Shadowmatic【ゲームレビュー】

『Shadowmatic』は、オブジェクトを回転させて隠された「影絵」を見つけ出す3Dのパズルゲームだ。開発を手掛けたのはアルメニアでCM映像などを中心に制作しているTRIADA Studio。まったく意味をなしていないオブジェクトが、ある角度から見たときだけ正しい姿を現す。その一瞬を見つけるのがクセになる作品だ。

正しい「影絵」を探し出すため
抽象的なオブジェクトをクルクル回せ!

本作にストーリーなどはない。プレイヤーは想像力を精一杯に働かせ、ただひたすらにオブジェクトを回し、正解となるシルエットを探すのみだ。ほのかな明かりに照らされた画面と、心にやさしく響くインストゥルメンタルな音楽が没入感を加速させ、思わずゲームにのめり込んでしまう。

飾り気のないシンプルなタイトル画面。しかし、バックに流れる音楽を聴きながらだと、これすら延々と眺められる気分になるから不思議だ。ちなみに、本作のゲーム音楽はiTunesで購入することもできる

意味不明のオブジェクトが見せる正しい姿

『Shadowmatic』のシステムはいたってシンプル。空中に浮いているオブジェクトを上下左右に360°動かして、壁に映る影絵を正解の形にするのが目的だ。もちろん、最初はどんなシルエットになるかがわからないので、オブジェクトや影絵を頼りに、少しずつ推理していくことになる。

オブジェクトの上で指をスワイプさせると、その方向へとオブジェクトが回転。2本の指でスワイプすると、形を変えずに時計回りか反時計回りに回転させることができる。最初はまったく意味不明の物体に思えたが……

少し回転させていくと、ある形が見えてきた!? なお、正解に近づくにつれて画面下にある6個の「プログレスバー」が1つずつ点灯していき、それが攻略の目安となる

プログレスバーが光り、シルエットがエンジェルの姿を形作って完成。掛かった時間によりスコアがプラスされる

レベルをクリアすると、次のレベルへと進むツリーが解放される。収録されているレベルの数は80以上

最初は1つのオブジェクトしか登場しないが、先のステージへ進むと2個、3個と増えていって難易度もぐんと上昇。ノーヒントでクリアするなら、イマジネーションとインスピレーションをフルに活用しなければならない。最近、物忘れが多いおっさんの筆者にはなかなかしんどいが、脳を鍛えるのにも効果がある(気がする)。

オブジェクトが2個の場合、まずは片方ずつ動かして両方を正解のシルエットにする。このときも、プログレスバーの光を参考に

その後、双方のシルエットを変えずに同時に動かして、正しい位置に持っていけば完成だ。同時に動かす場合は、左下のボタンを押しながら2本の指でスワイプすればOK

オブジェクトが3個の場合、2個のオブジェクトを正しい角度にして適合させれば、3個目は自動的に組み合わされて完成となる。完成図が想像しにくい分、かなり難易度が高い。

まれに、正解の形と名称が合ってないのではないかと思わされることも。この図形なんか、どう見てもアラレちゃんが持っていたアレにしか見えないのだが……。そういった意味で、難易度の高いレベルも存在する

レベルによっては隠されたシルエットも!?

通常、各レベルにはそれぞれ1つの影絵が隠されているが、さらにシークレットのシルエットが存在するレベルもある。シークレットとなる影絵は、エイリアンや騎士といった少々特徴的な形をしており、見つけるとボーナススコアが加算される。

シークレットボーナスの形は、画面右上に表示される◎ボタンからアクセスできる「シークレットセクション」で確認可能。オブジェクトとシークレットのシルエットを照らし合わせて、どれが隠されているかを推理しよう

どうしてもわからない場合のヒントもあるが……

正解が皆目見当もつかない場合、「ヒントポイント」を消費してヒントを聞くこともできる。各レベルに4つのヒントが用意されていて、1つめのヒントは漠然と答えを連想させる事柄、2つめはもう少し具体的なヒント、3つめはシルエットのタイトル、4つめには正解となるシルエットを教えてくれる。

ヒントを表示するのに必要なポイントは最初に21ポイントが与えられており、レベルクリアやシークレットの発見、課金などで増やすことができる。最後となる4つめのヒントは、ポイントの消費量も多い。むやみに使わず、1つめか2つめぐらいにとどめて正解を導き出したいところだ

ヒント4までいくと、正解の絵が画面に表示されるのでかなり簡単に。しかし、本作の楽しさは正解を探して知恵と想像力を絞りまくるところなので、できればノーヒントで挑戦したい

想像の翼が広がり、妄想することを楽しめる秀作

チュートリアルは操作方法を習うだけ。オブジェクトの動かし方さえわかれば、あとはゲームを隅々まで楽しめる。小手先のテクニックや記憶力もいらず、必要なのはあれこれと想像することだけなので、ゲームに慣れていない人でも楽しめるだろう。ノーヒントでいろいろと試行錯誤し、正解までたどり着いたときの達成感は格別だ。また、正解するまでの「こうするとアレに似ているな」とか「こうするとアレっぽいんだが」など、自由気ままに妄想する時間も本作の醍醐味だ。長距離移動時や寝る前など、ゆっくりとBGMに浸りながら時間を気にせずプレイするのをおすすめする。

ちなみに『Shadowmatic』は有料アプリなのだが、9月18日から本日9月24日までの1週間だけ「今週の無料App」として無料でダウンロードすることができる。パズルゲームが好きな方はこの機会にぜひプレイしてみてもらいたい。

  • 使用した端末機種:iPhone 4S
  • OSのバージョン:iOS 8.3
  • プレイ時間:5時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.7
  • 課金総額:0円

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