Xシリーズ2世代目の実力に迫る
ZからXへとネーミングを新たに展開するXperiaシリーズの最新モデルは、XZというどっちつかずなネーミングで登場。
「Xperia X Performance」(以下、XP)が国内で発売してから約2か月後に発表され、フラッグシップモデルは年に1機種のペースで発売する予定は早くも崩れたことになり、XPを購入したユーザーの不満を募らせたことだろう。
※XPはXシリーズの派生シリーズと捉えることができるが、XP発表当時は各メディアがフラッグシップモデルと報道しており、ソニーの開発者もそれを認める発言をしているため、ここではフラッグシップモデルとして扱う。
スペックも大きな違いはないが、XPで不満の声が多かったバッテリー容量がZ5と同等の2,900mAhに戻り、欠点の少ない端末へと仕上がっている。
その他にはカメラ機能が主に強化されているが、ゲームプレイに関わるハードウェア構成にはほとんど変化が見られず、ディスプレイサイズが5.0インチから5.2インチへと若干の大画面化を遂げているくらいだ。
XZとXPの基本スペック比較
端末名 | Xperia XZ | Xperia X Performance |
---|---|---|
SoC | Snapdragon 820(2.2GHz×2コア+1.6GHz×2コア) | Snapdragon 820(2.2GHz×2コア+1.6GHz×2コア) |
RAM | 3GB | 3GB |
ROM | 32GB | 32GB |
ディスプレイ | 5.2インチ トリルミナスディスプレイ for mobile(フルHD) | 5.0インチ トリルミナスディスプレイ for mobile(フルHD) |
本体サイズ(高さ×幅×厚さ) | 約146×約72×約8.1mm | 約144×約71×約8.6mm |
重量 | 約161g | 約165g |
バッテリー容量 | 2,900mAh | 2,570mAh |
XPよりさらに丸みを帯びたデザイン
本体の素材は、ALKALEIDOという高輝度かつ高純度な金属素材を使用。
背面の下部は、アンテナ部となる樹脂製の素材となっているが、金属部を同じカラーで統一感が保たれている。
細いライン状のアンテナとどちらが良いかは、好みの問題になってくるだろう。
ハードボタンは右側面に集約しており、電源ボタンとボリュームボタンに加え、カメラボタンを搭載。画面に触れずにカメラの起動やシャッター操作を行うことができる。
表裏両面のエッジに丸みを持たせているため、手に持ったときの収まりが非常にいい感触。片手だけで持つポジションを調整しやすいので、女性でも扱いやすそうだ。
底面にはUSB Type-Cポートとマイク、対して上側面にはイヤホンジャックとセカンドマイクを配置。
USB Type-Cを採用したのもXPからの主な変更点。ケーブルが付属しないため、始めてType-C対応機器を購入するという人は、別途購入する必要がある
重量の実測値は、160.2g。同じディスプレイサイズのZenFone 3と比較すると16gほど重く、XPよりは若干軽い結果に。丸みのあるボディで持ちやすいこともあり、重いと感じることはなかった
ベンチマークテスト結果
AnTuTu benchmark
AnTuTu benchmarkにて総合的な性能を計測。結果は2016年のフラッグシップモデルとしてはまずまずの13,7595をマークした。
RAMを4GB搭載している端末と比較すると、やはりRAMのスコアで遅れをとっている。
ゲーマーの利用シーンで考えてみると、ゲームを遊んでいる途中で攻略情報を見るためにブラウザを起動したり、スクリーンショットをSNSで共有したりと、マルチタスクをこなすことが日常茶飯事。
いざゲームに戻ると、起動しなおさなければならないことがちらほら見受けられたため、ゲームのタイトルやプレイスタイルによってはストレスを感じることがあるだろう。
3DMark:Sling Shot using ES 3.1
3DMarkのSling Shot using ES 3.1を使用して3Dグラフィック性能を計測した結果は、2,353を記録。
今現在配信されている3Dゲームを遊ぶにはじゅうぶんなスコアと言えるが、やはり他社のフラッグシップモデルと比較すると少し見劣りしてしまう結果だ。
Xperiaシリーズで比較すると、Xperia Z5 Premiumの2倍近くのスコアとなっており、Zシリーズから買い替えれば、明らかに違いが分かるだろう。
Zシリーズからは機種変更を推奨!
スマホはXperiaしか使ったことがないという人もいる根強い人気シリーズで、その最新モデルは買い替えるに値するか気になる人も多いことだろう。
筆者の答えとしては、Z5以前の機種からは買い替えを推奨、XPからは次世代機を待つのがおすすめ。
XPからXZで進化した点をおさらいすると、
- ディスプレイサイズが5.0インチから5.2インチに
- バッテリー容量が2,570mAhから2,900mAhに
- 4K動画が撮影可能
- レーザーAFセンサー/RGBC-IRセンサーを新たに搭載しカメラ機能を強化
- スマホ初の5軸手ぶれ補正
- 生活リズムに合わせて充電速度を調節し、バッテリー寿命を延ばす「いたわり充電」
が主なところだ。
ゲームプレイに関係しそうなところは、バッテリー容量の増加くらいだろうか。
増えたとはいっても、決して大容量バッテリーというわけではないため、発売から1年も経っていないXPから買い替えるほどの訴求力があるとは思えないというわけだ。
カメラ機能の強化、バッテリー寿命に優しい充電機能など、性能を気にするゲーマーより、普段使いを気にする一般ユーザーに向けてチューニングされた印象だ。
ゲームの動作だけがスマホ選びの基準だという人には、AXON 7やZenFone 3 Deluxeなど、他のハイスペックモデルをおすすめしておく。
また、PS4のリモートプレイができるのも他の機種にはない機能だが、5.2インチの画面はPS4のゲームを遊ぶにはあまりにも小さすぎる。
コンシューマーゲーム機のゲームは大画面ディスプレイで、スマホではスマホゲームという風に、それぞれのデバイスで適したゲームを遊ぶべきだろう。
※本稿の写真・スクリーンショット画像・ベンチマークテストはSoftbank版のXperia XZを使用
(C) 2016 Sony Mobile Communications Inc. All right reserved.