Beat Sports【ゲームレビュー】

『Beat Sports』は、先月発売されたばかりのApple TV(第4世代)専用に製作された、スポーツ&リズムアクションゲームだ。開発したのは、『Rock Band』や『Guitar Hero』など、数々のリズムゲームを輩出したことで知られているHarmonix Music systems,Inc.。ご機嫌なBGMにノリながら、エイリアンを相手にスマッシュやホームランを決めていこう。

スポーツ好きなエイリアンたちと音楽に身を任せてテンポよくスマッシュ!

本作はApple TV専用のゲームなので、スマホではプレイできないことに注意してほしい。購入できるのも、Apple TVのApp Storeからだ。ただし、マルチプレイにおいて、iPhoneをコントローラー代わりにすることができ、そのアプリはiPhoneのApp Storeで入手できる。これについては、マルチプレイの箇所で後述する。

Harmonixの今までのアメリカンで硬派なイメージから一変し、デフォルメされたかわいらしいキャラクターが登場する本作。写真にいる変な生き物は、遥か宇宙からやってきた、スポーツ好きのエイリアンだそうだ

本作には特にストーリーはなく、音楽とミニゲームをいっしょに楽しみながら、より高難易度のステージに挑戦していくのがゲームの目的。ゲームの種類は、1人プレイ用の「NET BALL」「WHACKY BAT」「ハングリーホール」と、マルチプレイ用の「BUDDY BALL」の4つ。1人プレイ用の3種類は、音楽に合わせてボールを打つのが基本システムとなっており、スポーツというよりはリズムゲームに近い内容だ。

Apple TVのリモコンはモーションコントロールも備えており、実際にスイングすることでボールを打つこともできる。が、かなり激しい打ち合いになるので、筆者のようなおっさんだと、すぐに腕がつってしまう。クリックやスライドする操作方法のほうが無難だ

ちなみに本作では、あの『パラッパラッパー』の生みの親である松浦雅也氏が楽曲を担当している。バックミュージックやボールを打つときのポヨンという擬音などに、妙に懐かしさを感じるのは、そのためかもしれない。

身体を揺らしてリズム感を養いながらソロプレイ

1人プレイ用のミニゲームは、最も難易度の低いホームのカテゴリからスタート。ステージをクリアすると、アウェイ、スーパーアウェイのステージに挑戦可能になる。

NET BALL

一見すると、テニスのダブルスのようなミニゲーム。バレーのトスのようなプレイもあるので、おそらく宇宙人仕様のスポーツらしい。テニスのような採点ではなく、対戦相手たちとラリーをしながら、タイミングよくボールを打ち返すと得点が入る仕組みだ。

重要なのはボールを打つタイミング。早すぎず、遅すぎず、ベストのタイミングで打ち返すべし

得点の計算方法は、ベストタイミングで打ち返すと3点、タイミングが早いか遅いと1点、空振りだと0点。また、空振りせずに打ち返し続けると、その数だけ連鎖が発生。最終スコアにボーナスとして加算される。

エイリアンたちは、音楽に合わせて一定のリズムでこちらにボールを打ち返してくる。そのため音楽を聴きながら、タイミングを図るとプレイしやすい

スマッシュチャンスでは、ボールがカーソルに入るタイミングでボタンを押そう

WHACKY BAT

次々と出現するエイリアンたちが投げてくるボールを、3つのレーンを移動しながら打ち返すミニゲーム。ボールを投げるエイリアンによって、速球だったり、山なりだったりと、特徴がある。得点の計算方法はNET BALLと同じなので、できるだけ空振りをなくすのが、高得点をとるポイントだ。

小さいエイリアンは速球派。見てから振っても間に合わないので、音楽を聴きながら、投げてくるタイミングに合わせて、ラケットを置いておく感じで打ち返そう

ミニゲームが進むと、ピッチャーのようなエイリアンが登場。サイドスローやオーバースローから、七色の魔球を投げてくる。投げる前の動作で球種がわかるので、それを見てタイミングを合わせるのがコツ

ハングリーホール

音楽に合わせて歌(鳴き声?)を歌うエイリアンの口の中に、ボールを叩き込むという、けっこう非情なミニゲーム。打ってから実際にエイリアンに届くまで、若干のタイムラグがあるので、口を開ける直前にボールを打つと入りやすい。時間制限はないが、1ステージで打てるボールの数に限りがあるので、どれだけ失敗せずに打ち込めるかがポイントだ。

歌う順番やタイミングは、何度も確認できる。「それを暗記したら楽勝じゃないか!」と思えたが、1箇所でもタイミングをミスると、なし崩し的に失敗していくので、割と難易度は高い

得点の計算方法は、口の中に入れると1点。ミスせず、連続して口に入れると、連続して入れた数だけ得点がプラス(2回連続なら+1、3回なら+2)。また、ステージクリア時に残ったボールも、ボーナスとしてプラスされる。

ステージが進むと、歌いながらジャンプするエイリアンが出現。ボタンを押して、力をためてから打たないと口に届かない

仲間といっしょにマルチプレイ

最大4人で楽しめるマルチプレイ用のミニゲーム「BUDDY BALL」は、横並びのプレイヤーたちが、エイリアンと1球ずつ順番にラリーを行うスポーツ。ボールを打ち返せないとミスとなり、一定回数失敗すると敗北。最後まで残った者が勝者となる。一見、簡単そうに思えるが、おじゃまアイテムやエイリアンの特性などでメリハリがあり、意外とすぐに決着がついてしまう。そのため、パーティーなど、大人数で楽しむのにピッタリのゲームだ。

左右前方の3個所にエイリアンが出現。エイリアンによって、打ち返す球が速かったり、山なりだったりと特徴がある。それを見越して打ち分け、相手のミスを誘うのだ

ときどきエイリアンのいる場所にアイテムが出現。なかでも爆弾は、そこにボールを打ったプレイヤーを強制的にミスにさせる強力なおじゃまアイテムだ

前述したが、本作のマルチプレイは、iPhoneやiPod Touchをコントローラー代わりに使用できる。その方法は、無料アプリの『Beat Sports Remote』をApp Storeからダウンロードし、Wi-Fi環境に接続するだけと、とても簡単。ちなみに、第1プレイヤーだけはApple TVのSiriリモートが必要なので注意。

iPhoneさえ持っていれば、専用コントローラを買う必要もなく、写真のようにすぐにマルチプレイを楽しむことができる。これでGameDeets編集部もチームワークがバッチリに!?

ゲームに慣れたらプロ仕様に挑戦

1人用の3つのゲームで、全18ステージをブロンズメダル以上でクリアすると、プロモードがアンロックされる。このモードでは、スピードやボールの数などが上昇し、今までのステージとはまるで別物となった、ハードモードを楽しめる。

来るとわかっていても、あまりにも球速が速すぎて、もはや身体が追い付かない。何度もプレイし、ボールが来るタイミングを身体で覚えないと、ハイスコアは目指せない

トロフィーやランキングで、世界中のプレイヤーと腕前を競うことができる。腕に自信のある人は、メダルコンプリート&トップランキングを目指してみよう

Apple TVが家庭用ゲーム機にとって代わるのか?

1人プレイも面白いが、やはり本作の魅力はマルチプレイ。筆者の周囲にはiPhoneユーザーが多いので、簡単に大人数で遊べるのは、ゲームに使うガジェットとして大きな利点だ。また、高難度ステージなどのやりこみ要素もあり、コンテンツもじゅうぶん。Apple TVで最初にプレイするタイトルとして、Siriリモートの加速度センサーやジャイロを試すには、もってこいのタイトルといえるだろう。

描画性能が向上し、直観的な操作が可能なSiriリモートを搭載した第4世代Apple TV。その最大の特徴は、App Storeが使用できることだ。本作を皮切りに、これからApple TV用のアプリゲームが登場していくだろう。ゲームハードの隆盛を決めるのは、サードパーティーの力が不可欠。もしかしたらの話だが、あの大規模ゲーム開発会社がApple TVのゲームアプリに参入したらどうなるのか……。ゲームに関わる1人として、今後もApple TVの動向から目が離せない。

  • 使用した端末機種:Apple TV
  • OSのバージョン:tvOS
  • プレイ時間:3時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.0

(C) 2015 Harmonix Games LLC. All rights reserved. Beat Sports is a trademark of Harmonix Games LLC.