『ポケモンGO』超たのしー状況に悶える44歳の春【山本一郎のスマホ情報見聞録】

山本一郎です。44歳になりました。もうね、360度どこから見てもおっさんです。先日、あなたの全身を撮影して3Dプリンターで10分の1のミニチュア作りますとかいうサービスの体験会に行ったんですよ。そしたらですね、できたのが10分の1のおっさん。おっさんです。小さな小さなおっさん。悲しかったですね。大きかろうが小さかろうがおっさんだというのは。この逃れられない現実。どうしようもないなと強く感じた次第です。生きていこう、おっさんとして。

で、おっさんである私の悩みは運動不足です。まあ、他人にあまりいえない持病もあるので、マラソンとか激しい運動はできないんですけど、やっぱり体調が優れないときに人間ドックとかいくと「運動不足ですね」とか医師にいわれるわけです。

わかっとるわ。お前にいわれんでも100%自分がよく理解してるっすよ。

あのね、若いころはすごいやせてたんですよ、不健康な食生活にタバコに酒にと不摂生してたんで。でも、結婚して子供ができて、3食食べて規則正しい生活を始めてみたらあらびっくり、50kgだった体重が77kgになったじゃありませんか。5割増し。

そりゃ、体調も悪くなりますですよ。運動しなくてもやせていて健康だったのが、年を取ってみると運動しないと健康を維持できないということに気が付くわけです。

んで、身の回りにいるやせたおっさん仲間に聞いてみると、共通しているのがジョギングとかトライアスロンとか。

ただ、そういうアウトドアにのめり込んで健康を維持している奴らに限って不倫して家庭が壊れていたり、健康亢進しすぎて会社クビになってたり酷い人生を送っているんです。いくら何でも家族は大事にしたい。

そんなわけで、思いついたのがポケモンGOと禁酒。これです。激しい運動できないのは仕方ないけど、歩くぐらいならいいんじゃね。

あと、酒やめれば夜に飯を食う必要もなくなるし、やせるに違いない。完全に禁酒すると付き合いもあるから週1回にしよう、そうすればいけるだろう。そんなふうに考えていた時期がオレにもありました。

で、ポケモンGO。ゲームに関しては流行りものはとりあえず落としてみるわたくし、ゲームがダウンロード開始されたその日に落として、レベル6まで上げてすぐやめています。

やめた理由は簡単、「ハマるとヤバそうだから」。っていうか、ポケモンGO、超楽しそうだったんですよね。ずっとやってそうな気がして。2駅3駅平気で歩きそう。ヤバイ。

無課金兵の意地を見せてくれるわとかいってジム前に陣取ってずっと連打してそうなので、私の心のセーフティバーがですね、鳴ったわけですよ、ウォンウォンと。「だめだいちろう、このゲームは絶対お前を廃人にするぞ」って。

だがしかし、歩くモチベーションを作る必要が出てきたとなると話は違います。ちょっとやるぐらいならポケモンGOいいんじゃね。ウォーニングを心に鳴らしている場合じゃねえよ、中性脂肪落とさないと。ウォーニングよりウォーキングですよ兄貴。

兄貴って誰だかわかりませんが、サービス開始当日から封印していたポケモンGOをダウンロードし直し、半年の時刻(とき)を経てプレイヤーとして参戦してみたわけです!

……まあ、浦島太郎ですわ。なんかモンスターボール当たらなくね? 遠くにコウモリ飛んでて当てるのに一苦労。こんな難しかったっけ。

あわててサイトで攻略情報を見るわたくしですが、初心者過ぎて情報がどこにあるのかわからない。また、サービスされて長いもんだから、いろいろどんどん新しい情報が積み上がっててカオスになってる。

あれだ。学生時代にうっかり病気で休んでしばらくいない間に授業が進んでて、ノート借りるときのバツの悪さだ。ごめん、試験範囲どこ? みたいな。サイトで調べたり、SNSで先輩ポケモントレーナーにアドバイスを求める日々。

ポッポマラソンというのがあるというのをスマホで見て、あれ、これってポッポをパートナーで連れ歩けばいいのか? と早合点して、しばらく歩いてアメが1個手に入る、みたいな。

っていうか、普通に歩いてポケストップ回してるだけなのに、GPSの機嫌が悪いと「お前、運転してんじゃねえの?」みたいなポップアップが出てウザいんです。してねーよ。思わずスマホの画面に突っ込んでしまいます。

あと、アプリが頻繁に落ちるのでイラつきます。ジム戦に慣れてきて、がんばって戦って勝てそうだというところでアプリが落ちてブチ切れですよ。あるいは、しばらく歩くからアプリ起動したままポケットに入れておいて目的地ついてスマホ見てみたらアプリ落ちてたとか余裕でブチ切れです。iPhone投げたくなるぐらいに。

少なくとも1kmは歩いたはずなのに、たまご孵すのに100mも進んでないとは何事か。さてはお前、私がポケットにスマホを入れた瞬間にアプリ落ちたな。ふざけんなよ。こっちは無課金だぞ。

とか心の中でイラつきながらも、ポケモンGO片手に歩く習慣が身につきました。気のせいか、足取りも軽くなった気がします。気のせいだとは思うけど。

何より、ポッポを集めて一気に進化させるのがもうかわいくて。痒い羽根をくちばしでつつく仕草とか最高。まあ、進化させてもまとめて博士送りになるわけですが。博士は養鶏場でもやってるんでしょうか。イマイチ博士の生態系がよくわかりません。

もちろん、ポケモンのいろんな種類を集めるのも楽しいんですけど、私としては好きなかわいいポケモンを集める方に集中してしまいます。ああ、カモネギとニャースはいつまでも手元に置いておきたい。かわいい。実にかわいい。

ポッポとかニャースとか、進化しない方がかわいいのなら、ずっとずっとそのまま置いておいて撫でていたいんですよね。弱くても、使えなくても、ポケモン保有枠埋まりそうでも、カモネギとニャースは全部お気に入りに。

そんなこんなでバレンタインイベントがあり、あちこちのポケストップで効果時間が6時間に延ばされたルアーが焚かれ、まるで季節外れの桜のようにフィールドを賑わわせています。その一つ一つにプレイヤーがいて、ポケモン捕まえて遊んでいるとか最高です。

ああ、なんで私は初日にやめてしまったのだろう。失敗した。楽しいよポケモンGO。アプリ落ちて腹立つけど。

そんなわけでもうすぐレベル25に到達するわけなんですけど、1ヵ月以上やってて楽しいというのは驚きです。毎日心穏やかにポッポを見つけ次第捕獲して楽しんでいます。アプリ落ちる以外は最高です。一日一善、ジムにドガース置きながら10円相当をもらって目指せポケモンボックスアップグレード!

なお、気になる体重ですが、77kgが2ヵ月弱で71kgになりました。禁酒効果もあったかもしれません。でも、案の定すっかりハマってしまったポケモンGOが楽しければいいんです。ああ、早く次のバージョンアップ来ないかな。