GrandChase M【ゲームレビュー】

さまざまな育成要素やテンポのいいバトルで、なかなかの良作に仕上がっているタクティクスRPG『GrandChase M』。わかりやすいストーリーやかわいいキャラクターも相まって、誰でも手軽に遊べる作品となっているが、少々の問題点もあるようだ。

やりこみ要素満載のタクティカルRPG
ただし日本語ローカライズには難あり……!?

世界各国の言語に対応したソーシャルRPGとなる『GrandChase M(グランドチェイスM)』。タクティカルRPGと銘打っている通り、『ヒーローチャージ』のようなオートタクティカルバトルに『グランブルーファンタジー』系のMORPG的なインターフェースとゲーム性をプラスした内容だ。

ちょっと懐かしいテイストの5頭身3Dキャラがバトルを繰り広げる様子は、見ているだけでも楽しい。グラフィック自体は3Dで描かれているので、バトルのカメラアングルを変えられるのも特徴の1つとなっている。

世界観はPCゲームの『グランドチェイス』のものを継承しているが、未プレイでも問題はなく、すんなりとストーリーに没入していける

カードRPG感覚で英雄を育成

ゲームのメインを占めるバトルについては、『ヒーローチャージ』と同様の感覚で遊ぶことができる。オートで進行するバトルに対して、プレイヤーはスキルの発動で介入する形式だ。

必要に応じてスキル発動の指示を出すだけの手軽なバトル。スキルの自動発動をセットすれば見ているだけでもOK

バトルでは、戦列に並んだ敵と味方がオートでぶつかり合う。さらに、スキルをオート発動にすれば、操作するのはスペシャルスキルの発動のみになる。たくさんの英雄のスペシャルスキルをためて、連携ボーナスを発生させよう。

プレイヤーはバトルを見るだけの時間がほとんどなので、満員電車の中でのプレイも問題なし。スペシャルスキルの発動や連携も指1本でできるので、場所を選ばずに遊ぶことができる。また、探検時に戦闘指令書を使用すれば、バトルの結果だけを確認することも可能だ。

キャラクター育成についてはカードRPGのシステムに近く、ショップの「英雄引き」ガチャやバトルの報酬で英雄を増やし、余った英雄は成長の材料に利用する。レベルが上限に達した英雄は、素材とゴールドを消費することで進級することが可能だ。同様に、装備品も強化したり、カードを装着したりすることができる。英雄が持つスキルを成長させることもできるので、育成要素のボリュームは膨大だ。

拠点の英雄成長メニューで余った英雄を素材に使うと、バトルで経験値を得るよりも早くレベルを上げられる

キャラクターのスペシャルスキル連携で絶大な効果が!

パーティーに加えられる英雄には、ガチャで入手するキャラクターと、バトルで入手するモンスターの2種類がある。このうち、モンスターの場合はスペシャルスキルの連携が不可能となっているので、パーティーにはキャラクターを3人以上編成してスペシャルスキルの連携を目指したいところだ。

スペシャルスキルの連携が決まれば、バトルの進行が格段に有利になる

ちょっと不親切なチュートリアル……日本語でOK!

物語は「セルディン」から始まって、その次の「カナバン」の冒頭までがチュートリアルという体裁だ。プレイ時間にして30分ほどの簡単なステージだが、その説明は親切どころかやや突き放した内容で、次に何をすればいいのかがわからなくなってしまう場面もあった。また、日本語がおかしい個所があるばかりか、テキストが英語で表示されてしまうスキルやアイテムが存在しているので、今後のアップデートでの改善を期待したい。

システムや画面はシンプルで、ゲームの進行は決して難しくない。その分、細かな表記がおかしくなっているのは非常に惜しく感じる

スペシャルスキルをためた状態でボス戦に突入せよ

ゲームを進めていくと、ステージにボスが登場することもある。最初のうちは通常の敵とあまり変わらない存在だが、先に進めば進むほどボスの能力は高くなり、スキルも強力になっていく。そこで、ボス戦に照準を合わせて、スペシャルスキルを発動させる戦略が必要になってくる。

スペシャルスキルのゲージはステージを越えても保持されるので、前のステージで発動可能な状態にしてから、ボスの登場するステージに挑む作戦が有効だ。可能ならスペシャルスキルをさらに連携させて致命傷を与えたい。

ボスが登場するステージは決まっているので、スペシャルスキルのゲージ使用は計画的に

遊びやすいタクティカルRPGとして

本作はiOSとAndroidの両対応。どちらのバージョンもプレイしてみたが、特に差異を感じる部分はなかった。しかし、3Dグラフィックでバトルを展開するだけあって、ゲームの動作はそれなりに重い。そのため、できるだけハイスペックな端末でのプレイが望ましい。また、Android版については課金に関する不具合があるようなので、まずは無課金で遊んでみるのがベターかもしれない。

韓国開発のゲームということで、日本語への対応の不備は目立ってしまうが、ゲームのプレイフィール自体は日本産のゲームに近く、『ヒーローチャージ』よりも遊びやすく感じた。ステージ攻略に行き詰まっても、色んな育成を試すことで苦境を突破できる余地があるのはうれしい。

ソーシャルネットワークのプラットフォームが「Actoz Games」という独自のサーバーで、専用のアカウントもしくはFacebookアカウント、Google+アカウントのいずれかでログインする必要がある。『GameCenter』や『Google Playゲーム』を介さないので、いつものフレンドと遊ぶには少々ハードルが高い。この点も不親切と言える。

テンポがいいバトル、よく動く3Dキャラクター、やりごたえ十分な育成要素、遊びのボリュームを広げるソーシャル要素、そして必要十分なストーリーと、遊べるゲームの要素はそろっている。あとは細かい不満を解消してくれれば名作になり得るが、現時点では佳作といったところだろう。

  • 使用した端末機種:SO02G / iPhone 6 Plus
  • OSのバージョン:Android 4.4.4 / iOS 8.4
  • プレイ時間:約10時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.0
  • 課金総額:0円

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