LINE ウィンドソウル【ゲームレビュー】

全世界で2,200万DLを記録した『LINE ウィンドランナー』のスタッフによる新作『LINE ウィンドソウル』が登場。ヒーローと召喚獣を操って世界を救う、ド派手な召喚RPGとなっている。ストーリーに加えてメニューやキャラクター画面など、すべてが美麗な3Dアニメーションになっているのが特徴で、佐藤利奈さん、植田佳奈さん、阿部敦さん、高橋未奈美さんら豪華声優陣も出演。

ケモノを召喚して敵を撃破せよ! オフェンス型オンラインRPG

タワーディフェンスといえば、進攻してくる敵に対して自分の部隊や罠を配置して迎え撃つゲームだが、本作は逆に待ち受ける敵に対して進攻していく、強いていえば「タワーオフェンス型のRPG」だ。召喚獣や自分の育成がRPG的な要素となっており、戦闘画面での召喚の順番や位置取りが高い戦略性に寄与している。前後の移動だけと侮るなかれ! これがなかなか、奥が深い。

SPゲージが満タンになると、BURSTスキルが発動可能に。ヒーローごとにそれぞれ3種類のスキルが用意されており、どれが発動するかはランダムとなっている

回復可能な召喚獣と、回復不可なヒーロー

戦闘では、プレイヤーが操作する自らの分身であるヒーローと最大5体の召喚獣で敵と対峙する。このうち、召喚獣は時間経過で徐々にたまっていくSPを消費して召喚する形式だ。敵がいれば、ヒーローも召喚獣も自動で攻撃を行う。

さらに召喚獣は、ヒーローのスキルで回復できるほか、HPが0になってもリスポーンタイムが経過すればSPを払って復帰させることが可能だ。

これに対して、ヒーローはいっさいの回復手段を持っていない。さらに、前線に出ることで攻撃を行えるのだが、HPが0になるとゲームオーバーになってしまう。つまりヒーローの位置が、戦略的に重要な要素となるのだ。なお、召喚獣は敵に向かってまっすぐ進むものの、ヒーローが進まないとマップがスクロールせず、接敵できなくなるなどの不都合が生じることになる。

回復など、一定範囲に効果があるスキルは、ヒーローを前線に出すことで最大限に効果を発揮する。危険を冒しても召喚獣を救いに行くべきか……ちょっとしたジレンマだ

召喚獣は、召喚した後に一定時間が経過することで「☆マーク」が点灯し、固有のスキルを使用できるようになる。SS等級の召喚獣は、上記の固有スキルとは別に、特殊スキルを自動で発動することができるので、有効である

ヒーローと召喚獣で異なる強化方法

本作の重要な要素となるキャラクターの強化。召喚獣、ヒーローともにいくつかの要素において強化可能なのだが、それぞれ必要とする物が異なる。ヒーローは、所持する装備アイテムをゴールドのみで強化していくことが可能だ。

そしてレベルが上限に達すると、進化アイテムを消費して、より高いレアリティーの装備アイテムに進化させることができる。逆にいうと、ヒーローを強くするには装備アイテムを強化するしかないわけだ。

これに対して召喚獣は、強化アイテム(召喚獣)とゴールドを消費してユニット自体を強化する。それぞれの持つ属性と同じ強化用の召喚獣である「ダネ」を使うことで、経験値にボ―ナスがつくのだが、異なる属性であっても強化は可能である。召喚獣もヒーローの装備と同じように、レベル上限になると進化アイテムで上位のレアリティーに進化させることができる。

強化アイテムや進化アイテムはそれぞれ、「強化ダンジョン」と「進化ダンジョン」で入手できる。また、進化ダンジョンは、曜日によって入手属性が変化するので注意しておこう

オートモードの完成度は?

スマホゲームでは基本要素の1つともいえるオートモード(本作では「自動」)だが、もちろん本作にも搭載されている。しかし、こちらは他のゲームに比べるとちょっと微妙といわざるをえない。そもそも、一度クリアしたステージでしか使えないのだが、さほど苦労したわけでもないステージでヒーローがコロッと死んでしまったりする。

ヒーローが倒れてしまえば、5ルビーを払って復帰させるか、それまでに取得したアイテムをあきらめてやり直すしかない。もちろん、そのステージに入るために消費した体力も戻ってこない。オートで遊ぶなら、くれぐれも画面から目を離さないようにしておこう。

オートモードでは、AIは召喚のみを行う。スキルの使用などは、プレイヤーが直接指示するしかない

バラエティーに富んだストーリーモード

戦闘を行うステージは、物語を進める「ストーリー」とアイテムなどを集める「バトル」の2つのモードが用意されている。バトルでは基本的に敵の「せん滅」が目標となるが、ストーリーは物語に沿ってさまざまな目標が用意されている。バトルと同様に登場する敵を全滅させるほかに、目標地点への移動、目標の破壊、一定の時間が経過するまで生き残るサバイバルなど、かなりバリエーションに富んでいる。

どちらも、やることにそう大きな違いはないのだが、スキルの使用タイミングなどはそれぞれの目的に合わせないと、思いがけず敵に押し切られてしまうこともある。また、基本的に各ステージにはクリアまでの時間制限があるので、せん滅にしても到達にしても破壊にしても、グズグズしていると時間切れになってしまう。

ストーリーモードでは、ステージ開始前にフルボイスのムービーを見ることができるため、本作ならではの世界観にどっぷりと浸ることができる

「サバイバル」では、制限時間になるまで敵がわき続ける。しかし、たくさん敵を倒したからといって取得経験値が上がったりはしない

強さの目安があるとなおよかったが……安心しておすすめできる育成RPG

ヘルプの見やすさはかなり優秀で、ほかのタイトルもこれをスタンダードにしてほしいくらいよくできている。その反面、各ステージの難易度がわかりづらいという部分がプレイアビリティーを下げていて少々残念。ヒーローにレベルの概念がなく、召喚獣も装備も自由にレベルアップできるので、設定しづらかったことは想像に難くないが、まったく目安がないので、高難度のステージに突っ込んで無駄に体力だけが消費されるということもしばしばあった。

なお、プレイする端末に『LINE』が入っているとさまざまな特典が受けられるし、LINEでつながっている友だちと協力プレイも楽しめる(iOS版ではゲストログインが可能だが、Android版ではLINE IDでのログインが必須)。うまく活用して、壮大なファンタジーの世界を楽しんでもらいたい。

  • 使用した端末機種:iPhone 6 Plus
  • OSのバージョン:iOS 9.0.2
  • プレイ時間:約5時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.1
  • 課金総額:0円

(C) JOYMAX Co., Ltd. All Rights Reserved.