乱闘!ゴチャキャラうぉーず【ゲームレビュー】

ボーっとしているだけでも、兵士たちが自らの判断で奮闘してくれるタワーディフェンスゲーム『乱闘!ゴチャキャラうぉーず』。操作なしでも楽しめる戦略ゲームという、一見矛盾をはらんでいる本作の魅力をひも解いていこう。

突破法はその人次第の戦略ゲーム

『乱闘!ゴチャキャラうぉーず』は、最大50体ものちびキャラたちが入り乱れて戦うタワーディフェンス型のストラテジーゲーム。

バトルは双方が兵士を出し合い、先にリーダーのHPを0にした方が勝利となるというシンプルなルールで行われる

戦いの舞台となるのは、ヘッポコ王国。力を持ったアンコック帝国が次々と他国を征服していき、残るはヘッポコ王国のみになっているという状況だ。

その名のとおり、どの国より弱いヘッポコ王国の王「ヘンリー」は敵国の宣戦布告に対し、攻め込まれる前にこちらから打って出るという勇気ある決断をする

ヘッポコ王国からアンコック帝国までは、すでに支配された国がたくさん横たわっている。当然、やすやすと通行させてもらうことはできず、さまざまな国の兵士たちをやっつけていくことに

以降もステージを進めていくと、ヘンリー王を中心としたゆるいストーリーが紡がれていく。バトルを楽しみつつ、ストーリー展開にも注目していこう。

完全放置も可能な戦略バトル

バトル中の操作は「援軍要請」のみという、簡単操作という表現でも足りないほどのシンプルな内容。

少しずつたまるSPをうまく使って、状況に合った兵士をタップして出撃! ……といった面倒な操作をせずとも、敵味方が入り混じる乱闘バトルを楽しむことができるのだ。

編成された最大6人の兵士たちは、それぞれのゲージがたまると「前線」の近くから自動で出撃する

兵士は敵リーダーを目がけて進んでいくが、近くに敵兵士や「砦」などを発見すると、そちらに近づいて優先的に攻撃してくれる

砦を攻撃し続け、HPを0にすると占領できる。占領後は、前線がその砦まで拡大。より敵リーダーに近い位置から出撃可能となる

始めたてのころは、本当に眺めているだけで兵士たちが勝利へと導いてくれる。しかし、その限界はすぐに訪れる。

全体的にステージの難易度は高め。なんの工夫もなしでは、すぐに行き詰ってしまうことになる

援軍要請でよりタクティカルに

唯一、操作可能な援軍要請は、前線以内であれば好きな位置に選んだ兵士を出撃させられるモード。

「援軍要請」ボタンをタップすると時が止まる。時間や兵士を倒すことでたまるSP(ソルジャーポイント)を使って、好きな兵士を援軍に呼ぼう

これを用いることにより、遠距離攻撃が得意な兵士を守るように壁役ユニットを配備するといった、自動出撃だけでは味わえない戦略的なバトルが可能となる。

結局操作が必要なのか……と思った方もいると思うが、バトル前の準備さえしっかりすれば、完全放置プレイでもじゅうぶんに攻略することもできる。

後半戦のキモとなる「出撃数制限」

本作には、今までのタワーディフェンス型のゲームでは見たことのない出撃数制限という、兵士の数に制約を持たせるルールがある。

兵士数の限界が設けられることで、数による圧倒的な攻撃は不可能。これにより、最後まで手に汗握るバトルを楽しめるゲームシステムとなっている。

出撃できる人数が少なくなってきたら、兵士のアイコンをタップすることで、出撃させたくない兵士を「出撃停止」にできるテクニックも

また、援軍要請に限っては上限を超えても出撃できる(要請に必要なSPは上昇)といった、使い方次第ではいろいろな工夫が考えられるルールもある。

バラエティーに富んだジョブの兵士たち

6人まで編成できる兵士の職業は、多種多様。

職業によって見た目はもちろん、射程や攻撃範囲などのステータスも異なっている。バトル時のゲージのスピード「出撃時間」までもが、それぞれ違う

また、兵士たちは「スキル」を1つずつ持っており、それがさらに各々に特徴をもたらしている。

スキルの効果は、敵を状態異常にするものから味方兵士を回復させるものなど、非常にバラエティーに富んでいる

最初は限られた兵士でしか編成できないが、「国力レベル」を上げていくと新たな兵士が王国をうろつくように。

詳細をみて気になった兵士は、ゴールドを払ってどんどん雇っていこう

装備とレベルアップで屈強な兵士に

雇った兵士は、バトルで時々入手できるアイテムを装備することで、より強化することができる。

バトルしていると、砦とは違う建物が建っていることがある。これが「宝物庫」だ。HPを0にすると、何らかのアイテムが手に入る

そのほかに、敵兵士がアイテムをドロップすることもある。入手したアイテムは、各兵士に2つまで装備できる。

何でも装備できるわけではなく、武者なら剣、軽鎧、籠手といったように、その職業に合ったアイテムでないと装備できない

運がいいと金文字で書かれたレアアイテムを手にできることも。入手しにくいだけあって、強力な効果が備わっている

また、雇った後にゴールドを支払うことによりレベルアップさせ、ステータスを上昇させることもできる。

レベルアップによって強化できるのはHPと攻撃力、防御力。その他のステータスは変動しないので注意しよう

このようにお気に入りの兵士を強化していき、それぞれの長所を生かした編成を考えて、プレイヤー自身の操作なしでは勝てなかったバトルに同じスタイルでリベンジしていくことができる。

バトルランクを上げて国力レベルアップ

苦戦してしまったときはクリア済みのバトルに戻り、最高バトルランク「S」を目指すのもアリだ。

バトルランクは、クリアまでに掛かった時間や戦闘評価などが考慮されて判定される。ステージでベストランクを取ると「国力ポイント」が得られる

一定の国力ポイントをためればレベルアップ。王国が大きくなり、兵士のレベル上限や「出撃上限数」などが上昇し、戦力を大幅に上げられる

自分好みに楽しみ方をアレンジしやすい戦略ゲーム

タワーディフェンス型の戦略ゲームと説明されてはいるが、Google Playに表示されたジャンルは「カジュアル」。

どんなプレイスタイルの人でも、カジュアルにくつろぎながら遊びやすくなっているゲームに仕上がっているように感じた。

とことん好きな兵士を強化するもよし、援軍要請をうまく使って切り抜けるもよしと、プレイに行き詰ってしまったときの解決法はプレイヤーの思いつき次第で多様に広がっている。

筆者は、記事を書き進めながら完全放置でクリア済みのステージを周回してゴールドを稼ぎ、レベリングを進めることで難しいステージに挑んでいった

遊び方は無数に考えられるので、あえて自分だけの縛りプレイを考えて攻略するのも、険しい道になりそうだが面白そうだ。

例えば、兵士には「グレード」というレアリティーのようなものがある。グレードの低い兵士にもメリットがあるので、グレード2以下の兵士のみでクリアといった縛りを設ければ、本作の難易度はさらに高くなる

今回のプレイでどれくらいボリュームがあるかは判明できなかったが、アイテムの総数から判断するかぎり、本作はかなりの大作となっていると考えられる。

獲得アイテムリストは6ページにわたり、全117種類。17ステージクリアして最後に手に入ったアイテムでも3ページ目の頭といったところなので、40ステージほどは用意されていると大まかに予想できる

本作に課金要素はまったくない。こんな良作を最後まで課金なしで遊び尽くせてしまうのだ。少しでも気になった方は、まずは完全放置プレイからでも一度プレイしてみることをおすすめする。

  • 使用した端末機種:iPhone 6
  • OSのバージョン:iOS 9.3.2
  • プレイ時間:約2時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0
  • 課金総額:0円

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