3つの種族が激突するタワーディフェンス形式のリアルタイムストラテジー!
ゾクゾクとするような殺伐とした雰囲気のオープニングムービーが終わると、すぐさまバトルフィールドへと放り出されてしまう『Art of War: Red Tides』。
基本的な説明しかない簡潔なチュートリアルに、面食らってしまう人も少なくないだろう。
オープニングでは、銀河のどこかにある惑星上で繰り広げられる壮大な戦闘シーンが、雰囲気たっぷりに描かれている
本作は、2つの陣営がお互いのユニットを出撃させて相手のベースを破壊する、タワーディフェンス形式のリアルタイムストラテジーだ。
基本的には、バトル中に得られるソウルという資源と引き換えに、自分の部隊に編制したユニットを出撃させていくだけ。このあたりは、タワーディフェンスゲームをやったことのある人ならすぐに理解できるだろう。
画面は見下ろし視点で、左右にスクロールして戦況を確認できる。出撃したユニットは、自動で移動と戦闘をこなしてくれる仕組みだ。相手のベースを破壊すれば勝利!
本作ならではの大きな要素として、いったん生産したユニットが、一定の周期(ウェーブ)ごとに自動で出撃していくことが挙げられる。つまり、10体のユニットを生産すれば、継続的に10体の部隊が新たに登場していく。
この際に、追加の資源は必要なし。新たなユニットの生産を始めるとき、そしてウェーブごとの生産数を増加するときにだけ、追加資源の投下が必要になるという仕組みだ。
画面左上のグリーンのアイコンが、資源にあたるソウル。時間経過や、敵を破壊したときなどに獲得できる。新たなユニットの生産と、生産数の増加の際に、このソウルが必要に
この仕組みのおかげで、一般的なタワーディフェンスゲームと比較しても、操作の煩雑さはかなり軽減されている。もちろん、不要になったユニットは生産数を減らしたり止めたりすることもできる。
一度に生産できるのは6種類までなので、バトルの進行度に合わせて調整していこう。
ユニット数自体にも上限があるので、その点には注意。また相手のウェーブを全滅させた際には、生き残ったユニットが「ベテラン追加効果」を得てパワーアップする
またバトルの最中は、敵を倒すことによって「技術レベル」がアップしていく。その際に得られる技術点を各ユニットに割り振れば、そのユニットをレベルアップさせてさらに強化することが可能だ(最大3レベルまで)。
ユニットによっては1つのレベルアップに2ポイントが必要になることもあるので、自分の使っているユニットの特性をしっかりと把握しておかないと、侵攻計画が狂ってしまうかもしれない。
3vs3のチームバトルが新鮮!
本作には1vs1のわかりやすいルールに加え、3vs3のルールが用意されている。これこそが、本作ならではのバトルをより楽しいものにしているといえるだろう。
3vs3では味方プレイヤーのユニットが順番に出撃していくうえ、出撃回数も限られているため、ユニットの選択はより重要になってくる。相手に押されないよう、隙のない状態を維持できるように心掛けたいところだ。
3vs3における、各プレイヤーのユニット出撃状態。自分の弱点を味方プレイヤーがカバーしてくれることもあるので、より気軽に挑戦できるかもしれない
基本となる「対戦モード」では、PvP対戦のほかに「A.I.戦」「戦術アカデミー」「ルームカスタム」が選択可能。「いきなりほかのプレイヤーと戦うのは……」と尻込みしてしまう人は、CPUを相手にする「A.I.戦」でゲームに慣れておこう。
また「戦術アカデミー」は、あらかじめ設定されたユニットと資源を用いて、さまざまな敵と戦っていくミッションクリア型のコンテンツ。
ユニットの種類や生産数やなどをバトル開始前にすべて決めておく必要があり、よりシミュレーションゲーム的に楽しめる。
こちらはメインメニュー。全世界のプレイヤーと順位を競い合うランク戦は、プレイヤーレベル15で開放。またプレイした時点では「アリーナ」はプレイできない状態だった
戦術アカデミーではバトル中の操作が一切できないため、各ユニットの特性を知るのに最適なコンテンツだ。40種類近くのミッションが用意されているので、少しずつクリアしていきたい
種族ごとに異なるユニットのバリエーション!
バトルで使用するユニットは、選んだ種族によってガラリと変わる。本作には人類、魔族、獣族の3種類が存在。
そしてバトルで使用する10種類のユニットを選ぶ「部隊編成」の際には、いずれかの種族で統一する必要がある(部隊はバトルごとに選択可能)。
3つの種族の特徴
- 人類:「技術研究」によって、最初から2種類のユニットをレベルの上がった状態で出撃させられる
- 魔族:「転換」によって、バトル中に2種類のユニットを別のユニットへ変換することができる
- 獣族:「犠牲」によって、バトル中に2種類のユニットを犠牲にしてコストの90%を再び得ることができる
種族ごとに複数の部隊をセットしておける。バトル開始時には、どの部隊を使って戦うかを自由に選ぶことが可能だ
また各ユニットは、生物/機械や、地上/飛行といったカテゴリー分けがされており、それぞれに対しての相性などが存在する。
敵の飛行ユニットに対抗するために対空部隊を用意するなど、さまざまな状況に対応できるバランスの部隊を組むことが重要となるだろう。
ユニットの一覧で確認できる「攻略」の情報が、非常に役に立つ。具体的にどのような場面で活躍できるかがひと目でチェックできるので、有効活用しよう
ユニットのバリエーションは、同じ特性で、若干の性能差があるユニットも含めると、各種族で70前後。「スキン」を変更することで見た目をガラリと変えることもできるので、自分なりのオリジナリティーあふれる部隊を作成することが可能だ。
人類のユニット。前方に範囲ダメージを与える「散弾バイク兵」、生物ユニットを回復する「医務兵」、飛行ユニットの天敵となる「アステリオン」
魔族のユニット。ステルス能力を持つ「ウォリアー」、味方のシールドを回復する「エンチャンター」、周囲にソードマンを召喚する飛行ユニット「ハンマーヘッド」
獣族のユニット。時間経過で協力になる「ダイアウルフ」、複数の味方を回復する「エルクヒーラー」、強力な手裏剣で継続ダメージを与える「ゲニンパンダ」
コマンダーもレベルアップ! スキルやルーンで戦況を有利に
本作では、プレイヤーはコマンダーと呼ばれる。バトルを繰り返していくと、コマンダーレベルがアップ! これによって新たなユニットが獲得できるほか、スキルやルーンを得ることもできる。
自分の戦績や、よく使う種族などのデータをまとめてチェックできる。また対戦に特化したゲームだけに、途中退出などを繰り返していると「評判」が変化するという、ちょっと役立つシステムも
レベルアップ時にはさまざまな特典が受け取れる。このほかに勝利達成の報酬として、ルーンの成長に必要なゴールドなども受け取れる
スキルとは、バトル中にプレイヤーが介入できる限られた手段の1つだ。デフォルトの「SPスキル」を1つと、さまざまな種類から選んだ「コマンダースキル」を2つセットして、任意のタイミングで使用する。
ミサイルを指定したエリアに打ち込む「爆撃」や、直線状にダメージを与える「ソウルキャノン」、敵ユニットのコントールを奪う「魅了」など、種族別にさまざまなコマンダースキルが存在するので、自分の部隊の特性に合わせた選択も重要だ。
なおコマンダースキルを使うには、ソウルとは別に取得できるゴールドが必要、かつ使用後に一定のクールタイムが発生するため、バンバンと発動していくわけにいかない。
しかし、適切なタイミングで有効なスキルを活用することが、勝敗に大きな影響を与えるだろう。
魔族のコマンダースキル「ペトリファイド」を発動! 指定範囲の敵味方をすべて石化させ、10秒間動けなくする(もちろん敵を狙って使用する)。攻防のバランスを崩して相手陣地へ押し込みたいときに効果的だ
そしてルーンにも注意。これは、コマンダーレベルに応じてアンロックされていくスロットに、いわゆるパッシブスキルのような効果をセットしていく仕組みだ。
地上攻撃の効果をアップするもの、移動速度を上げるもの、HPをアップするものなどがあるうえ、より強力な「上級ルーン」も存在する。ルーン自体をレベルアップすることもできるので、新たなルーンを集め、強化していくのも楽しみの1つとなるはずだ。
ルーンのレベルアップは、勝利報酬などでもらえるゴールドを使って、ストアで追加のルーンを購入すればOK
特別なユニットやスキンを購入するには課金が必要になるが、ゲームそのものは無課金でもしっかり楽しめる。
ウェーブごとに出撃するユニットを、相手に合わせて逐次変更したり、スキル発動のタイミングを見極めたりと、かなり考えることは多い。また終盤に向けて資源がインフレし、超強力なユニットを並べて敵を圧倒していけるのも大いなる快感だ。
普段はあまりタワーディフェンスゲームを遊ばない筆者も、この『Art of War: Red Tides』は非常に面白く、奥深いゲームであると感じた。プレイヤー同士のスリリングな戦いが好きなストラテジーゲームファンは、ぜひ一度遊んでみてほしい!
- 使用した端末機種:iPhone 6
- OSのバージョン:iOS 10.3.3
- プレイ時間:約6時間
- 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.5
- 課金総額:0円
(C) GameScience