【ゲーム用スマホ選び2017年新春版】Xperia XZ徹底レビュー!Xperiaシリーズユーザーは買い替えるべきか?

根強い人気を誇るソニーXperiaシリーズの最新モデル「Xperia XZ」。旧モデル「Xperia X Performance」が国内で発売されてから半年足らずで投入された本機の性能や、ゲームのプレイフィールをお届けする。

Xシリーズ2世代目の実力に迫る

ZからXへとネーミングを新たに展開するXperiaシリーズの最新モデルは、XZというどっちつかずなネーミングで登場。

「Xperia X Performance」(以下、XP)が国内で発売してから約2か月後に発表され、フラッグシップモデルは年に1機種のペースで発売する予定は早くも崩れたことになり、XPを購入したユーザーの不満を募らせたことだろう。

※XPはXシリーズの派生シリーズと捉えることができるが、XP発表当時は各メディアがフラッグシップモデルと報道しており、ソニーの開発者もそれを認める発言をしているため、ここではフラッグシップモデルとして扱う。

スペックも大きな違いはないが、XPで不満の声が多かったバッテリー容量がZ5と同等の2,900mAhに戻り、欠点の少ない端末へと仕上がっている。

その他にはカメラ機能が主に強化されているが、ゲームプレイに関わるハードウェア構成にはほとんど変化が見られず、ディスプレイサイズが5.0インチから5.2インチへと若干の大画面化を遂げているくらいだ。

付属品は、マニュアル類とフルセグ視聴用のアンテナのみ。ACアダプターやUSBケーブルは別売りとなっている

XZとXPの基本スペック比較

端末名Xperia XZXperia X Performance
SoCSnapdragon 820(2.2GHz×2コア+1.6GHz×2コア)Snapdragon 820(2.2GHz×2コア+1.6GHz×2コア)
RAM3GB3GB
ROM32GB32GB
ディスプレイ5.2インチ トリルミナスディスプレイ for mobile(フルHD)5.0インチ トリルミナスディスプレイ for mobile(フルHD)
本体サイズ(高さ×幅×厚さ)約146×約72×約8.1mm約144×約71×約8.6mm
重量約161g約165g
バッテリー容量2,900mAh2,570mAh

XPよりさらに丸みを帯びたデザイン

本体の素材は、ALKALEIDOという高輝度かつ高純度な金属素材を使用。

背面の下部は、アンテナ部となる樹脂製の素材となっているが、金属部を同じカラーで統一感が保たれている。

細いライン状のアンテナとどちらが良いかは、好みの問題になってくるだろう。

アンテナの樹脂部分が若干濃いカラー。ちなみに、カラーはミネラルブラック、フォレストブルー、プラチナ、ディープピンクの4色展開。個人的にはZ~Z2にあったパープルを復活させてほしいが……

ハードボタンは右側面に集約しており、電源ボタンとボリュームボタンに加え、カメラボタンを搭載。画面に触れずにカメラの起動やシャッター操作を行うことができる。

画像左が上側。中央の電源ボタンは指紋認証のセンサーを兼ねており、本体を握るように持つと自然に親指がかかる位置に配置されている

左側面のSIMトレイはSIMピンなしで取り外しができるタイプ。nanoSIMとmicroSDカードを挿入できる

表裏両面のエッジに丸みを持たせているため、手に持ったときの収まりが非常にいい感触。片手だけで持つポジションを調整しやすいので、女性でも扱いやすそうだ。

底面にはUSB Type-Cポートとマイク、対して上側面にはイヤホンジャックとセカンドマイクを配置。

USB Type-Cを採用したのもXPからの主な変更点。ケーブルが付属しないため、始めてType-C対応機器を購入するという人は、別途購入する必要がある

重量の実測値は、160.2g。同じディスプレイサイズのZenFone 3と比較すると16gほど重く、XPよりは若干軽い結果に。丸みのあるボディで持ちやすいこともあり、重いと感じることはなかった

ベンチマークテスト結果

AnTuTu benchmark

AnTuTu benchmarkにて総合的な性能を計測。結果は2016年のフラッグシップモデルとしてはまずまずの13,7595をマークした。

RAMを4GB搭載している端末と比較すると、やはりRAMのスコアで遅れをとっている。

ゲーマーの利用シーンで考えてみると、ゲームを遊んでいる途中で攻略情報を見るためにブラウザを起動したり、スクリーンショットをSNSで共有したりと、マルチタスクをこなすことが日常茶飯事。

いざゲームに戻ると、起動しなおさなければならないことがちらほら見受けられたため、ゲームのタイトルやプレイスタイルによってはストレスを感じることがあるだろう。

3DMark:Sling Shot using ES 3.1

3DMarkのSling Shot using ES 3.1を使用して3Dグラフィック性能を計測した結果は、2,353を記録。

今現在配信されている3Dゲームを遊ぶにはじゅうぶんなスコアと言えるが、やはり他社のフラッグシップモデルと比較すると少し見劣りしてしまう結果だ。

Xperiaシリーズで比較すると、Xperia Z5 Premiumの2倍近くのスコアとなっており、Zシリーズから買い替えれば、明らかに違いが分かるだろう。

歴代のXperiaシリーズでは発熱が問題視された例もあったが、本機に関しては発熱不具合の報告を非常に少ない模様

3DMarkのデータベースでのXperiaシリーズのスコア比較。XPとは大差なく、単純にゲームの動作だけを考えた場合、買い替えるほどの違いは見られない

Zシリーズからは機種変更を推奨!

スマホはXperiaしか使ったことがないという人もいる根強い人気シリーズで、その最新モデルは買い替えるに値するか気になる人も多いことだろう。

筆者の答えとしては、Z5以前の機種からは買い替えを推奨、XPからは次世代機を待つのがおすすめ。

XPからXZで進化した点をおさらいすると、

  • ディスプレイサイズが5.0インチから5.2インチに
  • バッテリー容量が2,570mAhから2,900mAhに
  • 4K動画が撮影可能
  • レーザーAFセンサー/RGBC-IRセンサーを新たに搭載しカメラ機能を強化
  • スマホ初の5軸手ぶれ補正
  • 生活リズムに合わせて充電速度を調節し、バッテリー寿命を延ばす「いたわり充電」

が主なところだ。

ゲームプレイに関係しそうなところは、バッテリー容量の増加くらいだろうか。

増えたとはいっても、決して大容量バッテリーというわけではないため、発売から1年も経っていないXPから買い替えるほどの訴求力があるとは思えないというわけだ。

端末のサイズは大きくもなく小さくもないといったサイズで、多くの人がゲームをプレイしやすいと感じるのではないだろうか。スピーカーが前面のベゼルに搭載されているため、指で覆うこともない

『アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ』の動作判定はもちろん3D標準。ノーツが多い場面でも、しっかりタップを認識してくれた

日本語入力に特化したIME「POBox」も1つの特徴。ローマ字入力で、使う文字が限られる場面で自動的にむだなキーが無効になるなどの機能を備える

カメラ機能の強化、バッテリー寿命に優しい充電機能など、性能を気にするゲーマーより、普段使いを気にする一般ユーザーに向けてチューニングされた印象だ。

ゲームの動作だけがスマホ選びの基準だという人には、AXON 7やZenFone 3 Deluxeなど、他のハイスペックモデルをおすすめしておく。

また、PS4のリモートプレイができるのも他の機種にはない機能だが、5.2インチの画面はPS4のゲームを遊ぶにはあまりにも小さすぎる。

コンシューマーゲーム機のゲームは大画面ディスプレイで、スマホではスマホゲームという風に、それぞれのデバイスで適したゲームを遊ぶべきだろう。

※本稿の写真・スクリーンショット画像・ベンチマークテストはSoftbank版のXperia XZを使用 

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