もっぱら移動中やうんこ中にスマホゲーをプレイする中年無課金ゲーマーのわたくしとしましては、あんまり過度なゲーム性や札束で殴り合う系のコンテンツは嫌いなんですよ。
なんてたって、廃課金上等の村ゲとして著名であった『ブラウザ三国志』や、地味に名作と名高い『パワフルプロ野球』スマホ版でさえ数千円も課金してませんからね。
そんな私が無課金のお供に年末年始に手掛けたのが『蒼空のリベラシオン』であります。
理由は友だちがやっていたから。なんか面白そうだったんですよね。パッと見、ベルトアクション風で、昔は『ゴールデンアックス』とかジジィでノーコンクリアやってた私としては、食指が動くタイプのゲームと思ったんです。
ところがですね、タイトル画面からして「塚田農場で忘年会どうよ」ですよ。
あのさ、このゲームの舞台はファンタジーっすよね。異能のイケメンや可憐な美少女が架空世界を救うタイプのゲームのはずなんですけど、一気におっさんめくるめくビール飲み放題的な惨事を予感させる広告が来たからには行かざるを得ないじゃないですか塚田農場。
無課金で遊ばせていただいている御礼も兼ねて塚田農場行くんすが、そこで払った数千円でガチャ回せといわれればそのとおりでございます、はい。
んで、満を持してプレイしてみるといきなり主人公死んでやんの。だせー。
ガチャを回してガラの悪い無骨なあんちゃんをゲット。グラフィードさんだそうです。おお、これは好みだ。これはしばらく彼とともにこの世界を放浪したいと思って刀を振り回すわけですね。
ゲームとしてはいたってシンプル。通常技を押した後で必殺技を繰り出せば、通常技の回数に応じて偉そうな技が出ます。ただの剣士なのに爆発したり竜巻起こしたりするんですよ。不思議ですね。実生活でそんな奴見たことないです。
しかも、敵にとっては不運なことに、そういう技に巻き込まれると天高く舞い上げられて、コンボを決められてしまいます。つーか、随分と高層階にまで連れて行かれて、はっきりいってそんな高さから真っ逆さまに落ちたら即死待ったなし。私だったら絶対死ぬ自信ある。やめて。
さらに、まともに喰らったらバラバラ殺人状態になりかねない必殺技もゲージがたまれば出ます。ヤバイ。
マルチプレイのためのロビーに行くと、見知らぬプレイヤーさんたちと4人までパーティを組んでいろんなクエストをさばくことができます。
図らずも『ゴールデンアックス』とのコラボ面まであって、30年の時を経てデスアダーさんとこんなところで再開するとは。何か妙に強いんですけど、デスアダーさん。お元気そうで何よりです。
他のプレイヤーさん、概ね自キャラはレベル最大の200まで強まってて、まだレベルの低いころの私はお客さん状態だったんですけど、これ系のゲームの割にみなさん優しくてうれしい。このゲームの雰囲気にマッチした、塚田農場好みのほんわかプレイヤーさんがそろっておられるのでしょうか。
そうこうしているうちに、どんどんマップをクリアしていきます。道中、ストーリーとは無関係の宝箱ルートとかありまして、街中ではならず者のみなさんが登場しては竜巻に巻き込まれて天高く舞い上がったり、爆発に巻き込まれて吹き飛ばされたりしてかわいそうです。
もう少し美男子に生まれていればキラッキラした鎧兜に身を包んでキャッキャウフフできたかもしれないのに、彼らの人生ハードモードぶりを見ると涙で液晶が見えません。
イベントも、クリスマスはあるわ、新年あけましておめでとうございますとかいわれるわ、これのどこがファンタジーなんだといいたくなるような見事な迎合ぶりで完璧な仕事を感じさせます。なんかちゃんと小芝居もあるし。イベント担当の中の人、本当におつかれさまでございます。
このゲームの悩ましい点としては、でっかい盾持ってるディフェンダーという職業の人が盾を構えない限り、敵は平然と前衛スルーしてきて、後列にいる魔法使いとか坊さんも直接攻撃に晒されるという素敵仕様になっている点です。
遠くに離れて弓だけ撃ってたいお前も味方を癒し肉壁に守られてぬくぬく暮らしたい気になるあの子も、敵ボスのドラゴンのブレスを喰らうわ敵騎士の繰り出す全体攻撃を受けるわでしっちゃかめっちゃかです。
職業を分ける意味も戦闘での戦術もほとんど関係ない、属性だけがすべてだといわんばかりのシステムの割り切りっぷりに感銘を受けました。
ザコだろうがボス竜だろうがおかまいなしに宙に舞わされコンボを叩き込まれる姿に「ああ、これが今風のアクションRPGなのだなあ」と思いながら年末年始を楽しく過ごさせていただきました。
そんでまた、タイトル画面では今度は「塚田農場で新年会しろ」って呼びかけがくるわけです。おかのした。
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