより効率的にすることが可能

スキルはツリー方式で覚えていく。「建築I」を習得すれば建築スピードが最大で40パーセントも早くなるので、初めから徐々にレベルを上げていくのがおすすめ

最後までアンロックできなかったが、クランには「猛攻」というメンバーで一斉攻撃ができるであろうコマンドも存在する

今回紹介することができたのは、本作の魅力のほんの一部に過ぎない。実際にプレイしてみて、その人気の理由を解き明かしてみてほしい。

  • 使用した端末機種:iPhone 6
  • OSのバージョン:iOS 9.3.2
  • プレイ時間:約2時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.6.0
  • 課金総額:0円

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