戦国時代が舞台なのに意外と資本主義的(?)なデッキ構築型RPG
一般的なRPGは、経験値取得にかけた労力がキャラクターの成長を裏切らないシステムになっており、よく努力が結果に反映されるといわれる。別のいい方をすると、仕事に対して成果(報酬)のレートが変動しないということである。戦闘で得られる経験値やお金はおおむね、そのキャラクターの戦闘力強化に使われるわけだから、すべては戦闘という仕事を核にした状態であり、そう考えるとなんともワーカーホリックである。
さて、スマホゲームにおいてもRPGは人気ジャンルであり、ハードの特性からも、多彩なキャラクターを集めながらデッキを構築していくというタイプがメインになっている。このデッキ構築型RPGではキャラクターを多数収集することから、次に「育成」という問題が出てくる。1人ひとりを戦闘で得られる経験値で育成していくと、膨大な時間が必要となるのだ。
これを解決するために、一般的なスマホRPGが選択した方法は2種類。1つが、戦闘取得の経験値のほかに成長アイテムを設定するもの。もう1つが、戦闘による経験値はキャラクターの成長に作用せず、アイテムの強化のみが成長を促進するというもの。どちらにしても成長アイテムはあるのだが、本作『戦国アスカZERO』ではこの成長アイテムの役割をお金(銭)に持たせている。
「銭」本位のスマートなシステム
本作の基本システムは、女性化した戦国武将を集めてデッキ構築を行うというもので、さまざまな場面で「銭」が求められる。
ゲームの舞台は戦国時代と思われるのだが、日本は戦国時代から江戸時代を経て近世に至るまで米本位制だったので、貨幣経済として見ればそれより進んでいることになる。とにかく、キャラクターにかかわることには銭がかかると思って間違いない。レベルを上げるための強化も、レベル上限を上げるための進化にも、進化アイテムに加えて銭が必要である。
また、本作には城下町を拡張していくという要素もあるのだが、通常の箱庭型のゲームと違って、建物を自由に置くことも、そもそもの建物の建築すらもプレイヤーの意思で行うことができない。ではどうするのかといえば、配下武将の提案を待つという仕組みになっている。
配下の武将は忠誠度やレベルが高くなると、城下町を拡張するための提案を行ってくることがある。これを聞くと、支払いを行うことなくその建物が建築される。建物には、銭を回収するためのもの、武具作成の効率化が図れるものなどがあり、全体の種類としては銭回収のための施設が多くなっている。つまり、武将に投資(レベルアップ)すると、施設建築の提案があって、最終的に銭回収の手段になって返ってくるのだ。銭の循環がほかのタイトルより明確で、この点が非常に面白い。
属性とレベルの重要性に注意
各武将には火、水、木、月、陽の5種類の属性がある。いちいち説明するまでもないが、火は木に、木は水に、水は火に強く、月と陽は相互に優位になる。また、武将には斬、打、突、投、射、弾という6つの職があり、斬、打は近距離、突、射は中距離、射、弾は遠距離と分類される。デッキに組む際の配置は自動で行われ、これを変えることはできない。
ちなみに、戦闘中に前衛がダメージを受け続けても、位置を入れ替えたり下げたりすることができないので、前衛職のレベルは高めにしておいた方がいい。
また、属性による与ダメージと被ダメージは明確に差が出るので、戦闘前にオススメ属性をチェックするのは必須。また、有利属性であろうともレベルが低ければ歯が立たないので、どの属性のキャラクターもそれなりにレベルを上げてやらなければならない。
ゲーム内でもTIPSが出るが、レアリティに関係なく、どのキャラクターも戦闘に参加できるレベルにまんべんなく上げておいてやると進行がスムーズになる。なお、キャラクターのレベルはプレイヤーレベルを超えられない点に注意しよう。
キャラクターの入手頻度は低め
「進撃」でマップを進めることで、イベント的に加入するキャラクターはいるものの、戦闘報酬でキャラクターが加入することはない。武将を仲間にするためには、課金通貨である「神玉」か「盟友Pt」でガチャを回すしかない。レアリティーは6段階で、神玉ガチャは3以上のみが排出される。盟友Ptは比較的入手しづらいため、キャラクター加入頻度はほかのゲームに比べるとどうしても低くなってしまう。
ただし、先ほども書いたように、キャラクターはなるべくレベルを上げておいた方が戦力になるので、最初から多くのキャラクターを集めたとしても、一概にパーティーが強くなるわけではない。銭とのバランスを考えながらパーティーを拡張していくのが重要であり、高いレアリティーになるほどレベルアップに必要な銭が多く必要になるので、序盤はあえて低レアリティーのキャラを主力に据えるのも手である。
戦国武将を女性化した作品はそれこそ珍しくもない時代なのだが、本作でちょっと面白いのが、武将に交じってその妻女もユニット化されている点。甲斐姫のように戦場に立った女性もいれば、豊臣秀吉の正室である寧々のように、戦とは無縁の女性もいる。いずれも能力に差はないので、安心してデッキに組み込んでもらいたい。
何をするにも、まずは銭が必要となる本作のシステムは、性急にことを進めづらい分、ゆったりと毎日遊ぶのに向いている。パーティーが充実して来れば、やれることもどんどん増えてくるので、城下町と武将の育成をじっくりと楽しもう。
- 使用した端末機種:紅米2(Red mi 2)
- OSのバージョン:Android 4.4.4
- プレイ時間:約5時間
- 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.6
- 課金総額:0円
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