そして人がいなくなった『ハリーポッター:魔法同盟』の荒野を往く

『Pokémon GO』や『Ingress』など位置ゲーの制作で知られる米Niantic社と版権元のワーナーゲームズ社が手がける本作『ハリーポッター:魔法同盟』ですが、鳴り物入りでの2019年6月のサービスイン以降イマイチな感じのサービス推移でメキメキとプレイヤーがいなくなり、いまや「これはレゴランドか?」というぐらいフレンド日照りな状況になってしまったんですよね。

言わずと知れた有力版権の最右翼、日本でも愛好者の多い『ハリーポッター』フランチャイズでしたが、なんかこう、見覚えのある地図に趣のあるアイコンが並んでいたとしてもフレンドがいないとイベントも回らないし、これもうどうしようもないんですよ。

フィーチャーはさすがにNiantic社製なのでよく考えられているなあと思いますし、イベントもリーズナブルなんですけど、いかんせん人がいない。広大な魔法の世界をぼっちで歩いている感はどうしても否めなくなっていきます。

日を追うごとに、減っていくフレンド。まあ、ソーシャルゲームの宿命ではあるんですけれども、フレンドがいることありきで作られている仕様が見え隠れする分、プレイヤー数の激減りな環境はやっていて限界集落感を覚えるのです。

さらに、サービスイン後、フレンド同士でプレゼントが贈り合える仕様が入りました。それはそれで嬉しいんです。嬉しいぞ。

ですが、そもそもプレゼントで贈られるアイテムをお薬その他で合成するのに時間がかかり、手間以外の何者でもないので枠を拡張するたびにマックスまで溜まってしまって、せっかくのプレゼントの大半が荷物整理で削除されるルーチンに入ってしまう羽目に。

せっかくフレンドがいても、なかば申し訳ない気持ちで不要なアイテムを捨てる作業をせっせとやることになるんです。

起きるイベントは合理的で、ハリーポッターの世界を満喫するには最適なんですけど、どこにいるか分からないジャンルの敵をうろうろ歩いて探し回らなければなりません。これ単体は楽しいし、よくできているんですけどね。

ただ、みんなで愚痴りながら楽しく散策するのが位置ゲーの楽しみで、イベントがあればみんなで集まってワイワイやるんでしょうが、残念なことに本作では常駐しているフレンドは貴重すぎるぐらい貴重ですので、血眼になって情報交換しても目当ての情報が得られるとは限らないんですよね。

ウイザードタワーも、新フィーチャーが入って報酬も入れ替わったというものの、貰った報酬で何か具体的にすぐさまいいことがあるわけでもなさそうです。もともとのウィザードタワーも近くにいるフレンドと一緒に潜ってレイドする前提で設計されているので、薬をジャブジャブ飲みながら独りで踏破するというマゾ仕様になっておりました。いいのか、それで。

一時期はウィザードタワーを巡回するのが楽しくて、素材をかき集めては薬品を作り、ガブガブ飲みながら戦闘を繰り返して楽しんでいたものですが、飽きました。

CPU戦は単にカーソル合わせて指示通りになぞるだけですから、魔力と体力が回復させられるだけの強さ(スキル)と薬が準備できればあとは作業なんですよね。

じゃあ「『Pokémon GO』が本当にゲームとして完成されている面白さだったか?」と言われればそうでもなかったんですよね。荒削りだけど、新鮮というか。仕様の不備も多かったわけですけど、位置ゲーにハマった多数のユーザーがひしめき合っていたから、不思議仕様でもゲームとして力技で成り立たせることができた側面はあったと思うんですよ。

サービス当初は本格的にクソゲーだったけど、その辺にいるポケモンを探して歩き回るだけでも充分に楽しかった。何だったんだろう、あれは。

普段はゲームをしないような人でも、ポケモンの世界観と位置ゲーの新しさの組み合わせの妙で、たくさんの端末を買ってきて並行運用する変人も多数出て、いわば「ポケモントレーナー」という名称が問題なく社会に受け入れられて元気にみんなイベントのあるところに歩いて集まってくる現象まで微笑ましく見えてきたわけです。

しかしながら、この『ハリーポッター:魔法同盟』は違う。ゲームとしての完成度の低さ故に、ユーザーが一気に離れた廃墟を、まるで世紀末ハンターのように少ない情報のかけらを求めて彷徨い歩くという物悲しさを肌で感じるゲームになっておるわけです。

何より、位置ゲーというのは複数のタイトルを掛け持ちするのが大変難しいジャンルで、『Pokémon GO』が番を張ってるところへ『ドラクエウォーク』が参入、幸いガンホーが手がけた『妖怪ウォッチワールド』はクソだったので助かったけれど、相対的にみればこの『魔法同盟』を引き続きプレイする動機が湧かないのです、よほどハリーポッターの世界観が好きでもない限り。

それでも、海外のプレイヤーで熱心な人たちがいて、イベントもしっかり対応しているネット情報が散在していることもあり、ワールドワイドで遊ぼうと思えばやっていけるのがまたミソです。英語ができるならば。

私もいまや表示はすべて英語に切り替え、小説も少し読み直してどうにかプレイは続けてきたわけですけれども、やっぱりいまひとつのめり込めないのはこの「誰とも一緒にやれてない感じ」が強いからなんじゃないのかなあ。

昔に比べればバグこそ減ったものの、いまでも激しくもっさりしている本作品が再び浮上する日は来るのでしょうか。

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